ICUとCCU 2022年1月号(Vol.46 No.1)【特集】日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2020)と国際版敗血症診療ガイドライン(SSCG2021)の対比

  • ページ数 : 68頁
  • 書籍発行日 : 2022年1月
  • 電子版発売日 : 2022年5月27日
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商品情報

内容

特集 日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2020)と国際版敗血症診療ガイドライン(SSCG2021)の対比
全体を俯瞰して/感染症の診断,抗菌薬治療,感染源コントロール/初期蘇生と循環管理 ほか

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序文

特集にあたって


集中治療領域において,「敗血症」は「学問」「診療」の双方において,非常に大きな分野である。単なる感染症に留まらず,複雑な宿主の生体反応による負の連鎖により臓器障害が進行していく病態であり,重篤化すると多臓器不全を呈し死に至る。あらゆる年齢層が罹患し,世界では数秒に1人が命を落としている。質の高い診療ガイドラインを作成することの社会的意義は非常に高い。国際的な敗血症診療ガイドラインとしてSSCG(Surviving Sepsis Campaign Guidelines)が作成・改訂を続け,世界中で最も信頼され多用されるガイドラインの1つとなっている。一方で,わが国独自のガイドラインは日本集中治療医学会によって2012年に初版が発表された。2016年の改訂版(J-SSCG2016)では,日本救急医学会と合同の特別委員会が組織され,SSCGに見劣りのしない非常に質の高いガイドラインが完成し,EBM普及推進事業(Minds)からも高い評価を受け,日本では広く普及した。この作成過程において,多くの人材が育ち,学会・施設の垣根を越えてアカデミックなネットワークが形成された。このことは,委員長を仰せつかった私としては非常に喜ばしい限りであり,独自のガイドラインをスクラッチから作成するもう1つの目的でもあった。この人材が大きな力となり,J-SSCG2020の完成度をさらに押し上げる原動力となっている。J-SSCG2020は2020年9月に発表され,約1年遅れて国際ガイドラインであるSSCG2021が発表された。本特集では,J-SSCG2020ガイドライン作成にかかわったコアメンバーに両ガイドラインをさまざまな角度から対比して頂いた。両ガイドラインの背景と作成手法の相違などが浮かび上がってくるとともに,ガイドラインの在り方・本質・将来の展望など,さまざまなことを考えさせられる。J-SSCGは,文字通り日本のガイドラインであり基本的に日本で用いることを念頭に作られている。一方,SSCGは,発展途上国の医療事情をも考慮した上で作成されていることがよくわかる。世界中に作成者が散らばっていることもあり,作成手法や組織もおのずと異なる。そもそも取り上げられているClinical Question(CQ)自体の相違を見るだけで,文化の違いを感じることができる。また,似たようなCQを取り上げ,かつ用いているエビデンスにも大差が無いにもかかわらず,推奨が異なっているものもある。これは,まさしく診療ガイドライン作成の本質を物語るものである。推奨はエビデンスのみで決まるのではなく,さまざまな要因を考慮して委員会で議論されながら決定されていく。両ガイドラインを対比することで,敗血症診療の在り方がより立体的に見えてくるであろう。今回のSSCGは,学ぶべきところも多いが,世界標準を意識するあまりに,密度の高い高度な診療を回避している感も否めない。医療レベル,文化,貧富の差,国土の広さなど,あまりに幅のある地球上の国々にあまねく通用する診療ガイドラインは果たして作成可能なのであろうか?これは,Precision Medicineとは異なる方向性でもある。日本で敗血症診療を行うなら,SSCGを参考にしながらもJ-SSCG2020を用いることを強く勧めるとともに,名実ともに本邦を代表する質の高いガイドラインとなったことを,前委員長として非常に誇らしく思う。そして,近い将来,一人一人の患者にあった治療法を提示し,患者・家族と医療者の意思決定を支援するガイドラインの作成手法が完成されることを期待する。


西田 修
藤田医科大学医学部麻酔・侵襲制御医学講座

目次

【特集】[日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2020)と国際版敗血症診療ガイドライン(SSCG2021)の対比]

特集にあたって  西田 修

全体を俯瞰して  矢田部智昭・江木 盛時

感染症の診断,抗菌薬治療,感染源コントロール  志馬 伸朗

初期蘇生と循環管理  垣花 泰之

J-SSCG 2020とSSCG 2021における呼吸管理の推奨の比較  中根 正樹

Additional Therapies  矢田部智昭

敗血症の診断と早期治療,医療体制  赤塚 正幸・升田 好樹

長期予後・患者家族・緩和医療  河合 佑亮・西田 修

日本版と国際版の2つの敗血症診療ガイドライン作成に参加して  土井 研人

【症例】

内視鏡下胆管ステント交換のたびに心肺停止を来したアルコール依存症の1症例

太田 一志・関谷 憲晃・稲垣 麻優・衣笠 梨絵

大矢 真・竹内 直子・有馬 一

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書籍情報

  • ISBN:9784865174618
  • ページ数:68頁
  • 書籍発行日:2022年1月
  • 電子版発売日:2022年5月27日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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