産婦人科の実際 2022年12月号 71巻13号 特集 フェムテックと産婦人科医療 【電子版】

  • ページ数 : 114頁
  • 書籍発行日 : 2022年12月
  • 電子版発売日 : 2022年12月9日
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内容

特集 フェムテックと産婦人科医療
女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決する「フェムテック(FemTech)」。近年多くの企業が参入し盛り上がりをみせていますが,医療者が今後どのようにしてフェムテックと向き合っていくべきか,今一度立ち止まって考えるべき時がきています。本特集ではフェムテック分野に関する科学的な知識および社会的意義について紹介します。

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序文

企画者のことば

フェムテック(FemTech)とは,Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で,思春期,月経,妊孕性,妊娠,産前産後,更年期など女性特有の健康課題を解決するテクノロジーや,それを使ったサービスを意味します。

少子高齢化社会の進む日本では,現在の社会体制を維持することすら困難となることが予想されており,今まで以上に女性が輝き,女性の能力が活用され,社会進出することが必要と認識されます。

政府も「経済財政運営と改革の基本方針」2021(骨太方針),「成長戦略フォローアップ」,「女性活躍・男女共同参画の重点方針」2021(女性版骨太方針)により,フェムテック製品・サービスの利活用を促す仕組みづくりを令和3(2021)年度から支援することを決定,政策として実施しています。

具体的な政策の展開において受け皿の1 つになるのは産婦人科医療で,無月経,月経困難症,子宮筋腫,子宮内膜症,不妊,避妊,更年期など枚挙にいとまがありません。女性のライフステージごとの健康負荷を軽減するテクノロジーは開発段階でありますが,産婦人科医の果たすべき役割は大であると思います。

本特集は2021 年12 月にオンライン開催された一般社団法人日本産前産後ケア・子育て支援学会主催「フェムテックセミナー」の講演内容を中心に,最近注目されている社会的卵子凍結や人工妊娠中絶の問題を加え,この分野に関する科学的な知識および社会的意義について話題を提供しました。女性特有の健康課題を解決する一助になれば幸いです。


堤  治 Osamu Tsutumi 医療法人財団山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療部門長
林 謙治  Kenji Hayashi 日本産前産後ケア・子育て支援学会理事長

目次

特集 フェムテックと産婦人科医療

1.フェムテックとその重要性  林 謙治

2.日本人の月経周期・基礎体温についての最新の知見  辰巳 嵩征

3.女性のウェルネスからみるフェムテックの活用  対馬 ルリ子

4.生殖医療の最近の進歩とフェムテック  堤 治

5.卵子凍結とフェムテック  京野 廣一

6.妊娠中〜産後のフェムテック・遠隔医療  重見 大介

7.妊娠中絶−世界の実情・日本の現状  熊澤 惠一

8.セクシャル・リプロダクティブヘルス/ライツとフェムテック  柴田 綾子

9.更年期以降の健康課題とフェムテック  飯田 美穂

10.セクシュアリティとフェムテック  大川 玲子

11.日本におけるフェムテック製品の進歩と普及  渡邊 香

今日の話題

ワクチン接種の意思決定時における「同調効果」:娘へのHPV ワクチン接種意向と母親自身への新型コロナウイルスワクチンの接種意向の比較  八木麻未ほか

診療

当院における産後うつ病の発症とCOVID—19 拡大の関連について  新田絵美子

臨床経験

リスク低減卵管卵巣摘出術後の遺伝性乳癌卵巣癌患者に対する,当院における漢方薬を中心としたヘルスケア診療の試み  安達将隆ほか

症例

イマニチブ投与下に妊娠を継続した転移性肝腫瘍破裂既往の小腸GIST合併妊娠の1例  中井麻稀ほか

海外文献から 京都大学

妊娠中の母体へのワクチン接種と児のCOVID-19 による入院予防効果

助産師2名による分娩第2期介助は重度会陰裂傷を軽減する:スウェーデンでの多施設共同ランダム化比較試験

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書籍情報

  • ISBN:9784003107113
  • ページ数:114頁
  • 書籍発行日:2022年12月
  • 電子版発売日:2022年12月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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