産科と婦人科 2023年 Vol.90 No.8【特集】これからの性教育 ―タブー視せずにポジティブに捉える―

  • ページ数 : 122頁
  • 書籍発行日 : 2023年7月
  • 電子版発売日 : 2023年8月4日
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内容

自分も相手も大切にする方法を子どもに伝えるにはどうすればよいか,性教育の難しさに悩む方もいるはず.今回,医師,助産師,教育等それぞれの視点から解説いただきました.

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序文

これからの性教育―タブー視せずにポジティブに捉える―

「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」という性教育の国際基準の改訂版がユネスコから発刊されている.年代別に何を具体的に教えるべきかが示されており,幼少期から指導項目に性行為が含まれ,相手の同意を尊重することの大切さ,責任ない立場で妊娠することの意味が教えられる.一方,日本では学習指導要領に「はどめ規定」なるものが存在し,学校教育では性行為を教えられない状況にあり,中学1 年生で受精や妊娠を学ぶが,性行為が何かを学ばないまま,中学校3 年生で性感染症とコンドームの使用方法を学ぶ.また男子は射精が何かも教えられないまま夢精を経験する.今までも教育現場では性行為を正しく教えようとする動きはあったが,2003 年の七生養護学校事件などで教育委員会や保守派の国会議員の反対を受けて性行為を教えることは禁じられてきた.しかしながら,最近は教育現場だけでなくPTA からも適切な性教育に対する要望があって産婦人科医や助産師に講演依頼があり,草の根的に課外活動で希望者に対して性教育が行われている.確かに学校で性行為について聞きたくない子どももいるだろう.そうしたなか,文部科学省は2023 年4 月から「生命(いのち)の安全教育」という性犯罪・性暴力対策を目指した精一杯の性教育をスタートさせた.

人間には子孫を残すための本能が備わっている.子どもが異性に興味をもつのは自然なことであり,正しく導いて相手の同意を得ることの大切さを学ばせるのは大人の役割である.正しい性教育により子どもたちは性をタブー視せずにポジティブなものとして捉え,将来の充実した男女関係が築けるようになる.性暴力を減らし少子化対策にもなる.

本特集では「これからの性教育」と題して適切な性教育の内容と教え方,努力の仕方などをエキスパートに伺う.性教育の現状と今後と問題点についてもご解説いただく.正しい努力は性教育の現状を少しずつ改善させる.本号が,皆様が性教育の講師になる際のバイブルとなり,日本でもより多くの子どもたちが正しい性教育を受けられるようになることを期待してやまない.


(帝京大学ちば総合医療センター産婦人科 五十嵐敏雄)

目次

Ⅰ.現状と問題点と未来

1.性教育の未来へ向けて「生と性の健康教育」 安達知子

2.日本の性教育の歴史・現状と課題 北村邦夫

3.海外の性教育の現状―国際セクシュアリティ教育ガイダンスを踏まえて― 門間美佳

4.日本の性暴力の現状とその被害者支援―ワンストップ支援センターからの報告― 加藤治子

Ⅱ.性教育の実際

5.日本産婦人科医会作成性教育スライド「思春期ってなんだろう性ってなんだろう」の活用 江夏亜希子

6.学校医と養護教諭のための思春期婦人科相談マニュアルの活用 宮国泰香

7.#つながるBOOKの活用 高橋幸子

8.学習指導要領を超えた性教育―東京都での取り組み(中学・高校)― 塚田訓子・他

9.家庭と連携した学校における性教育―集団指導と個別指導― 井上聡子

10.性暴力防止のための生命の安全教育の取組―絵本「おしえて!くもくん」の活用― 小笠原和美

11.「生命の安全教育」の特徴と「期待」 艮 香織

Ⅲ.教員・助産師・家庭による性教育

12.学校と連携した性教育を行うために 赤澤宏治

13.男子の性教育 今井 伸

14.助産師による性教育―20年間大切にしてきたこと,現在強化していること― 川島広江

15.「男女のミゾ」の正体―男女の相互理解のために― 黒川伊保子

連載

弁護士が答えます!法律にまつわるあれこれ

ネット上の問題投稿に対してとり得る手段は? 水上裕嗣

症例

子宮体部原発と考えられた悪性リンパ腫の1例 田島朝宇・他

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書籍情報

  • ISBN:9784015209008
  • ページ数:122頁
  • 書籍発行日:2023年7月
  • 電子版発売日:2023年8月4日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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