生殖医療遺伝カウンセリングマニュアル

  • ページ数 : 166頁
  • 書籍発行日 : 2021年11月
  • 電子版発売日 : 2021年10月29日
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商品情報

内容

大好評「周産期・婦人科遺伝カウンセリングマニュアルシリーズ」から待望の1冊!

生殖補助医療の現状・臨床遺伝学の基本から,各種疾患について着床前遺伝学的検査を施行する場面を想定して具体的に遺伝カウンセリングの中で伝えるべきことを解説.
クライエントの理解を深めるために使用できる図表資料は診察室の必須アイテム!
産婦人科医はもちろん臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーにも役立つ必携書.

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序文

2013年に非侵襲出生前遺伝学的検査(NIPT)がわが国で臨床研究として導入され,それを契機とするさまざまな議論を通じ,出生前遺伝学的検査を受ける妊婦には遺伝カウンセリングが必要であるとの共通認識が広がった.そして,出生前遺伝学的検査を行う医療者が理解するべき臨床遺伝の知識を勉強したいという意見や,実際に妊婦さんに説明する際に使う資料が欲しいとの要望があったことから,その情報を整理した『周産期遺伝カウンセリングマニュアル』を2014年11月に発刊した.同書では,産科医療に必要な臨床遺伝の知識を整理してわかりやすく記載したことと,遺伝カウンセリングで使用する資料を付録としたことで,大変ご好評をいただき,2017年4月には改訂版を,さらに2020年4月には改訂3版を発刊することができ,多くの皆様に臨床の場でご活用いただいている.

一方,婦人科領域においても,遺伝性腫瘍が疑われる症例での遺伝学的検査やprecision medicineとしての治療法選択のためのがんゲノム医療などが臨床に導入され,婦人科がん診療領域における遺伝カウンセリングの重要性が再認識された.そこで2018年4月に婦人科腫瘍版として『婦人科腫瘍遺伝カウンセリングマニュアル』を発刊し,これも多くの皆様に好評をいただき,臨床の場でご活用いただいている.

生殖医療の分野においても,従来から日本産科婦人科学会の見解に基づいて重篤な遺伝性疾患や均衡型染色体転座に起因する習慣流産に着床前遺伝学的検査(PGT-M,PGT-SR)が行われてきたが,この学会の見解が近く改訂される予定となっている.また,染色体異数性のスクリーニング検査を行うPGT-Aの臨床応用も近いと考えられ,生殖医療における臨床遺伝分野の役割も今後大きく発展することが予想される.そこで,周産期,および婦人科腫瘍遺伝カウンセリングマニュアルの続編として,『生殖医療遺伝カウンセリングマニュアル』を上梓することとなった.

本書では,第1部の総論では臨床遺伝学的知識,最近の生殖補助医療の現状について解説した.また,第2部の各論では各種疾患について着床前遺伝学的検査を施行する場面を想定して最新知識をまとめた.各章はそれぞれの分野のエキスパートが,Caseを挙げて具体的に遺伝カウンセリングの中で伝えるべきことを整理して解説するなど,臨床の場で活用しやすいように工夫して作成した.また,遺伝カウンセリングではわかりやすい資料を用いて説明することで,クライエントの理解を深めることが重要であるが,そのために活用できる「遺伝カウンセリング資料」を付録として作成した.本書は,一般の産婦人科医のみならず,生殖医療専門医,臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー®,またはその資格取得を目指す方などが活用することを想定して作成されている.本書を通じ,生殖医療領域における臨床遺伝の理解が促進すれば幸いである.

なお,本書内の遺伝子変異保有率などは各著者の引用文献によって異なるデータが記載されていることをご了承いただきたい.また,本書の発刊に際し,中外医学社の岩松宏典氏,上岡里織氏,桑山亜也氏の多大なご尽力をいただいた.この場を借りて感謝申し上げる.


2021年10月吉日

関沢 明彦
佐村 修
中岡 義晴

目次

第1部 総論

【1】遺伝の基本(ゲノム,DNA,遺伝子,染色体)〈四元淳子〉

【2】染色体異常の発生機序〈河村理恵,杉本 岳,倉橋浩樹〉

 (COLUMN)受精卵(胚)の染色体異常〈中岡義晴〉

【3】女性の年齢の不妊治療への影響 卵子の染色体異常率〈関沢明彦〉

 (COLUMN)卵子の加齢とミトコンドリアDNA量〈森本義晴〉

【4】生殖医療における染色体解析法(PGT-Aなど)〈山本俊至〉

 (COLUMN)PGTにおける全ゲノム増幅法の実際〈桜庭喜行〉

【5】生殖医療における遺伝子解析法〈加藤武馬,杉本 岳,倉橋浩樹〉

【6】不妊治療前の遺伝学的評価と対応 妊娠前カウンセリングも含めて〈佐村 修〉

【7】不妊治療の基本〈勝 佳奈子,中岡義晴〉

【8】体外受精・顕微授精と先天異常の発症率 着床前検査後の妊娠における先天性疾患の発症率〈竹下直樹〉

【9】不育症の診断と治療〈岸 裕司〉

 (COLUMN)流産と染色体〈佐村 修〉

【10】PGTの種類とその方法と安全性(長期的予後)〈宇津宮隆史〉

 (COLUMN)初期胚の形態による選別〈橋本 周〉

【11】不妊治療における法律とガイドライン〈三宅秀彦〉

【12】わが国のPGTにおける倫理的問題〈澤井英明〉

【13】わが国のPGT-Mの現状 検査の適応と実施実態〈中岡義晴〉

 (COLUMN)PGTの申請から承認および施行までの流れ〈庵前美智子,中岡義晴〉

【14】海外におけるPGTの現状〈福田愛作〉

 (COLUMN)ゲノム編集〈高田修治〉

【15】生殖補助医療と遺伝カウンセリング〈四元淳子〉

【16】Oncofertility(がん・生殖医療)の世界 小児・AYA世代がん患者の福音につながる医療の現状〈鈴木玲子 鈴木 直〉

第2部 各論

【17】【PGT-A】実施前の遺伝カウンセリングの要点〈桑原 章〉

 (COLUMN)日本産科婦人科学会PGT-A特別臨床研究 パイロット試験の成果〈佐藤 剛〉

【18】【PGT-A】反復流産・反復着床不全症例〈笠島道子〉

【19】【PGT-A】モザイク胚の扱いについて〈杉本 岳,宮井俊輔,倉橋浩樹〉

 (COLUMN)出生前検査とPGT〈山田崇弘〉

【20】不育症とPGT-SR〈遠藤俊明,馬場 剛〉

【21】【PGT-M】デュシエンヌ型筋ジストロフィー・副腎白質ジストロフィー〈佐藤 卓,水口雄貴,末岡 浩〉

【22】【PGT-M】筋強直性ジストロフィー〈中岡義晴〉

【23】【PGT-M】常染色体劣性(潜性)遺伝性疾患 脊髄性筋萎縮症〈竹内一浩,黒木裕子〉

【24】遺伝性腫瘍〈大江瑞恵〉

【25】【男性不妊】無精子症,乏精子症〈阿部友嘉,大野田 晋,杉本公平〉

【26】【男性不妊】クラインフェルター症候群〈鈴森伸宏〉

 (COLUMN)精子提供と卵子提供〈久慈直昭〉

【27】【女性不妊】ターナー症候群と性染色体異常〈森山育実,倉橋浩樹〉

 (COLUMN)性同一性障害と生殖〈中塚幹也〉

【28】【女性不妊】遺伝性腫瘍と妊孕性温存〈四元淳子〉

索引

【付録】遺伝カウンセリング資料

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書籍情報

  • ISBN:9784498160200
  • ページ数:166頁
  • 書籍発行日:2021年11月
  • 電子版発売日:2021年10月29日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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