肝臓クリニカルアップデート 2020年10月号(Vol.6 No.2)【特集】肝硬変のトータルマネジメント

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2020年10月
  • 電子版発売日 : 2022年6月15日
¥3,850(税込)
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商品情報

内容

特集 肝硬変のトータルマネジメント
1)腹水に対する薬物治療の基本/2)難治性腹水の治療 : 全量ドレナージとKM-CART による積極的アプローチ/3)肝性脳症の診断と薬物治療 ほか

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序文

序文
生命予後とQOLのさらなる改善をめざして


わが国の慢性肝疾患の大きな原因を占めていたウイルス性肝炎に対しては,画期的新薬の登場により,ほぼすべての症例においてウイルス排除またはウイルス制御が可能となった。さらに最近では,これまで適用のなかったC型非代償性肝硬変に対しても抗ウイルス療法が可能となり,多くの症例でウイルス排除が達成できるようになった。しかし,すでに進行した肝硬変により合併症に苦しんでいる症例は多く,不可逆的な病態形成の治療の一部である抗ウイルス療法が,生命予後やQOLの改善に与える効果は限定的である可能性がある。また近年,生活習慣病に起因する脂肪肝炎をはじめとした非ウイルス性の慢性肝疾患が急増しており,これらに対してはいまだ原因を排除する根本的な治療法は存在しない。したがって,肝硬変,とくに非代償期の肝硬変においては,あらゆる治療法を駆使した包括的な治療,すなわちトータルマネジメントが極めて重要となる。

そこで,本号の特集では「肝硬変のトータルマネジメント」をテーマとして,日頃から診療に難渋することが多い肝硬変にかかわるさまざまな課題を網羅的に取り上げた。近年,肝硬変に対する診断・治療は目覚ましく進歩しており,HCV持続感染をはじめ,腹水,肝性脳症,門脈血栓症,血小板減少症,かゆみ,そして最近注目されている門脈肺高血圧症などに対して新薬の開発が著しい。また,難治性の腹水や門脈圧亢進症に対するinterventionや肝切除時の術前評価法も進歩している。そして,しばしば致死的となる特発性細菌性腹膜炎や肝腎症候群の治療はとくに重要であり,海外での動向も注目される。また,すべての肝硬変診療において栄養療法は基本である。したがって,肝硬変診療においては,生命予後とQOLのさらなる改善をめざして,これらの治療を包括的に理解し実際の診療に役立てて行くことが肝要である。一方,より根本的治療である抗線維化治療の開発も近年活発に進んできており,その動向についても注視する必要もある。

本特集では,これらさまざまな課題やトピックスについて,内科,外科双方のエキスパートの先生方に詳しくかつ分かりやすくご解説いただいた。それぞれご執筆いただいた先生方のご尽力により,本誌の発刊以来の基本コンセプトである「最新のテーマを広く・深く・解り易く」を本特集でも踏襲することができ,とても贅沢な内容となった。ご執筆いただいた先生方には,この場をお借りして深く御礼を申し上げる次第である。本特集をお読みいただくだけで,肝硬変にかかわるほぼすべての病態に対するマネジメントについての理解が深まる内容となっており,本特集が読者の皆さまの診療の一助になり,肝硬変に苦しむ患者の皆さまの生命予後とQOLのさらなる改善に繋がれば,このうえない喜びである。


朝比奈靖浩
東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講座

目次

特集 肝硬変のトータルマネジメント

序文 生命予後とQOL のさらなる改善をめざして

東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講座 朝比奈靖浩

1)腹水に対する薬物治療の基本

奈良県立医科大学消化器内科 西村 典久,他

2)難治性腹水の治療 : 全量ドレナージとKM-CART による積極的アプローチ

要町病院腹水治療センター 松﨑 圭祐

3)肝性脳症の診断と薬物治療

岩手医科大学消化器内科肝臓分野 遠藤 啓,他

4)肝性脳症に対する亜鉛・カルニチンの有用性

市立貝塚病院 片山 和宏

5)門脈圧亢進症の薬物治療をどう理解するか

三宿病院消化器科 村島 直哉

6)食道胃静脈瘤に対する治療

日本医科大学消化器外科 吉田 寛,他

7)栄養療法

三重大学消化器内科学 岩佐 元雄

8)門脈血栓症に対する診断と治療

北里大学医学部消化器内科学 日高 央,他

9)C 型非代償性肝硬変に対する抗ウイルス療法∼肝硬変合併症を減らせるか?∼

大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学 疋田 隼人

10)特発性細菌性腹膜炎の診断と治療

岐阜大学大学院医学系研究科消化器病態学 白木 亮

11)抗線維化治療の展望

大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学 元山 宏行,他

12)肝腎症候群に対する治療∼海外での動向∼

新潟大学医歯学総合研究科消化器内科学分野 坂牧 僚,他

13)慢性肝疾患における血小板減少症の機序と対策

東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野 竹内 啓人,他

14)かゆみの機序と対策

武蔵野赤十字病院消化器科 板倉 潤

15)Magnetic Resonance Elastography による肝切除時の術前評価

日本大学医学部消化器外科 阿部 勇人,他

座談会

予後延長を目指した肝細胞癌全身薬物治療の展望

司会:工藤 正俊

討論者:黒崎 雅之,森口 理久,小笠原定久,寺島 健志

連載

◇若手に役立つ議論・オピニオンリーダーからのメッセージ

・肝硬変に伴う肺動脈圧亢進のスクリーニングと鑑別診断─循環器内科へのコンサルテーションの必要性を判定するための心電図と心エコーの見方─

国際医療福祉大学医学部循環器内科 田村 雄一,他

・肝硬変患者における門脈亢進症に伴う肺動脈圧高血圧症のスクリーニングの重要性

日本医科大学附属病院消化器・肝臓内科 厚川 正則

◇画像診断と病理

・レンバチニブの効果判定─造影CT による評価の留意点

福井県済生会病院放射線科 宮山 士朗

・レンバチニブ投与後の切除病理所見

虎の門病院消化器外科 進藤 潤一,他

◇新しい診断・薬の情報

・アテゾリズマブ(テセントリク ®)+ベバシズマブ(アバスチン ®)の併用療法─ 一次治療としてソラフェニブに優越性を示したはじめての薬物療法 ─

藤田医科大学消化器内科Ⅱ 葛谷 貞二,他

・門脈肺高血圧症に対する薬物療法Up-To-Date~マシテンタン(オプスミット ®)の有効性と安全性を中心に~

山口大学大学院医学系研究科消化器内科学 石川 剛,他

◇各都道府県における肝疾患対策取り組みの現状

・山口県における肝炎対策の現状

山口大学医学部附属病院肝疾患センター 日髙 勲,他

◇エキスパート外科医に聞いてみよう

・進行肝細胞癌に対するConversion Surgery

東京医科歯科大学医学部肝胆膵外科学分野 赤星 径一,他

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書籍情報

  • ISBN:9784865173963
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2020年10月
  • 電子版発売日:2022年6月15日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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