高度救急へとつなぐ とりあえずいまを乗り切る救命の考え方&テクニック

  • ページ数 : 254頁
  • 書籍発行日 : 2022年2月
  • 電子版発売日 : 2022年2月2日
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商品情報

内容

どうする?!重症患者の転送、集約化
少ない人的、物的資源で治療成績向上を目指すエッセンスを凝縮


患者の移送には危険が伴う.目の前の患者をいかに安定化させ転院につなげるか,移送手段はどのように選択するか,行政や消防との連携はどうするのか.少ない人的,物的資源でもこれらの問題を解決し,治療成績向上を目指すためのエッセンスを凝縮.ますます集約化が進む医療現場において,高度救急まで患者を適切に届けるために「とりあえずいまできること」を整理し,次の一手の引き出しを増やすことは,臨床上の大きな武器となるだろう.

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序文

SARS-CoV-2(Severe Acute Respiratory Syndrome Corona Virus 2)による新型コロナウイルス感染症COVID-19(Coronavirus Disease 2019)は人々の生活に大きな影響を与えている.社会のシステムが大きくかわり,人々の行動様式も変革が求められている.

これは医療界についても同様である.コロナ患者対応と外傷や心筋梗塞などコロナ以外の疾患との両立が求められ,院内感染を防ぐために感染対策を徹底しながらの治療にて医療現場では人員不足が顕在化している.少ない人的,物的資源で治療成績向上を目指す方策の1つが症例の集約化である.すでに欧米では集約化を国策として進めている地域もあるが,今後本邦でもコロナの影響を受けて重症患者を集約していく体制が加速することが予想される.

しかし患者の移送には危険が伴う.集約化を進めるうえで,最初に患者が搬送された病院での安定化処置,そして転院のための移送中の安全確保も今後より注目されるようになる.

本書はこのような視点から現在第一線で活躍中の皆様に解説いただいた.

まず目の前の患者の安定化を行い,転院につなげるうえでのポイントとなる概念,天候や病態を考慮したうえでの移送手段の選択,行政や消防との連携,医療制度や保健による社会的支援まで網羅するものとなっている.

本書がよりよい医療体制の構築に,何より患者さん一人ひとりの安心,安全につながることを願う.


2021年12月

横浜市立大学救急医学主任教授
竹内一郎

目次

第1章 緊急の患者の転院にあたっての注意事項

【総論】

1.転院にあたっての総論 〈竹内一郎〉

2.コロナ患者の転院搬送と集約化 〈本澤大志〉

転院搬送中の二次感染予防について

変化する感染フェーズと転院搬送の考え方

COVID-19患者の集約化と病院間の役割分担

重症呼吸不全症例におけるECMO装着下での転院について

3.転送にあたっての患者状態の評価 〈古谷良輔 佐藤公亮 大塚 剛〉

患者転送はdispositionの1つである

救急患者の転送:都市部の実情と中小病院の問題点

患者転送時に考慮すべきこととは何か

【各論】1.搬送手段の確保とそれぞれの移送中の注意事項

1.ドクターヘリ 〈藤田健亮〉

ドクターヘリとは

ドクターヘリの運用

ドクターヘリの活用

ドクターヘリ搬送が適切かどうかの判断

ドクターヘリを要請する

ドクターヘリを要請したら

Column 実際の症例を元に

2.ドクターカー 〈栩木愛登〉

ドクターカーとはなにか

ドクターカーの車両

ドクターカーの運用形態

ドクターカーができることとその準備

ドッキングの際の注意点

Column 「ドクターカー休眠・・・」

3.救急車 〈大井康史〉

転院搬送のメリットを知ろう

転院搬送のデメリットを知ろう

転院搬送は患者のここに目を向けよう

救急車について知ろう

転院搬送ガイドラインを知ろう

4.消防ヘリ 〈竹内一郎〉

搬送手段の選択─救急車かヘリか固定翼か─

消防ヘリによる転院

【各論】2.転院先病院が必要な情報とは 〈土井智喜〉

第2章 それぞれの疾患の緊急転院にあたり,いますべきこと

1.ICUからの転院 〈岩下眞之〉

二次救急医療機関のICUから三次救急医療機関への転院を考慮するべき症例

三次救急医療機関への転院搬送基準

ICU入室トリアージツール

安全な搬送のための患者の安定化と準備

転送前の挿入デバイスチェック

詳細な患者情報は後からで良く,まずは迅速な転送

ICU患者の転院搬送中の患者管理

2.ERからの転院 〈高橋耕平〉

ERからの転送に関わる原則

緊急度・重症度の判断

Column 輸液に反応しない出血性ショックに確定診断をしている場合ではない

医療リソースの把握

転送に関わるリスク評価

転送のためのパッケージング

病院間ネットワークの構築

  (Column)  サブスペシャリティをもたぬ救急医 〈高橋耕平〉

3.外傷患者の転院:緊急手術・IVRが必要な症例 〈船曵知弘〉

緊急手術とは

IVRとは

外傷患者における緊急の観血的止血術やIVRの適応

転送先では何が行われるのか

advancedな知識

高度救命からの提言

転送において注意すべきこと

緊急IVRの具体的ケース

  (Column)  救急医としてのサブスペシャリティについて 〈船曵知弘〉

4.敗血症患者の転院 〈中山祐介〉

敗血症の診断と初期蘇生

感染症への介入

画像検査

感染巣への外科的介入

抗菌薬投与

5.循環器救急の症例 〈佐藤伸洋 目黒健太郎 阿古潤哉〉

救急現場での心疾患

循環補助装置

初期治療と転院搬送の判断

循環補助装置装着患者の搬送

6.脳疾患患者の転院:転院決定の判断と搬送までの対処 〈横堀將司〉

患者の初期評価と転院決定の判断

病歴聴取のポイント

  (Column)  救急医学におけるチーム医療を考える 〈横堀將司〉

7.整形外科外傷の転院 〈普久原朝海〉

多発外傷

Column 脊椎外傷

骨盤輪骨折

Column 高齢者脆弱性骨盤輪骨折

開放骨折

関節内骨折・骨幹部粉砕骨折・転位の大きな骨折

関節脱臼

血管損傷・切断肢・切断指

コンパートメント症候群

Column 整形外傷医とは

(Column)  救急医療における「整形外科外傷」という専門性について 〈普久原朝海〉

8.VV-ECMO症例の転院 〈萩原祥弘 小倉崇以〉

重症呼吸不全症例の施設間搬送の形態とは

なぜVV-ECMO症例を集約化する必要があるのか

どのような場合に三次医療機関に転送を考慮すべきか

転院までにどのように安定化して,どのような準備をすべきか

ECMO primary transportの概略を理解する

集約化のために必要なこと

(Column)  “総合病院の中の救急科の立ち位置”〈小倉崇以 萩原祥弘〉

9.特殊な感染症(はしかや中毒など) 〈赤坂 理 阿南英明〉

麻疹

Column 国内の麻疹発生状況について

破傷風

壊死性筋膜炎(重症軟部組織感染)

インフルエンザ(インフルエンザウイルス感染症)

Column 季節性インフルエンザと新型インフルエンザ

マラリア

感染性心内膜炎

急性中毒

10.重症熱傷患者の転院 〈黒柳美里〉

重症熱傷の初期対応

重症熱傷患者の転院搬送

高度救命救急センターからの提言

第3章 転院にあたっての留意事項

1.看護の視点から 〈友永知恵〉

救急看護とは

救急部門の看護師の役割と看護実践

患者転送のタイミングと,転送に関わる看護師の役割

2.ソーシャルワーカーの視点から 〈青柳一輝〉

入院時の患者の社会背景の確認について

社会的ハイリスクを抱えた方への対応について

どのような社会的・公的制度が活用できるのか

3.消防の視点から 〈長嶌惣一郎 下枝昌司〉

転院搬送ガイドラインの作成に至った経緯

救急車以外の搬送手段

転院搬送ガイドライン運用後の効果

医療機関との連携

回転翼航空機を活用した転院搬送

国による検討

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書籍情報

  • ISBN:9784498166349
  • ページ数:254頁
  • 書籍発行日:2022年2月
  • 電子版発売日:2022年2月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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