ICUとCCU 2021年4月号(Vol.45 No.4)【特集】集中治療における臓器連関

  • ページ数 : 56頁
  • 書籍発行日 : 2021年4月
  • 電子版発売日 : 2022年6月17日
¥3,410(税込)
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内容

特集 集中治療における臓器連関
ネットワーク解析を用いた臓器連関/急性呼吸不全に合併する右心不全へのアプローチ/心腎症候群へのアプローチ ほか

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序文

特集にあたって

土井 研人


多臓器不全はICUにおいて生じることが多く,高い死亡率を呈する重篤な病態である。障害された臓器数の増加に伴い死亡率は上昇し,SOFAスコアに代表される臓器不全スコアでは,各臓器障害を点数化してその合計で重症度を評価している。一方,生体恒常性の維持という生命体の究極の目標においては,各臓器システムが互いにフィードバックシステムを構築しており,健常状態では臓器連関が堅牢に作用しているが,生命の危機である多臓器不全においては,臓器連関の破綻が懸念される。

基礎研究の分野では1つの臓器障害が他の臓器障害を惹起・増幅するメカニズムが解明されつつあり,例えば急性腎障害動物モデルの心筋には著しいミトコンドリア断片化が生じ,肺組織には好中球が浸潤してNeutrophil extracellular traps(NETs)が形成されることが明らかとなった。迷走神経刺激は脾臓におけるα7アセチルコリン受容体を介して腎保護作用を発揮することも報告されている。今後はさらなる知見の集積により,臓器連関に関与する経路が同定され,新たな治療標的となることが期待される。臨床的にICUにて治療される重症症例は単一臓器障害を呈していることはまれであり,呼吸と循環のみならず,心腎症候群や肝腎症候群といった呼称のもと,複数臓器における機能不全の管理がICUにて日々展開されている。1つの臓器保護を目指した管理が別の臓器障害を悪化させるというジレンマに陥ることも多く,例えば心不全と腎不全が併存している症例においては,溢水・うっ血を避けるべくドライな体液管理を行うべきか否かについては長らく論争が続いていた。集中治療医には,複数の臓器システム不全に対する治療戦略に長けていることが求められ,臓器連関についての病態も理解する必要がある。また,集中治療においては人工呼吸器,人工透析,ECMOなどの人工臓器を用いた臓器サポートが主たる治療法の1つである。人工臓器においても,複数が用いられた場合には,人工臓器同士の相互作用を念頭に置いた管理が必要であり,広義の臓器連関としてとらえることができよう。

本特集では,臨床における複数臓器不全の管理と,臓器連関における新たな基礎研究の知見について,各領域の専門家の方々に解説いただいた。本特集により,集中治療における臓器連関についての理解をさらに深めることができると考えている。



東京大学大学院医学系研究科救急科学(〒113-8655 文京区本郷7-3-1)
ICUとCCU 45(4):209,2021

目次

特集 集中治療における臓器連関

特集にあたって 土井 研人

ネットワーク解析を用いた臓器連関 浅田 敏文

急性呼吸不全に合併する右心不全へのアプローチ 山本  剛

心腎症候群へのアプローチ 佐藤 直樹

急性肝不全と肝腎症候群へのアプローチ 岩瀨 信哉・服部 憲幸・安部 隆三・中田 孝明

交感神経系と免疫系のクロストーク─交感神経によるリンパ球動態の制御─ 鈴木 一博

Microvesiclesによる臓器間クロストーク 阿部 迪子・若林 健二

人工臓器間クロストーク─ICUにおける人工臓器の効果と管理─ 三木 隆弘

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書籍情報

  • ISBN:9784865174168
  • ページ数:56頁
  • 書籍発行日:2021年4月
  • 電子版発売日:2022年6月17日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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