ペインクリニック治療指針 改訂第7版

  • ページ数 : 300頁
  • 書籍発行日 : 2023年6月
  • 電子版発売日 : 2023年6月23日
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商品情報

内容

日本ペインクリニック学会が総力を挙げて編集!4年ぶりの改訂版!!

日本ペインクリニック学会の編集による,EBMの知見とその活用法にまで踏み込んだ実際の診療に役立つ臨床的なガイドライン.4年ぶりとなる今回の改訂では,EBMの深化に合わせ内容量も増加し,また,合併症についての記載も追加した.ペインクリニック/麻酔科の医師のみならず,ペインクリニック治療にかかわるすべての関係者必携の1冊となっている. 

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序文


本治療指針は2003年に第1版が発刊され,3年ごとに改訂が行われてきた.第7版からは4年ごとの改訂に変更され,初版発刊から20年後に第7版の発刊に至った.この4年間でペインクリニック領域では2点の新しいことがあった.1点目は慢性疼痛が国際疾病分類にコーディングされたこと,2点目は痛覚変調性疼痛を3つ目の痛み機序として国際疼痛学会が提唱したことで,この2つは同じ方向を指している.つまり,「慢性疼痛」は治療すべき疾患であり,治療すべき「痛覚変調」の異常が存在する.EBM(evidence based medicine)を活かす診療アプローチは正しく疾病の異常を診断し,適切な治療法を選択することである.第7版では痛覚変調性疼痛については触れていないが,慢性疼痛も痛覚変調性疼痛も,この正しさの枠組みの中に編入され,周知され,新しいEBMの確立が求められる.

この治療指針はEBMの知見とその活用法にまで踏み込んだ臨床的なガイドラインである.EBMの深化に合わせ内容量も増加し,第7版では新たに合併症についての記載も追加した.一方,慢性疼痛治療においてはEBMと同様にナラティブが重要とされている.ナラティブは医学的正しさと違う階層にあり,患者本人が語る継続中の物語である.NBM(narrative based medicine)は患者の価値観に基づいた物語を傾聴し,新たに紡がれる物語に寄り添うものである.慢性疼痛がEBMの枠組みに編入されつつある今,この治療指針を携えてNBMの実践にも取り組んでいただければ幸甚である.

最後に,本治療指針はペインクリニック治療の標準化を1つの目的としており,臨床での判断を支援するものであるが,医療従事者にこの履行を義務付けるものではないことを申し添える.さらに補償や訴訟などの司法判断に使用するべきものではないことをここに明記する.

今回の改訂に様々なご教示をいただいた日本ペインクリニック学会の皆様,および執筆の労を取っていただいた日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会の委員と協力者の諸先生方,日本ペインクリニック学会事務局,文光堂編集部に心から感謝を申し上げる.


2023年6月

一般社団法人日本ペインクリニック学会
治療指針検討委員会
委員長 渡邉恵介

目次

Ⅰ.ペインクリニック治療指針 総論

Ⅰ‒1 ペインクリニック治療指針 総論

Ⅰ‒2 痛みの評価

Ⅰ‒3 神経ブロック

Ⅰ‒3‒1 カテーテルによる持続注入

Ⅰ‒4 薬物療法

Ⅰ‒5 リハビリテーション

Ⅰ‒6 心理的アプローチ

Ⅰ‒7 チーム医療

Ⅱ.ペインクリニックにおける神経ブロックと関連事項

Ⅱ‒1 一般的注意事項

Ⅱ‒2 神経ブロックと使用薬物

Ⅱ‒3 ステロイド薬の添加

Ⅱ‒4 X線透視下神経ブロック

Ⅱ‒5 造影剤の使用

Ⅱ‒6 超音波ガイド下神経ブロック

Ⅱ‒7 星状神経節ブロック

Ⅱ‒8 硬膜外ブロック

Ⅱ‒9 神経根ブロック・経椎間孔ブロック

Ⅱ‒10 椎間関節ブロック・後枝内側枝ブロック

A.椎間関節ブロック

B.後枝内側枝ブロック

Ⅱ‒11 仙腸関節ブロック,仙腸関節枝高周波熱凝固法

Ⅱ‒12 傍脊椎神経ブロック

Ⅱ‒13 交感神経ブロック

A.胸腔鏡下交感神経節切除術(ETS)

B.胸部交感神経節ブロック

C.腰部交感神経節ブロック

D.不対神経節ブロック

Ⅱ‒14 トリガーポイント注射

Ⅱ‒15 関節内注射

Ⅱ‒16 頭頚部の末梢神経ブロック

A.後頭神経ブロック

B.頚神経叢ブロック

Ⅱ‒17 三叉神経ブロック

Ⅱ‒18 翼口蓋神経節ブロック

Ⅱ‒19 上肢の末梢神経ブロック

A.腕神経叢ブロック

B.肩甲上神経ブロック

C.肩甲背神経ブロック

Ⅱ‒20 肋間神経ブロック

Ⅱ‒21 内臓痛に対する神経ブロック

A.腹腔神経叢ブロック(内臓神経ブロック)

B.下腸間膜動脈神経叢ブロック

C.上下腹神経叢ブロック

Ⅱ‒22 下肢の末梢神経ブロック

A.外側大腿皮神経ブロック

B.伏在神経ブロック

C.坐骨神経ブロック

D.深腓骨神経ブロック

Ⅱ‒23 腰神経叢ブロック(大腰筋筋溝ブロック)

Ⅱ‒24 硬膜外自家血注入(硬膜外自家血パッチ)

Ⅱ‒25 高周波熱凝固法(RF)

Ⅱ‒26 パルス高周波法(PRF)

Ⅱ‒27 椎間板内治療

A.椎間板ブロック・椎間板造影

B.椎間板内加圧注入法

C.経皮的椎間板摘出術(経皮的髄核摘出術)

D.椎間板内パルス高周波法

E.椎間板内酵素注入療法(コンドリアーゼ)

Ⅱ‒28 脊髄刺激療法(SCS)

Ⅱ‒29 硬膜外腔治療

A.硬膜外洗浄

B.硬膜外腔癒着剥離術(スプリングガイドカテーテル)

C.エピドラスコピー

Ⅱ‒30 くも膜下鎮痛法

Ⅱ‒31 ボツリヌス療法

Ⅱ‒32 椎体形成術・骨穿孔術

A.椎体形成術

B.骨穿孔術

Ⅱ‒33 ハイドロリリース

Ⅲ.ペインクリニックにおける薬物療法

Ⅲ‒1 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

Ⅲ‒2 アセトアミノフェン

Ⅲ‒3 オピオイド鎮痛薬

A.オピオイド鎮痛薬〔軽度・中等度〕

B.オピオイド鎮痛薬〔強度〕

Ⅲ‒4 ガバペンチノイド(Ca2+チャネルα2δリガンド)

Ⅲ‒5 抗てんかん薬

Ⅲ‒6 抗うつ薬

Ⅲ‒7 ケタミン

Ⅲ‒8 プロスタグランジン製剤

Ⅲ‒9 リドカイン

Ⅲ‒10 片頭痛治療薬(急性期の治療薬)

Ⅲ‒11 片頭痛予防薬

Ⅲ‒12 ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液

Ⅲ‒13 筋弛緩薬

Ⅲ‒14 抗不安薬

Ⅲ‒15 漢 方 薬

Ⅳ.各疾患・痛みに対するペインクリニック指針

Ⅳ‒A 帯状疱疹関連痛

Ⅳ‒A‒1 帯状疱疹

Ⅳ‒A‒2 帯状疱疹後神経痛

Ⅳ‒B 神経障害性疼痛

Ⅳ‒B‒1 末梢神経損傷後疼痛

Ⅳ‒B‒2 有痛性糖尿病性神経障害(PDPN)

Ⅳ‒B‒3 絞扼性神経障害

Ⅳ‒B‒4 脳卒中後疼痛

Ⅳ‒B‒5 脊髄障害性疼痛

Ⅳ‒B‒6 幻 肢 痛

Ⅳ‒B‒7 腕神経叢引き抜き損傷後疼痛

Ⅳ‒C 複合性局所疼痛症候群(CRPS)

Ⅳ‒D 筋・筋膜性疼痛症候群

Ⅳ‒E 骨粗鬆症

Ⅳ‒F がん性疼痛

Ⅳ‒G 顔面・頭部の疾患・痛み

Ⅳ‒G‒1 片 頭 痛

Ⅳ‒G‒2 緊張型頭痛

Ⅳ‒G‒3 三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)

Ⅳ‒G‒4 三叉神経痛

Ⅳ‒G‒5 舌咽神経痛

Ⅳ‒G‒6 上喉頭神経痛

Ⅳ‒G‒7 持続性特発性顔面痛(PIFP)

Ⅳ‒G‒8 顎関節症

Ⅳ‒G‒9 口腔灼熱痛症候群(舌痛症)

Ⅳ‒G‒10 トロサ・ハント症候群

Ⅳ‒G‒11 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)

Ⅳ‒G‒12 後頭神経痛

Ⅳ‒G‒13 大後頭神経三叉神経症候群(GOTS)

Ⅳ‒G‒14 脳脊髄液漏出症

Ⅳ‒G‒15 顔面けいれん

Ⅳ‒G‒16 眼瞼けいれん

Ⅳ‒G‒17 顔面の機能的疾患

Ⅳ‒H 胸・腹部の疾患・痛み

Ⅳ‒H‒1 特発性肋間神経痛

Ⅳ‒H‒2 慢性膵炎

Ⅳ‒H‒3 前皮神経絞扼症候群(ACNES)

Ⅳ‒H‒4 骨盤内臓痛(慢性骨盤痛症候群)

Ⅳ‒I 脊椎疾患

Ⅳ‒I‒1 頚椎椎間板ヘルニア

Ⅳ‒I‒2 頚椎症性神経根症

Ⅳ‒I‒3 頚椎症性脊髄症

Ⅳ‒I‒4 頚部後縦靭帯骨化症(OPLL)

Ⅳ‒I‒5 頚椎椎間関節症

Ⅳ‒I‒6 胸椎椎間板ヘルニア

Ⅳ‒I‒7 腰椎椎間板ヘルニア

Ⅳ‒I‒8 腰部脊柱管狭窄症

Ⅳ‒I‒9 変形性腰椎症・腰椎変性すべり症

Ⅳ‒I‒10 腰椎分離症・腰痛分離すべり症

Ⅳ‒I‒11 腰椎椎間関節症

Ⅳ‒I‒12 椎間板性腰痛症

Ⅳ‒I‒13 仙腸関節症

Ⅳ‒I‒14 尾 骨 痛

Ⅳ‒I‒15 脊椎椎体骨折

Ⅳ‒I‒16 脊椎手術後症候群

Ⅳ‒J 頚・肩・腕部の疾患・痛み

Ⅳ‒J‒1 外傷性頚部症候群

Ⅳ‒J‒2 頚肩腕症候群

Ⅳ‒J‒3 凍結肩(肩関節周囲炎)

Ⅳ‒J‒4 胸郭出口症候群

Ⅳ‒J‒5 神経痛性筋萎縮症(腕神経叢障害)

Ⅳ‒J‒6 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

Ⅳ‒J‒7 多汗症(手掌・腋窩・足底・頭部顔面)

Ⅳ‒K 下肢の疾患・痛み

Ⅳ‒K‒1 坐骨神経痛

Ⅳ‒K‒2 梨状筋症候群

Ⅳ‒K‒3 感覚異常性大腿(神経)痛(meralgia paresthetica)

Ⅳ‒K‒4 変形性膝関節症

Ⅳ‒K‒5 変形性股関節症

Ⅳ‒K‒6 痛む脚と動く足趾症候群

Ⅳ‒L 四肢血行障害(閉塞性血栓血管炎,閉塞性動脈硬化症,レイノー症候群)

Ⅳ‒M 急性術後痛・慢性術後痛

Ⅳ‒N 線維筋痛症

Ⅴ.合併症の予防・診断・治療

Ⅴ‒1 危機的循環虚脱,呼吸障害に対する治療,対処法

Ⅴ‒2 血管穿刺後の遷延痛

Ⅴ‒3 末梢神経障害

Ⅴ‒4 頚部の合併症(血腫・感染)

A.血 腫

B.感 染

Ⅴ‒5 硬膜外血腫

Ⅴ‒6 脊髄損傷

Ⅴ‒7 脊髄梗塞

Ⅴ‒8 硬膜外膿瘍

Ⅴ‒9 硬膜穿刺後頭痛(PDPH)

Ⅴ‒10 脊椎炎(椎間板炎)

Ⅴ‒11 気胸

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書籍情報

  • ISBN:9784830628573
  • ページ数:300頁
  • 書籍発行日:2023年6月
  • 電子版発売日:2023年6月23日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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