関節外科 2023年12月号 Vol.42 No.12 骨粗鬆症のUp to date

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2023年11月
  • 電子版発売日 : 2023年11月21日
¥2,750(税込)
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序文

introduction

骨粗鬆症の病態の根幹となる性ホルモンの減少は生涯改善することはない。すなわち,骨粗鬆症は予防,診断,治療を生涯にわたり継続することが求められる疾患である。かつては「骨粗鬆症なんて老化現象」とまで言われていた時代があった。その名残か,今なおもって骨粗鬆症の検診率は5%という状況で隠れた骨粗鬆症例は想定患者数1,590 万人中80%にも達するとされている。骨粗鬆症はADL の低下のみならず死亡のリスクを高める。しかし,骨粗鬆症に治療介入することにより生命予後は改善する。この疾患は自分もそして家族にもご多分なく襲いかかってくることを念頭に,患者さんを自身の家族と思い生涯にわたる予防,診断,治療をお願いしたい。骨は海綿骨で年間40%,皮質骨で年間7%程度すべて入れ替わるため,介入(食事,運動,薬剤)による骨折防止効果は高い。しかし,治療を中断すれば戻ることのない性ホルモン減少のあおりを受け,元の木阿弥となる。関節外科医,整形外科医は「骨」こそ,生理機能を理解し治療すべき対象を広げていただきたい。整形外科医は手術の際に腱や靱帯,骨に触れ,組織の強度を直に感じ,個々の症例に対して適切な外科的処置を施していく。整形外科医が他科の骨粗鬆症診療に携わる医師と異なるのは,骨に直に触れ,骨強度というものを身をもって体感していることである。例えば,術前検査で骨密度がYAM 70%を超えていても,手術中に骨に触れた際に,「ん? 骨が脆いな」「ん? 骨が軟らかいな」と感じれば,術中操作を慎重にするのみならず,術後早期から骨強度改善を目指した治療を開始することができる。整形外科医は手術の際に骨をボーンソーで切ったり,スクリューを打ち込んだり,インプラントを打ち込んでいる。いわば骨強度試験ともいえるこれらの外科的手技を通じて,個々の症例における骨強度の多様性を体感している。整形外科医は潜在的にこうした経験をもとに患者さんの骨折リスクを評価しているといっても過言ではない。本特集は整形外科医としても骨の素顔を知る研究者としてもエキスパートの先生方に執筆をお願いした。明日からの診療の一助になれば幸いである。


東京慈恵会医科大学整形外科
斎藤 充

目次

特集:骨粗鬆症のUp to date  企画・編集:斎藤 充

骨粗鬆症診療のパラダイムシフト-一次,二次骨折予防の重要性-  中藤真一

骨粗鬆症の画像診断の進歩  千葉 恒

骨代謝マーカーのUp to date  永井隆士ほか

『大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021改訂第3版』の要点  澤口 毅

一次・二次骨折予防のスタートとしての椎体骨折の重要性  宮腰尚久

軽んじてはいけない橈骨遠位端骨折:その先にある重症骨粗鬆症への進展予防の観点から  酒井昭典

勢揃いした骨形成促進薬Update  萩野 浩

生涯継続すべき骨粗鬆症治療:逐次療法Update  蛯名耕介

椎体骨折および高齢者脊柱変形に対する手術治療に際しての骨粗鬆症治療の重要性  高畑雅彦

人工膝関節全置換術後のインプラント周囲骨密度・骨粗鬆症治療の重要性  箕田行秀

実地整形外科医が取り組む医療連携の在り方  沖本信和ほか

整形外科医にも知ってほしい骨粗鬆症:フレイル・サルコペニア連関Update  浦野友彦

連載

・傷をきれいに治す~外科的治療成功への第一歩~(第3回)

「傷をきれいにするための切開と閉鎖」  橋川和信

・話したくなる 整形外科 人物・用語ものがたり(第17回)

「天然痘を撲滅:ジョン・ハンターの愛弟子,エドワード・ジェンナーの試み」  小橋由紋子

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書籍情報

  • ISBN:9784008204212
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2023年11月
  • 電子版発売日:2023年11月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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