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- 医学のあゆみ272巻8号 手術後の認知機能低下─そこに立ち向かう
商品情報
内容
企画:松本美志也(山口大学医学部麻酔・蘇生学)
・高齢者の手術の際には,術前から自覚症状のない何らかの病態が進行することで認知機能の予備力が低下し,そこに入院による環境の変化,麻酔,手術侵襲が加わることで術後の認知機能が低下すると考えられる.
・術後の認知機能の低下は患者のQOLを低下させるだけではなく,合併症の増加や予後に影響を与える可能性があるため,それを防ぐ取り組みが重要となる.
・本特集では,現状をよく理解してどのような方策を立てるべきかを執筆いただく.いたずらに術後認知機能低下を恐れることなく,高齢者自身と医療従事者とが力を合わせて認知機能低下に立ち向かえる一助としたい.
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序文
はじめに
日本の人口の高齢化は着実に進行している.総務省の推計では,65歳以上の高齢者は2025年には日本の人口の30%を超え,2040年には35%を超えると予想されている.一方,認知症患者も着実に増加する.2025年には675万人,2040年には802万人になると推計されている.そのうち,認知症患者の大部分を占めるアルツハイマー病患者は,2025年には504万人,2040年には667万人になると推計されている.また,認知症の予備軍と考えられる軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)患者は認知症の患者数とほぼ同数いると推測されている.
高齢者の手術の際には手術後の認知機能低下が問題となる.若年者の手術後に日常生活に支障がでるほどの認知機能が低下することはまれであることを考えると,高齢者では術前から自覚症状のない何らかの病態が進行することで認知機能の予備力が低下した状態となり,そこに入院による環境の変化,麻酔,手術侵襲が加わることで術後に認知機能が低下するのではないかと考えられる.高齢者に潜んでいる病態として最も重要視すべき病態はMCIであろう.日常生活における認知機能の低下は緩徐であるため,その低下に本人が気づきにくく,現状では本人がMCIを自覚せずに手術を受けていることも多いのではないかと思われる.
術後の認知機能の低下は患者のQOL(quality of life)を低下させるだけではなく,合併症の増加や予後に影響を与える可能性があるため,それを防ぐ取り組みが重要となる.具体的には,MCIを含めた術後認知機能低下の可能性が高いハイリスク患者を術前に簡便に把握する方法の確立,ハイリスク患者に対して術後認知機能低下を予防するために術前に施行可能なことの模索,麻酔薬と麻酔管理の認知機能への影響の解明などが必要である.
本特集では,現状をよく理解してどのような方策を立てるべきか,6名の専門家に執筆をお願いした.いたずらに術後認知機能低下を恐れることなく,高齢者自身と医療従事者とが力を合わせて認知機能低下に立ち向かえる一助としたい.
松本美志也(山口大学医学部麻酔・蘇生学)
目次
特集:手術後の認知機能低下-そこに立ち向かう
手術後の認知機能低下――総論……石田和慶・松本美志也
アルツハイマー病の病態と周術期ストレス……岩坪威
術後認知機能障害とその予防戦略――臨床研究から学ぶ……前川謙悟
基礎研究から見る麻酔薬の認知機能への影響……祖父江和哉
麻酔と長期予後……木山秀哉
運動介入と認知機能……島田裕之
TOPICS
【腎臓内科学】
成人微小変化型ネフローゼ症候群に対する短期ステロイド治療の可能性……尾関貴哉・丸山彰一
【薬理学・毒性学】
多剤排出ポンプが薬を輸送するメカニズム……加藤博章
【遺伝・ゲノム学】
ノックアウトマウス作製のためのCRISPR/Cas9デザインを全自動化するWebツール“KOnezumi”の開発……久野朗広
連載
【診療ガイドラインの作成方法と活用方法】
13.スコープ作成……清原康介・吉田雅博
【老化研究の進歩】
2.酸化ストレス研究の現状と展望……石井恭正・安田佳代
フォーラム
【医療社会学の冒険】
22.ソーマ(身体)はセーマ(墓)である……美馬達哉
【対話―ダイアローグのはじめかた】
6.対話とマインドフルネス……孫大輔
雑誌特集
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書籍情報
- ISBN:9784006027208
- ページ数:70頁
- 書籍発行日:2020年2月
- 電子版発売日:2022年2月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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