泌尿器外科 2023年9月号(Vol.36 No.9)【特集】泌尿器科領域における感染症 UP DATE

  • ページ数 : 96頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2023年10月6日
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内容

【特集】泌尿器科領域における感染症 UP DATE
梅毒の現状と展望/尿道炎診断の現状と展望─ Mycoplasma genitaliumを中心に─/周術期感染予防ガイドライン改訂のポイント ほか

序文

序文

泌尿器科医が泌尿器悪性腫瘍,尿路結石,過活動膀胱などの多くの患者を診療しているなかで,感染症の患者の割合は少ないかもしれない。しかし,われわれ,泌尿器科医が扱う感染症の分野は多岐に渡る。感染症の広い分野を,必ずしも感染症の専門家ではない泌尿器科医が,一般診療のなかで診断から治療まで完璧に対応するのは容易ではない。尿路・性器感染症の領域においても,泌尿器悪性腫瘍などと同様に,診断・治療の進歩は日進月歩である。抗菌薬投与における薬物治療においても,薬剤耐性菌(Antimicrobial resistance:AMR)の観点から,抗菌薬の使用方法には注意が必要である。そこで,今回の泌尿器外科の特集では,【泌尿器科領域における感染症UP DATE】として,6 名の先生方に執筆をお願いした。いずれの先生方もそれぞれの分野において,第一線で活躍されている著名な先生方である。テーマは重症尿路感染症(UTI),薬剤耐性菌,梅毒,周術期感染予防,男性尿道炎,SARS-CoV-2 とさまざまな分野を対象とした。重症尿路感染症は,尿路結石に伴う閉塞性腎盂腎炎や気腫性腎盂腎炎の診断および治療でかかわることも多い。薬剤耐性菌については,WHO でもキノロン耐性大腸菌や淋菌の薬剤耐性が提言されており,抗菌薬の選択はとても重要である。梅毒の患者数が増加していることは最近よく話題になる大事なテーマである。早期梅毒第1 期である硬性下疳は泌尿器科医も診療に当たる可能性は高い。周術期感染予防ガイドラインは,2015 年版から2023 年秋に改訂版が公開になる予定である。予防抗菌薬の種類・投与期間の一部変更がある。男性尿道炎の診療では,新しい診断薬コバスTV/MG アッセイが新規に使用できるようになった。2020 年から広まったSARS-CoV-2 感染は,われわれ泌尿器科医を含めた,医療者に多くの課題を残している。

本特集の最新の情報を提供することで,泌尿器科医の適切な診断および治療が行えるようになれば,幸いである。


国際医療福祉大学医学部腎泌尿器外科
宮﨑 淳

目次

特集 泌尿器科領域における感染症 UP DATE

序文

 国際医療福祉大学医学部腎泌尿器外科 宮﨑 淳

梅毒の現状と展望

 井口腎泌尿器科 亀有 荒川 創一,他

尿道炎診断の現状と展望─ Mycoplasma genitaliumを中心に─

 あいクリニック 伊藤 晋,他

周術期感染予防ガイドライン改訂のポイント

 東京大学医学系研究科泌尿器外科学講座 亀井 潤

UTIにおける薬剤耐性菌の現状と展望

 国家公務員共済組合連合会新小倉病院泌尿器科 濵砂 良一

重症UTIの現状と展望

 川西市立総合医療センター泌尿器科 東郷 容和

コロナ時代の泌尿器科診療の現状と展望

 札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座 髙橋 聡

連載

第150回 泌尿器科領域におけるトラブルシューティング

抗凝固療法施行中の高度肥満患者(BMI 58.8kg/m²)に対するロボット支援膀胱全摘除術

 福岡大学医学部腎泌尿器科外科学講座 羽賀 宣博,他

臨床研究

ロボット支援前立腺全摘除術の経験数による手術時間,周術期合併症の比較

 国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院泌尿器科 横川 秀平,他

難治性ハンナ型間質性膀胱炎に対するジメチルスルホキシド膀胱内注入療法の有効性と安全性に関する検討

 東京慈恵会医科大学泌尿器科 古田  昭,他

症例報告

経皮的針生検で診断し腹腔鏡手術で摘出した膀胱平滑筋腫の1例

 公立館林厚生病院泌尿器科 中澤 峻,他

f-TULで治療を行った尿管憩室内結石の1例

独立行政法人地域医療機能推進機構北海道病院泌尿器科 幸前 和,他

 

遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に対してOlaparibを投与し間質性肺炎を発症した1例

 水戸赤十字病院泌尿器科 橋本 紘典,他

精巣平滑筋肉腫の1例

 平塚共済病院泌尿器科 小林 良祐,他

精巣捻転症に合併した精巣垂捻転症の1例

 新久喜総合病院泌尿器科 今荘智恵子,他

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書籍情報

  • ISBN:9784019203609
  • ページ数:96頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2023年10月6日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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