麻酔科プラクティス 8 麻酔管理の疑問に答える生理学

  • ページ数 : 304頁
  • 書籍発行日 : 2023年5月
  • 電子版発売日 : 2023年5月18日
¥14,300(税込)
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商品情報

内容

麻酔科医が厳選,周術期管理に必須の生理学的知識を集約!豊富なカラーイラストと画像によりビジュアルに理解できる!!

シリーズ第8巻は,周術期管理に必要な「生理学」知識を徹底解説.医科学の進歩により,調節性に優れた麻酔薬が開発され,生体情報を可視化できるモニタリング機器の備わる現代では,生理学的知識を習得する機会が減少している.多忙な麻酔科医が効率よく生理学に習熟できるよう,神経・骨格筋,呼吸,腎臓,肝臓,血液凝固,内分泌と代謝など,重要知識を厳選,整理した.最新トピックスや興味深いテーマのコラムなども満載. 【シリーズの特徴】 現在の麻酔科臨床で特に注目の集まるトピックスや新たな課題を厳選し,フルカラーの誌面でビジュアルに整理・解説.若手からベテラン麻酔科医までを対象とし,臨床で役立つ最新かつ最良の意義深いテーマを提供する.

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序文

「麻酔管理の疑問に答える生理学」序文


医学生や研修医に麻酔診療の魅力を伝えるときに「生体機能を制御できることが麻酔科医の能力のひとつ」という文言をよく用います.生体はその恒常性(ホメオスタシス)を維持するために,司令塔である中枢神経系により統合された呼吸,循環そして代謝が相互安定を図り,さらに個々の臓器がフィードバック機構を用いてその恒常的な活動をサポートしています.様々な手技,薬物そして機器を用い,意識,呼吸,循環,代謝,反射など生体の恒常性をつかさどる多彩な生体機能を人為的に制御し,安定した周術期管理を行うことは麻酔科医の大きな役割です.

私が麻酔科医となったおよそ30年前と異なり,現在の麻酔科医は吸入麻酔法だけではなく静脈麻酔法,調節性の優れた麻酔薬や拮抗薬,光学技術を搭載した気道確保機器,複数の麻酔深度モニター,非侵襲画像描出機器など,多彩なツールを手に入れてきました.我々が医療行為として投与した麻酔薬によって,生命維持に必須である生体機能は抑えられますが,手に入れた多彩なツールによって誰もが安全な周術期管理の恩恵を受けることができ,また麻酔科医も安定した周術期管理を提供できるようになってきたといえます.しかしながらかつての麻酔科医は,麻酔下の患者が示す生体反応を観察しながら,もっている生理学的知識を駆使して患者の状態を推察し適切と判断した診療行為を行ってきましたが,現在は調節性の優れた麻酔薬と生体情報を可視化したモニタリングなどにより,かつてほど生理学的知識がなくても周術期管理が可能となっています.そのためか,時には知らなければならない生理学的知識が欠如していたり,モニタリングに示された波形や数値の生理学的裏づけを知らずに周術期管理を行っている麻酔科医に遭遇することもあり,“はたしてこれでよいのだろうか?”と思うようになりました.

生理学を学ぶ場合,生理学の成書を隅から隅まで熟読することは現実的に不可能であり,かといって麻酔管理に必要な項目を探しながら読み込み理解するには,手間と時間と何より忍耐が必要となります.このような中で,“麻酔科医が必要と考える,麻酔管理に必要な生理学的な知識”を載せた書物があれば,指導する側にも指導される側にも有益ではないかと考え,「麻酔管理の疑問に答える生理学」の創刊を思いつきました.そこで現在活躍中の麻酔科医や集中治療医,あるいは免疫学を専門とする先生方に“麻酔科医に理解してほしい生理学的知識”について原稿をお願いし,本書の刊行にたどり着きました.この本を読んでみると,様々な切り口から麻酔科医に役立つ生理学的知識あるいは病態生理について概説されており,日常臨床で多忙な麻酔科医にとっても少しの時間で読むことができる本になっていると実感いたしました.

この本が麻酔科医の日常臨床や研修医の教育,あるいは専門研修医を目指す麻酔科医にとって少しでも役立つのであれば,編集を担当したものとしてこの上ない喜びになります.

最後に,お忙しい中本書の刊行に関わって頂いた各著者の皆様に深謝いたします.


2023年3月

琉球大学大学院医学研究科 麻酔科学講座 垣花 学

目次

Ⅰ 麻酔科医に必要な神経・骨格筋の生理

1 脳血流にどのような化学的調節因子が影響を及ぼすのか?

2 血管拡張薬は脳血流にどのように影響を及ぼすのか?

3 高齢者の術後せん妄の発生機序は?

4 揮発性麻酔薬のMACは脳への効果か脊髄への効果か?

[T]植物に麻酔をかけられるのか?  

5 なぜ揮発性麻酔薬で運動誘発電位モニタリングが難しいのか?

6 なぜ痛みの種類によってμオピオイド作動薬の効果が異なるのか?

7 なぜ妊婦は痛みに強いのか?

8 これまでに分かっている遷延性術後疼痛のメカニズムとその治療は?

9 なぜ非脱分極性筋弛緩薬と脱分極性筋弛緩薬でTOFの反応が異なるのか?

10 なぜ脊髄損傷や全身熱傷症例で脱分極性筋弛緩薬は禁忌なのか?

Ⅱ 麻酔科医に必要な呼吸生理

1 咽頭喉頭の上気道維持のポイントは?

[K&P]筋弛緩薬を投与すると上気道は狭くなる? 広くなる? 

2 小児の呼吸生理の特徴は?

3 麻酔薬は呼吸中枢にどのように影響を及ぼしているのか?

4 低酸素と高炭酸ガスに対する換気応答の違いは?

5 一側肺換気でなぜ酸素化を保てるのか?

6 溶存酸素とHb結合酸素,その酸素量はどの程度異なるのか?

Ⅲ 麻酔科医に必要な循環生理

1 心筋サルコメアの収縮曲線とFrank-Starling曲線との関係は?

2 静脈還流と心拍出量はどのように関わっているのか?

3 心臓反射にはどのようなものがあるのか?

4 なぜ血圧の呼吸性変動が起こるのか?

5 循環管理をするとき,なぜ混合静脈血酸素飽和度(SvO2)を参考にするのか?

6 不整脈と関連のある心臓チャンネルに麻酔薬はどのように影響するのか?

7 血管内皮細胞はどのような役割をもっているのか?

[T]グリコカリックスと敗血症  

Ⅳ 麻酔科医に必要な腎臓生理

1 陽圧換気は腎機能にどのように影響を及ぼすか?

2 手術侵襲は腎機能にどのような影響を及ぼしているのか?

3 造影剤やNSAIDsはなぜ腎機能を悪化させるのか?

[B]かつてセボフルランは腎機能を悪くするといわれていたが… 

4 慢性腎臓病(CKD)はなぜ周術期に悪化しやすいのか?

[T]AKIの定義とKDIGOについて  

Ⅴ 麻酔科医に必要な肝臓生理

1 肝血流の二重支配(肝動脈と門脈)とはどのようなもの?

2 肝臓は栄養代謝にどのように貢献しているのか?

3 CYPの薬物代謝に麻酔薬はどのように関わっているか?

4 肝臓における薬物代謝と肝血流はどのような関係にあるのか?

Ⅵ 麻酔科医に必要な内分泌と代謝

1 侵襲下でのストレス応答としての内分泌系の役割は?

2 栄養素供給不足(飢餓)時のエネルギー代謝はどうなるのか?

[OPA]筋トレの栄養学─いつどのようにプロテインを飲むべきか─

3 侵襲時の代謝反応はどうなるのか?

4 高血糖にはどのような有害作用があるのか?

5 なぜ周術期に糖尿病性ケトアシドーシスになりやすいのか? その治療は?

Ⅶ 麻酔科医に必要な酸塩基平衡バランスの生理

1 酸塩基平衡に腎臓はどのように関与しているのか?

2 酸塩基平衡に肝臓はどのように関与しているのか?

3 心肺蘇生における炭酸水素ナトリウム投与は,どのような意義があり,どのような問題点があるのか?

4 酸塩基平衡に対するStewartアプローチとは?

Ⅷ 麻酔科医に必要な血液凝固

1 侵襲は血液凝固にどのような影響を及ぼすのか?

2 肝臓切除術で術後凝固系の動きと硬膜外カテーテル抜去のタイミングは?

3 血液粘弾性検査とはどのようなもの?

[OPA]PCI後のDAPTはなぜ必要? どれくらい続けるべきか? 

Ⅸ 麻酔科医に必要な周術期体温調節の生理

1 ヒトの体温はどのように調節されているのか?

2 麻酔によって患者の体温調節能はどう変化しているのか?

3 術後シバリングで酸素消費量はどれくらい増えるのか? どのような有害効果があるのか?

Ⅹ 麻酔科医に必要な免疫系

1 自然免疫と獲得免疫の違いは?

2 細胞障害性T細胞,ヘルパーT細胞,γδT細胞の役割の違いは?

3 なぜ敗血症で多臓器不全になるのか?

4 全身麻酔薬は腫瘍免疫にどのように影響を及ぼしているのか?

[T] 腫瘍の種類と麻酔薬との関係

5 硬膜外麻酔は免疫系にどのような影響を及ぼすのか?

索引

[T]=Topics

[K&P]=Knack & Pitfalls

[B]=Basic

[OPA]=One Point Advice

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書籍情報

  • ISBN:9784830628559
  • ページ数:304頁
  • 書籍発行日:2023年5月
  • 電子版発売日:2023年5月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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