特集①再発させない！ 翼状片手術

翼状片はよく遭遇する疾患であるが，その手術適応や術式選択には自分の技量や考え方が大きく影響する．ゴールは明確であり，再発を最小限とし，さらに美容的にも美しく仕上げることが求められる．手術手技はシンプルであるが，結膜切開や止血など，きめ細やかな手技が結果に大きく影響する．本特集では翼状片手術を多数例こなし，自己流のこだわりを実践されている3 名の翼状片のプロにその技をご紹介いただきました．

プランナー 稲富 勉

特集②視神経乳頭 異常所見のすべて

眼科診療において視神経乳頭の観察は，緑内障のみならず，網膜疾患や視神経疾患などの鑑別に重要である．医師は短時間の眼底検査で視神経乳頭の状態を判断し，診断に役立てているのが現状である．その一方，正常でも視神経乳頭は多様性に富み，時に近視の傾斜した乳頭や小乳頭などは，正常との境界が難しいが，ある種の病気発症に関与していることも知られている．そのため，常日頃からさまざまな視神経乳頭の所見について理解を深めておく必要がある．

そこで本特集では，「視神経乳頭 異常所見のすべて」と題して，栂野先生には「緑内障性視神経症」，金森先生には「視神経萎縮」，毛塚先生には「視神経腫脹」，近藤先生には「視神経の先天異常」について紹介いただいた．最近，光干渉断層計の普及により，視神経乳頭の定性・定量的評価が加わってきたこともあり，容易に視神経の状態を把握することが可能となっている．各執筆者にたくさんの画像も掲載いただいた本稿を，ぜひ知識のアップデートにお役立ていただきたい．

プランナー 中澤 徹

特集③これからの小児眼科検査

眼科検査装置は日進月歩で発展しており，最新の機器の取り扱い，結果の評価の仕方に習熟するのは容易ではない．さらに，小児が対象となると，検査装置の妥当性や検査への協力性から，えられた結果の解釈に疑問をもつことも少なくない．

今回の特集では小児特有のスクリーニング装置であるSpotTM Vision Screenerと小児の屈折検査のために用いる調節麻痺薬について日本弱視斜視学会が行った全国調査の結果を取り上げた．弱視の早期発見，早期治療にむけて，小児眼科が大きく前進していることがお分かりいただけるだろう．また，成人に広く用いられるOCT や新しいERG記録装置であるRETevalⓇについて使用方法から，結果の解釈について解説していただいた．すでに装置をお持ちの医療機関においては，正しい記録方法と解釈が重要であり，参考にしていただきたい．遺伝子検査は小児に限らず，確定診断にとって不可欠な検査になりつつあるが，診断困難な小児眼疾患を中心に最新の情報を解説していただいた．ぜひご一読のうえ，日常の診療にお役立ていただきたい．

プランナー 佐藤美保