泌尿器外科 2022年3月号(Vol.35 No.3)【特集】詳説,腎盂尿管移行部通過障害─ロボット支援手術時代における小児から成人までの診療ストラテジー─

  • ページ数 : 88頁
  • 書籍発行日 : 2022年3月
  • 電子版発売日 : 2022年6月15日
¥3,300(税込)
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内容

特集 詳説,腎盂尿管移行部通過障害─ロボット支援手術時代における小児から成人までの診療ストラテジー─
先天性水腎症における腎盂尿管移行部通過障害の位置づけと診療指針/腎盂尿管移行部通過障害の診療方針のポイント/腎盂尿管移行部通過障害の診断方法 ほか

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序文

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本特集では,「詳説,腎盂尿管移行部通過障害─ロボット支援手術時代における小児から成人までの診療ストラテジー─」として,この分野のエキスパートである8人の先生方に原稿を執筆していただきました。

2020年4月からロボット支援手術が腎盂形成術にも保険適用となり,ロボット支援機器を有する施設では腎盂尿管移行部通過障害に対してロボット支援腎盂形成術が積極的に行われるようになってきていると思います。このような状況だからこそ,改めて腎盂尿管移行部通過障害の診療ストラテジーを再考したいと考え,この特集を組みました。

腎盂尿管移行部通過障害は,先天性水腎症の中で最も頻度の高い疾患の1つです。小児における腎盂尿管移行部通過障害は,高度な水腎症であっても自然軽快が観察されることから,水腎症の程度や分腎機能を評価したしたうえで,症候性でなければ経過観察を行うことができる症例が少なくありません。そのため,日本小児泌尿器科学会より発刊された「小児先天性水腎症(腎盂尿管移行部通過障害)診療手引き2016」の中で,水腎症の診療アルゴリズムが示されています。今回の特集の中にも示されていますが,超音波検査や利尿レノグラムを中心とした検査を用いて診断を進めていきます。無症候性の場合には,検査を複数回施行しながら経過観察を行っていきますが,その際には検査所見が変化することもあるため,症例によっては状況を的確に判断し治療方針を決めることが必要です。

外科治療が必要と考えられる腎盂尿管移行部通過障害に対しては腎盂形成術を行いますが,現在では開放手術に加えて,低侵襲手術である腹腔鏡手術,ロボット支援手術と術式の選択肢が広がりました。従来から行われてきた開放手術は,腹腔鏡手術やロボット支援手術の施行が困難な小児症例が適応となるため,より繊細な手術手技の習得が必須です。一方,ロボット支援腎盂形成術が保険収載された現在では,特に成人においてロボット支援腎盂形成術が外科手術の中心を担うようになると想像されます。しかし,ロボット支援機器の備わっていない施設では,腹腔鏡手術が低侵襲手術として重要な位置を占めることになりますので,縫合を必要とする腎盂形成術では腹腔鏡手術の十分なトレーニングも必要とされます。このように各術式に合わせた技術の習得が求められます。

腎盂形成術の手術成績は良好なことが多いですが,稀に再手術を要することもあり,術後の症状,患側腎の水腎症や腎機能の評価について,長期間の経過観察が必要となります。ロボット支援腎盂形成術の導入により,多くの施設で腎盂形成術を行う機会が増えてくることが予想されますが,術後の経過観察の重要性も認識していただきたいです。山梨大学でもロボット支援腎盂形成術を施行していますが,腹腔鏡手術と比べて術者のストレスは明らかに減りました。しかし,高い成功率が求められる高難度な手術であることに変わりはありませんので,確立されたストラテジーのもとに診療にあたる必要があります。本特集をもとに,ロボット支援手術時代を迎えた腎盂尿管移行部通過障害について再認識していただき,診療にあたっていただけましたら幸いです。


山梨大学大学院総合研究部 泌尿器科学
三井 貴彦

目次

【特集】詳説,腎盂尿管移行部通過障害─ロボット支援手術時代における小児から成人までの診療ストラテジー─

序文

山梨大学大学院総合研究部 泌尿器科学 三井 貴彦

先天性水腎症における腎盂尿管移行部通過障害の位置づけと診療指針

都立小児総合医療センター泌尿器科・臓器移植科 佐藤 裕之

腎盂尿管移行部通過障害の診療方針のポイント

佐賀大学医学部泌尿器科学講座 野口  満,他

腎盂尿管移行部通過障害の診断方法

蒲郡市民病院泌尿器科 中根 明宏,他

腎盂尿管移行部通過障害の自然経過と内科・保存的治療

国家公務員共済組合連合会虎の門病院小児科 小川 哲史

改めて考える腹腔鏡下腎盂形成術のテクニック

福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座 佐藤 雄一,他

ロボット支援腎盂形成術:これから始める際のポイント

名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野 水野健太郎,他

ロボット支援手術時代における開放手術の意義

兵庫県立こども病院泌尿器科 杉多 良文,他

腎盂形成術の長期成績とフォローアップ

市立札幌病院泌尿器科 守屋 仁彦

【連載】

第134回 泌尿器科領域におけるトラブルシューティング

進行性精巣腫瘍後腹膜リンパ節郭清術後に発症した仮性動脈瘤に対するトラブルシューティング

京都府立医科大学泌尿器科学教室 清水 輝記,他

【臨床研究】

当院での去勢抵抗性前立腺癌に対するカバジタキセルの治療経験

独立行政法人労働者健康安全機構大阪労災病院泌尿器科 堀部 祐輝,他

【症例報告】

膀胱癌Plasmacytoid variant の2例

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院泌尿器科 湊 のり子,他

5-アミノレブリン酸塩酸塩の投与後にSpO2低下を認めた1例

東京臨海病院泌尿器科 家田 健史,他

右低形成腎に膀胱内尿管瘤を合併した成人男性の1例

国際親善総合病院泌尿器科 山下 大輔,他

膀胱癌に対するBCG 膀胱内注入療法後に生じた精囊,精管における結核性膿瘍の1例

藤沢湘南台病院泌尿器科 仁禮 卓磨,他

経尿道的切除後に再発した膀胱平滑筋腫の1例

昭和大学藤が丘病院泌尿器科 山岸 元基,他

画像的に褐色細胞腫が疑われた海綿状血管腫の1例

市立島田市民病院泌尿器科 清塚憲太郎,他

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書籍情報

  • ISBN:9784865174649
  • ページ数:88頁
  • 書籍発行日:2022年3月
  • 電子版発売日:2022年6月15日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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