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- 健康・医療・福祉のための睡眠検定ハンドブック up to date
商品情報
内容
「睡眠検定」受験に向けて学習しやすい構成です。
睡眠研究の進歩による最新の知見や専門家ならではのコラムも幅広く紹介!睡眠に関心をお持ちの方、睡眠健康指導士、健康・美容関連ビジネス、医療・福祉現場に携わっておられる方、睡眠を改善したい方、睡眠について知りたいすべての方々に、今こそご一読いただきたい必携の一冊です。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
序文
私たちの心身や健康を支え,脳を活性化させるもっとも重要なテーマは睡眠です.睡眠の質を高くすることができれば,病気になる危険性は大きく低減され,身体と脳の老化を着実に阻止できると考えられます.
半世紀前の1960 年には午後11 時には9 割の国民が就床し,平均睡眠時間は8 時間を超えていました.しかし,2020 年では午後11 時に半数の者が起きており,平均睡眠時間は7 時間12 分となり,2021 年のOECD 報告書では,我が国の睡眠時間は世界で最も短いと報告されています.こうした生活の夜型化ならびに睡眠時間短縮傾向は,大人だけでなく子どもにも波及しており,成長期の睡眠不足は国際的にも問題視されています.
昔から「寝る子は育つ」と言われるように,睡眠中に成長ホルモンが分泌され,子どもの筋肉や骨が成長し,成人でも組織の修復や疲労回復が行われます.また,睡眠は疲れた脳を休ませるだけでなく,記憶を整理し,固定・消去を行う機能があり,学習した後に十分な睡眠をとることが運動技能や語学の習得を促すことがわかっています.
このように大切な睡眠について研究し,正しい知識を伝えるために,2004 年に滋賀医科大学に我が国で初めての「睡眠学講座」が開設されました.2005 年には,経済産業省の支援のもとに,滋賀大学教育学部の佐藤尚武先生と共に,睡眠知識の普及を推進する「睡眠健康指導士」の育成コースと教材開発をスタートしました.2009 年に日本睡眠教育機構を設立し,睡眠健康指導士講座の運営主体としました.2022 年3 月現在で,3,700 名以上の睡眠健康指導士が全国で活躍されています.2013 年からは,放送大学で「睡眠と健康」講座を開設し,毎年5,000 名以上の方々が受講されておられます.2016 年からは,中部大学で今後大きな社会問題となる認知症を睡眠の観点から予防する「睡眠からアプローチする認知症予防プロジェクト」を始めています.
このような状況下で,インターネットを活用した睡眠検定を通じて,睡眠を多角的にとらえ,正確な睡眠知識を習得する目的で,2013 年に「睡眠検定ハンドブック」を出版しました.その後,睡眠研究の進歩により,新しい知見を含めて紹介するためにこの「睡眠検定ハンドブック up to date」を,広島大学の林 光緖先生,広島国際大学の田中秀樹先生と共に企画しました.睡眠に関心をお持ちの方,睡眠健康指導士,健康・美容関連ビジネス,医療・福祉現場の一線に携わっておられる方々の睡眠啓発活動に本書が寄与し,社会全体の健康増進につながりますと幸いです.
本書の作成に関わり,多大なご協力をいただいた西山彰子先生,全日本病院出版会の神林結衣氏,加藤百恵氏に心からお礼を申し上げます.
2022年4月
日本睡眠教育機構理事長
宮崎総一郎
目次
第1章 睡眠の科学的基礎
はじめに
1. 睡眠学とは 宮崎総一郎
2. 睡眠検定とは 宮崎総一郎
Ⅰ 総 論
1. 睡眠の役割と多様性 井上昌次郎 宮崎総一郎
2. 睡眠と文化,暮らし 堀 忠雄
3. 脳の理解 毛内 拡
4. 睡眠・覚醒の制御機構 櫻井 武
Ⅱ 睡眠の基礎知識
1. 睡眠構築 林 光緖
2. 睡眠とホルモン 駒田陽子
3. 睡眠時間 浅岡章一
4. 睡眠の個人差 福田一彦
5. 睡眠と光 樋口重和
6. 生体リズム 山仲勇二郎
7. 睡眠環境 松浦倫子
8. 睡眠と嗜好品 水野 康
9. 睡眠と運動 水野 康
10. 睡眠と記憶・学習 甲斐田幸佐
11. 仮眠の効用 林 光緖
12. 緊急時の仮眠のとり方 森国 功 宮崎総一郎
13. 睡眠と栄養―時間栄養学― 田原 優
第2章 睡眠知識の応用と指導
Ⅰ 睡眠知識の応用
1. 子どもの睡眠問題 駒田陽子
2. 女性の睡眠問題 駒田陽子
3. 高齢者の睡眠問題 田中秀樹 田村典久
4. 睡眠と社会,労働 高橋正也
5. 睡眠とリスクマネジメント 森国 功 宮崎総一郎
6. 社会的時差ボケ 駒田陽子
Ⅱ 睡眠相談・睡眠教育
1. 睡眠相談のための12の指針 宮崎総一郎
2. 睡眠相談技術 田中秀樹
3. 認知行動療法を活用した睡眠相談 岡島 義
4. 乳幼児の良好な睡眠習慣形成―新生児と母親の睡眠教育― 足達淑子
5. 子どもの睡眠教育 田中秀樹
6. 成人・高齢者の睡眠教育 田中秀樹
7. 睡眠講話のつくり方 藤原徳子
Ⅲ 地域・学校での睡眠マネジメント
1. 地域での睡眠マネジメント 田中秀樹
2. 学校での睡眠マネジメント 田村典久 田中秀樹
3. 上手な病院のかかり方 山田礼子 宮崎総一郎
第3章 睡眠障害とその予防
Ⅰ 睡眠障害とその治療
1. 自覚的な睡眠評価 岡島 義
2. 睡眠の客観的評価 野田明子
3. 不眠症 原田大輔 伊藤 洋
4. 過眠症 原田大輔 伊藤 洋
5. 睡眠不足症候群 宮崎総一郎
6. 睡眠時随伴症 河野公範 堀口 淳
7. 睡眠関連運動障害 河野公範 堀口 淳
8. 概日リズム睡眠・覚醒障害 原田大輔 伊藤 洋
9. 睡眠時無呼吸症候群 山内基雄
10. CPAP療法を適切に受けていただくために 南雲秀子
11. 鼻閉と睡眠(小児無呼吸も含む) 北村拓朗 宮崎総一郎
12. 睡眠からアプローチする認知症予防 宮崎総一郎 北村拓朗
Ⅱ 睡眠薬
1. 睡眠薬の理解 山中章弘
2. 睡眠薬の用い方 普天間国博
睡眠健康指導士とは 宮崎総一郎
睡眠健康指導士に期待すること 粥川裕平
睡眠検定の受験にかかわるご案内 宮崎総一郎
索引
Column
①北条時子の夢 北浜邦夫
②メラトニンの発見 樋口重和
③ゾウの時間・ネズミの時間から睡眠を考える 本川達雄
④金縛りの研究 福田一彦
⑤災害と睡眠環境 水野一枝
⑥低圧低酸素環境下(高所)での睡眠 水野 康
⑦大学生における睡眠習慣の乱れと大学適応との関連 浅岡章一
⑧朝活でダイエット?コロナ禍の大規模web調査結果より 田原 優
⑨育児期の母親の睡眠負債 竹内日登美 宮崎総一郎
⑩社会的時差ボケ 駒田陽子
⑪自宅でできる筋弛緩法 田村典久
⑫高知県の幼児の生活リズム―全国との格差― 竹内日登美 宮崎総一郎
⑬ 中学生が睡眠講話後に気づくこと 田中秀樹
⑭ 話し方は磨かれるもの 藤原徳子
⑮ 施設での睡眠マネジメントで夜間コールが激減した例 田中秀樹
⑯ 私を悩ませたクライエント 岡島 義
⑰ 有松絞りと認知症予防―良い睡眠と認知症予防には,「きょうよう」と「きょういく」が大切― 宮崎総一郎
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書籍情報
- ISBN:9784865198119
- ページ数:398頁
- 書籍発行日:2022年5月
- 電子版発売日:2022年11月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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