これで完璧 涙点閉塞

ドライアイ治療は，近年ジクアホソルナトリウムやレバミピドなどの点眼薬の選択肢が増え，また，涙点プラグも改良が進み，5年前と比べると格段に治せるドライアイ患者が増えてきている．しかしながら，実際の臨床においては，涙点プラグが脱落したり違和感を伴ったりなどで涙点閉鎖術を行って治療をしないといけない重症な涙液減少型ドライアイ患者は存在するし，思い切って涙点を単純に縫合や焼灼を行っても再開通をしてしまうことも少なくはない．

今回は，2名の先生に執筆をお願いした．まずは，一般的な涙点プラグ挿入の方法と注意点について，高先生に改めてレビューをいただき，次に新しい外科的アプローチとして柿﨑先生に外科的涙小管閉鎖術についてご解説いただく．これから涙点プラグ挿入を始める初心者から，何度手術をやっても再開通をきたして困っている涙点閉鎖術の経験者まで幅広い層の先生方に役立つ情報と思われる．

堀 裕一
東邦大学医療センター大森病院

保存版 OCT画像アトラス（後極部編）

OCTの登場はこの20年間で最も網膜診療に寄与した進歩だと思う．診断も，病態理解も，治療方針の決定も，大きく前進した．OCT前時代と，OCT後時代と言う分類をしてもいいと思う．ノーベル賞を上げたいくらいである．恩恵を受けたのが①黄斑浮腫，②脈絡膜新生血管，③近視性網脈絡膜変化であろう．疾患としては，① RVO・DME，② AMD・PCV，③強度近視である．

今回はこの3つに関し，各エキスパートにOCT画像をふんだんに使って解説していただいた．この20年間の進歩を感じ取って，目の前の患者さんの診療に役立てていただければ幸いである．

プランナー　瓶井資弘
愛知医科大学 眼科学教室

あなたもできる　神経眼科疾患の治療

神経眼科の治療というとすぐに神経眼科専門医に後送しなければいけないと思われるかもしれない．しかし，神経眼科疾患の多くは眼科医であれば誰でも容易に治療できる軽症のものである．本特集では主な神経眼科疾患の治療についてそれぞれエキスパートに解説していただいた．特に眼瞼けいれんや甲状腺眼症では早期の局所薬物治療の有無が患者のQOLを大きく左右する．また，視神経炎や特発性の眼運動神経麻痺では保存的経過観察で大部分で自然回復するが，やはり難治性のものや重大な疾患が潜むことがある．この特集を読めばあなたも神経眼科疾患の初期治療が安心して行える．

プランナー　三村 治
兵庫医科大学 眼科学教室