- m3.com 電子書籍
- 寺井 崇二
- 医学のあゆみ279巻8号 肝硬変は治るか? 組織改築改善・研究の最前線
商品情報
内容
・B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎,あるいはアルコール肝炎,肥満症に伴う非アルコール性脂肪肝炎などが原因で肝硬変が進む.
・肝線維化進行による門脈圧亢進により側副血行路形成や腸管浮腫をきたし,静脈瘤形成やその破裂,腸内細菌などPAMPsに影響を受けたり,便秘や解毒能の低下からくる脳症,近年ではPoPHにもつながることが解明されてきた.
・ウイルス制御も可能になった今,われわれは今まで“No return point”を超えたとあきらめていた肝硬変症患者に対する次世代治療の開発,あるいは悪化させない新たな治療の開発を進めていかなければならない.
≫ 「医学のあゆみ」最新号・バックナンバーはこちら
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版
序文
はじめに
肝臓は再生力が高い臓器のため,進行しても症状がでにくい“沈黙の臓器”といわれている.B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎,あるいはアルコール肝炎,肥満症に伴う非アルコール性脂肪肝炎などが原因で肝硬変が進む.肝線維化進行による門脈圧亢進により側副血行路形成や腸管浮腫をきたし,静脈瘤形成やその破裂,腸内細菌などpathogen-associated molecular patterns(PAMPs)に影響を受けたり,便秘や解毒能の低下からくる脳症,近年ではportopulmonary hypertension(PoPH)にもつながることが解明されてくるなど,さまざまな影響をもたらし,悪循環をきたし“No return point”に入る.肝線維化進行に伴い末梢血管は拡張し,その結果,門脈圧亢進症症状がでてくる.ウイルス制御も可能になった今,われわれは今まで“No return point”を超えたとあきらめていた肝硬変症患者に対する次世代治療の開発,あるいは“No return point”に悪化させない新たな治療の開発を進めていかなければならない.
本特集では,基礎研究のセッションとして肝線維化の進行機序(池永・河田の稿),iPS細胞由来の肝星細胞を用いた最新の研究(木戸・宮島の稿),さらに幹細胞・オルガノイドを用いた肝線維化研究(仁尾・武部らの稿),線維を制御するコラゲナーゼ(稲垣らの稿)についてご紹介いただき,肝線維化の基盤機序を理解していただきたい.さらに,薬剤による肝線維化改善のアプローチ(高谷らの稿)について理解していただきたい.次のトランスレーショナルリサーチのセッションでは現在臨床開発が進んでいる分野について,間葉系幹細胞,エクソソーム治療(土屋・寺井の稿),肝星細胞をターゲットにした治験の状況(小川・坂本の稿)を紹介していただく.最後の臨床部門では,ウイルス排除による肝線維化改善(八橋の稿),血流改変による肝線維化改善(石川・高見の稿)について,リアルワールドデータとして議論したい.次世代治療の開発には,基礎から臨床へのTranslationalResearch,臨床結果を踏まえたReverse Translational Research を推進することが必要であり,本特集では各分野で精力的に取り組まれている先生に寄稿をお願いした.
医学の常識は科学の進歩により変わる.この信念のもとで日本初の治療法の開発につなげたいと考えている.
寺井崇二
(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野)
目次
特集:肝硬変は治るか? 組織改築改善・研究の最前線
はじめに ─ No return pointを超えるためのTranslational Research & Reverse Translational Research 寺井崇二
基礎
肝線維化進行の機序 池永寛子・河田則文
iPS細胞を用いた創薬研究 ─ 肝線維化治療薬の開発 木戸丈友・宮島 篤
幹細胞・オルガノイドを用いた肝線維化研究の最前線 仁尾泰徳・他
線維化改善機序からみた肝線維症の治療戦略 稲垣 豊・他
薬剤による肝線維化改善 ─ ADAMTS13を含めて 高谷広章・他
トランスレーショナルリサーチ
間葉系幹細胞,エクソソームを用いた肝硬変治療 土屋淳紀・寺井崇二
ビタミンAをターゲットにした肝線維化改善剤の開発 小川浩司・坂本直哉
臨床
抗ウイルス療法による肝線維化改善 八橋 弘
門脈系血行動態の改変による肝線維化改善の可能性 石川 剛・高見太郎
連載
この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症24 疥癬 ─ その治療と対策(病型が違えば感染力も大違い) 関根万里
オンラインによる医療者教育10 オンラインを活用した模擬患者参加型医療面接教育─ 大阪市立大学での試み 幕内安弥子・栩野吉弘
ユニークな実験動物を用いた医学研究❽ マーモセット ─ そのユニークな特性と,ヒトとの類似性 井上貴史・佐々木えりか
COVID-19診療の最前線から ─ 現場の医師による報告❷ COVID-19の疫学 ─ 発生率,死亡率,年齢,性別,患者背景,発生様式,発生地域,とくに世界と日本のデータ比較 亀谷航平・他
TOPICS
皮膚科学 免疫チェックポイント阻害薬誘発皮膚免疫関連有害事象─ 乾癬様皮膚炎を中心に 沖山奈緒子
社会医学 大切な人を介護した経験は「人生会議」実施に関連する─ 「人生の最終段階における医療に関する意識調査」の分析から 羽成恭子・他
FORUM
子育て中の学会参加16 耳鼻咽喉科医の場合 崎谷恵理
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 10.0 以降
外部メモリ:7.6MB以上(インストール時:17.8MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:30.5MB以上
-
AndroidOS 5.0 以降
外部メモリ:7.6MB以上(インストール時:17.8MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:30.5MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784006027908
- ページ数:74頁
- 書籍発行日:2021年11月
- 電子版発売日:2021年11月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。