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- 最新主要文献とガイドラインでみる 脳神経内科学レビュー2022-’23
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序文
序文
最近の脳神経内科領域の基礎および臨床研究には注目すべき進歩が数限りなくあり，それに伴う臨床における診断と治療の進展も日進月歩である．このような状況において，脳神経内科臨床に従事している専門医にとってとりわけ広大な守備範囲を有する脳神経内科の各領域の進歩と変化を時々刻々捉え，実臨床に生かしていくことは至難の業である．このような状況にある脳神経内科医にとって，喉から手の出そうな各領域の最新の情報を容易にしかも一度に手に入れることを可能にする目的で企画されたのが，「最新主要文献でみる 脳神経内科学レビュー2022-'23」である．
本書では，脳神経内科の広範な領域を，「脳血管障害」「認知症」「運動系の障害」「運動神経疾患類縁」「脱髄疾患」「自己免疫性脳炎・硬膜炎」「末梢神経疾患」「筋疾患」「神経系感染症」「代謝性疾患」「頭痛」「てんかん」の12の領域に分類した．さらに領域を超えて「神経（脳神経内科）系疾患における新たな治療・新薬の動向」，および「新たな診断技術・臨床検査の動向」の2章を加え，計14の章からなる一大スペクタクルの書とした．
本書は，原則として2019年9月～ 2021年8月までの2年間に国内外で発表された主要論文を各領域の第一人者に解説を仰ぐ，という編集方針で作成された．読者の対象はすでに臨床の場で活躍されている脳神経内科専門医としたが，これから専門医を目指す専修医，研修医をも念頭において編集されている．文章の体裁は通常の総説や解説とは異なり，文中に現れた参考文献は章末ではなく同ページの右直近に配置することにより読者の便宜を計った．
脳神経内科医は，広い疾患範囲をすべて最新の知識を持って患者の治療に当たらなければならないが，経験を積むにしたがって，個々の専門医に得意領域ともいうべき専門領域ができ上がりがちである．このような状況は，それぞれの領域ごとに専門の学会が設立されていることからも容易に理解されよう．そうなると自身の専門とする領域に関しては，知識は年々ブラッシュアップされていくものの，専門外の領域についてはついつい最新の知識の獲得に疎くなる傾向は避けられない．年1度の日本神経学会年次学術大会で，すべての領域の進歩を聴講することは可能であるが，内容をまとめて理解・記銘することは極めて困難である．本書はこのような専門医にとっても，よき助けとなり，またよき道標になるものと思われる．ぜひ，ご活用願いたい．
最後に，各項目について最新の文献を網羅的に検索しご執筆いただいた著者の先生方に心から感謝したい．本書が，わが国の脳神経内科診療に少しでもお役に立てば幸いである．
2022年3月
鈴木 則宏
永田栄一郎
伊藤 義彰
目次
Ⅰ章 脳血管障害 章編集：伊藤義彰
1．脳梗塞，TIA，内頚動脈狭窄症/安部貴人
2．超急性期機械的血栓回収療法/笠倉至言， 山上 宏
3．高血圧性脳内出血/大槻俊輔
4．くも膜下出血，脳動脈瘤，慢性硬膜下血腫/堀口 崇
5．もやもや病/大木宏一
6．脳動脈解離/一ノ瀬 努
7．脳静脈・静脈洞血栓症/出口一郎
8．脳アミロイドアンギオパチー/新堂晃大
9．高血圧性脳症/伊澤良兼
10．遺伝性脳血管疾患/金澤雅人
Ⅱ章 認知症 章編集：伊藤義彰
11．アルツハイマー病，軽度認知機能障害/伊達悠岳
12．レビー小体型認知症（DLB）/吉崎崇仁
13．前頭側頭型認知症（FTD）/辻 浩史
14．大脳皮質基底核変性症（CBD）/関 守信
15．原発性進行性失語症/武田景敏
16．血管性認知症/藥師寺祐介
17．特発性正常圧水頭症（iNPH）/髙橋愼一
18．遺伝性白質脳症/ 認知症/初田裕幸
Ⅲ章 運動系の障害 章編集：永田栄一郎
19．パーキンソン病/水間敦士
20．進行性核上性麻痺/松瀬 大
21．本態性振戦/山脇健盛
22．ハンチントン病/松島理明
23．脊髄小脳変性症/高橋祐二
24．痙性対麻痺/髙 紀信
25． 物質の脳沈着による神経変性（鉄，ヘモジデリン，カルシウム）/濵野忠則
Ⅳ章 運動神経疾患類縁 章編集：伊藤義彰
26．脊髄性筋萎縮症（SMA），球脊髄性筋萎縮症（SBMA）/岸田日帯
27．筋萎縮性側索硬化症/漆谷 真
28．若年性一側上肢筋萎縮症（平山病）/安藤哲朗
Ⅴ章 脱髄疾患 章編集：永田栄一郎
29．多発性硬化症（MS）/越智博文
30．視神経脊髄炎スペクトラム/久冨木原健二
31．MOG 抗体関連疾患（MOGAD）/中島一郎
32．中枢末梢連合脱髄症（CCPD）/中山 平
Ⅵ章 自己免疫性脳炎・硬膜炎 章編集：永田栄一郎
33．自己免疫性脳炎およびその類縁疾患/飯塚高浩
34．肥厚性硬膜炎，サルコイドーシス/小堺有史
Ⅶ章 末梢神経疾患 章編集：永田栄一郎
35．Guillain-Barré 症候群，Fisher 症候群/宮本勝一
36．CIDP とその類縁疾患（MMN with conduction block）/青墳佑弥， 三澤園子
37．免疫性ニューロパチー（POEMS 症候群，MGUS ニューロパチー，自己免疫性自律神経節障害）/中根俊成
38．その他のニューロパチー（糖尿病性，傍腫瘍性，薬剤性ニューロパチー）/小池春樹
39．血管炎性ニューロパチー（EGPA も含む）/古賀道明
40．圧迫性ニューロパチー（手根管症候群，肘管症候群）/亀山 隆
41．家族性アミロイドポリニューロパチー/植田光晴
42．遺伝性ニューロパチー（CMT, HSAN）/飯島正博
43．重症疾患多発ニューロパチー（CIP）/畑中裕己
Ⅷ章 筋疾患 章編集：伊藤義彰
44．重症筋無力症/今井富裕
45．Lambert-Eaton 筋無力症候群/長岡篤志， 吉村俊祐
46．炎症性筋疾患/鈴木重明
47．筋強直性ジストロフィー/木村 卓
48．筋ジストロフィー/松村 剛
49．遺伝性周期性四肢麻痺，非ジストロフィー性ミオトニー症候群/国分則人
50．先天性ミオパチー/杉江和馬
Ⅸ章 神経系感染症 章編集：鈴木則宏
51．脳 炎/亀井 聡
52．髄膜炎の診断と治療/中嶋秀人
53．ヒトT リンパ球向性ウイルス脊髄症（HAM）/郡山達男
54．プリオン病/山田正仁
55．進行性多巣性白質脳症（PML）/雪竹基弘
56．COVID-19 神経感染症/下畑享良
Ⅹ章 代謝性疾患 章編集：鈴木則宏
57．ファブリー病/坪井一哉
58．ミトコンドリア病/井川正道
59．Wilson 病/宮嶋裕明
Ⅺ章 頭 痛 章編集：永田栄一郎
60．片頭痛/辰元宗人
61．緊張型頭痛/柴田 護
62．群発頭痛と三叉神経・自律神経性頭痛/今井 昇
63．低髄液圧症候群（脳脊髄液減少症，脳脊髄液漏出症）/團野大介
64．三叉神経痛/古和久典
65．可逆性後頭葉白質脳症（PRES），可逆性脳血管攣縮症候群（RCVS）/松森保彦
Ⅻ章 てんかん 章編集：伊藤義彰
66．てんかん/宇田武弘
ⅩⅢ章 神経（脳神経内科）系疾患における新たな治療・新薬の動向 章編集：鈴木則宏
67．神経（脳神経内科）系疾患における新たな治療・新薬の動向/滝沢 翼
ⅩⅣ章 神経（脳神経内科）系疾患における新たな診断技術・臨床検査の動向 章編集：鈴木則宏
68．神経（脳神経内科）系疾患における新たな診断技術・臨床検査の動向/手塚俊樹
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書籍情報
- ISBN：9784883784646
- ページ数：456頁
- 書籍発行日：2022年3月
- 電子版発売日：2022年3月11日
- 判：AB判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：2
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