Prostate Journal 2021年4月号(Vol.8 No.1)【特集】前立腺癌の外科治療

  • ページ数 : 112頁
  • 書籍発行日 : 2021年4月
  • 電子版発売日 : 2022年7月29日
¥3,850(税込)
ポイント : 70 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

特集 前立腺癌の外科治療
1.RARP ─非神経温存の手技─/2.RARP ─神経温存の適応と手技─/3.Retzius 腔温存ロボット支援前立腺全摘除術の適応,手技,成績 ほか

≫ 「Prostate Journal」最新号・バックナンバーはこちら

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

今回の特集は「前立腺癌の外科治療」です。2014 年創刊のProstate Journal 第1 巻,第1 号の特集が本雑誌編集委員長である鈴木和浩先生ご担当の「前立腺がんの手術」でしたので,それ以来の手術をテーマとした特集となります。

創刊号では,2012 年に本邦において保険適用となったロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術(RARP)の導入施設の増加とも共鳴して,RARP の導入体制,標準手技,合併症や治療成績など,原発巣に対する手術が特集内容の中心でした。一方今回は,原発巣に対する手術のみならず,転移巣に対する手術や緩和的外科治療など,前立腺癌に関するすべての外科的介入に関する情報を網羅的に取り上げさせていただきました。現在,原発巣に対する根治手術は,da Vinci surgical system を使用したRARP が中心となっています。自治医科大学の藤村哲也先生にはRARP の教育方法をお示しいただきました。また,神経非温存と神経温存の標準的な手技を,それぞれ,鳥取大学の引田先生と東北医科薬科大学の海法先生にご解説いただきました。RARP における3D拡大視野と精緻なinstrument の動きをもってしても術後の尿失禁は完全には防ぎえません。北海道がんセンターの原林先生からは尿禁制に重要な前立腺前方構造を温存するRetzius 温存手技について,福島県立医科大学の秦先生からは,尿禁制を最大にするための再建方法についてご解説いただきました。脳圧や眼圧の上昇を回避したい症例や腹腔内の高度な癒着が予測される症例では頭低位で行う経腹的RARP の適応が困難です。天理よろづ相談所病院の奥村先生からは,仰臥位で行う後腹膜RARP の手技についてご解説いただきました。頭低位・経腹的RARPと仰臥位・後腹膜RARP の両方の手技に習熟することによりRARP の適応症例はさらに拡大すると思います。最近では,RARP の適応は,T3 などのハイリスク症例,TURP などの既往のある症例,根治的放射線照射後の再発症例など,従来の方法では有効性と安全性の担保が困難であった症例にも拡大しています。それぞれ,恵佑会札幌病院の平川先生,札幌医科大学の橋本先生,藤田医科大学の白木先生にご解説いただきました。また,富山大学の北村先生にはロボット支援下の骨盤リンパ節郭清の手技についてお示しいただきました。

RARP 術中の他臓器損傷は稀な合併症であるものの,発生時には適切な対処が求められます。弘前大学の米山先生からは,腸管損傷,直腸損傷,尿管損傷のトラブルシューティングにつきお示しいただきました。また,前立腺全摘術後の術後合併症の1 つとして鼠径ヘルニアがあげられます。東京医科歯科大学の福田先生には,鼠径ヘルニアの発症機序とその予防法につきご解説いただきました。

前立腺全摘除術は,歴史的に開腹手術,腹腔鏡手術を経てRARP に移行しましたが,開腹手術や腹腔鏡手術で得られた解剖学的知識や手術手技がRARP にも引継がれたことは異論のないところです。日赤長崎原爆病院の鶴﨑先生からは開腹手術,呉医療センターの繁田先生からは腹腔鏡下前立腺全摘除術の手技につきお示しいただきました。最近では,低腫瘍量の転移性前立腺癌に対しては前立腺局所への放射線照射が予後改善に寄与するとして各種ガイドラインでも推奨されています。腫瘍減量前立腺全摘除術でも同様な効果が期待できそうですが,いまだに確固たるエビデンスはありません。この点を北里大学の田畑先生にご解説いただきました。骨転移は転移性前立腺癌患者のQOL を障害する最大の要因ですが,順天堂大学の髙木先生からは,整形外科医の立場から前立腺癌骨転移の外科治療につきご解説いただきました。また,前立腺に対する根治治療の既往のない症例の一部では去勢抵抗時に前立腺局所の腫瘍が増大することがあります。局所増大による尿路・糞路トラブルは,終末期のQOL の著しい低下につながります。群馬大学の宮澤先生からは,CRPC 末期症例の緩和的外科治療についてご解説いただきました。

国産の新規手術支援ロボットも取り上げておけば,もっとup-to-date な内容になったのではと後悔していますが,前立腺癌に関するすべての外科治療を網羅的に解説したものは本特集が初めてなのではないかと思います。本特集が読者の皆様の手引書としてお役に立つことを切に望んでおります。


舛森 直哉 札幌医科大学医学部泌尿器科学講座

目次

特集 前立腺癌の外科治療

序文

 札幌医科大学医学部泌尿器科学講座 舛森 直哉

1.RARP ─非神経温存の手技─

 鳥取大学医学部器官制御外科学講座腎泌尿器学分野 引田 克弥,他

2.RARP ─神経温存の適応と手技─

 東北医科薬科大学泌尿器科学講座 海法 康裕,他

3.Retzius 腔温存ロボット支援前立腺全摘除術の適応,手技,成績

 北海道がんセンター泌尿器科 原林  透,他

4.RARP ─尿禁制を最大にするための方策─

 福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座 秦  淳也,他

5.RARP ─後腹膜アプローチの適応と手技─

 天理よろづ相談所病院泌尿器科 奥村 和弘

6.RARP ─高(超高)リスク症例に対する術式の工夫─

 恵佑会札幌病院泌尿器科 平川 和志

7.前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニア予防法

 東京医科歯科大学大学院腎泌尿器外科学 福田 翔平,他

8.RARP ─困難症例への対応─

 札幌医科大学医学部泌尿器科学講座 橋本 浩平,他

9.RARP におけるリンパ節郭清の手技

 富山大学学術研究部医学系腎泌尿器科学 北村  寛

10.RARP のトラブルシューティング─腸管損傷,直腸損傷,尿管損傷への対処─

 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科科学講座 米山 高弘,他

11.RARP の教育方法

 自治医科大学腎泌尿器外科学講座 藤村 哲也

12.放射線療法後の救済RARP

 藤田医科大学医学部腎泌尿器外科学 白木 良一,他

13.開放恥骨後式根治的前立腺全摘除術の手技

 日本赤十字社長崎原爆病院泌尿器科 鶴﨑 俊文

14.腹腔鏡下前立腺全摘除術

 呉医療センター・中国がんセンター泌尿器科 繁田 正信

15.転移のある症例に対する前立腺全摘の意義

 北里大学医学部泌尿器科 田畑 健一

16.前立腺癌骨転移の外科的治療

 順天堂大学整形外科・リハビリテーション科・緩和ケアセンター 髙木 辰哉

17.CRPC 末期症例に対する緩和的外科治療 ─ Channeling TUR,膀胱瘻,腎瘻,人工肛門造設について─

 群馬大学医学部附属病院泌尿器科 宮澤 慶行,他

対談

前立腺癌のBone Health について

APCCC2019 におけるBone management を参考に

 参加者:鈴木 和浩,鈴木 啓悦

総説

前立腺における過酸化脂質の生成と防御機構

─過酸化脂質還元酵素glutathione-peroxidase(GPx1)の発現動態からのアプローチ─

 あすか製薬株式会社:村越 正典

原著

術前尿力学的排尿筋低活動におけるHoLEP 後の排尿状態の臨床的検討

 医療法人五星会菊名記念病院泌尿器科 大森  圭,他

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:246.8MB以上(インストール時:498.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:987.2MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:246.8MB以上(インストール時:498.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:987.2MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784865174144
  • ページ数:112頁
  • 書籍発行日:2021年4月
  • 電子版発売日:2022年7月29日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。