心不全診療Controversy

  • ページ数 : 262頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年9月21日
¥7,920(税込)
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商品情報

内容

心不全診療に関する疑問,知りたかった答えがここにある

心臓以外の併存症のある患者の対応や,ADLや症状の改善を一番に考える場合など,心不全の診療ガイドラインを当てはめるだけでは対応できないような臨床の実際に対応するために,臨床のさじ加減をエキスパートが伝授!最新のエビデンスに診療経験を融合させた「思考プロセス」が見える1冊.

序文

はじめに

診療ガイドラインはEvidence-Based Medicine(EBM)の集大成であり,クラス1に推奨される項目の実践ともなれば,臨床医にとっては「絶対」ともいえます.昨今は,診療ガイドラインのなかでも選りすぐりの重要項目がQI指標(Quality Indicator)として選定され,これらが実臨床でどの程度実践されているかを調査することによるEBMの普及率の評価が注目されています.「EBM創出→ガイドライン作成→QI指標の調査→EBMと実臨床でのギャップの特定とその対策」という一連のサイクルを回し,診療の質が継続的に改善されていくことが,心不全領域でも期待されています.

一方で,日常の複雑な心不全診療の現場では,診療ガイドラインに従うことで,すべての問題が解決できるわけではありません.例えば,超高齢化が進む日本では,心臓以外の併存疾患をもつ心不全患者が急増しており,臨床試験に組み込まれない(EBMの外側の)患者に対する診療が求められます.心不全よりも心臓以外の要素によって健康が損なわれている場合もあり,心不全治療が心臓以外に影響を及ぼしうる場合には,心不全の診療ガイドラインを単純に当てはめてマネージメントすべきか迷うこともあります.

また,治療に関するクラス1推奨事項の多くは,死亡や再入院を減らすものですが,症状やADL,QOLの改善を最優先に考えて治療選択を希望される患者さんは一定数存在し,超高齢化社会が進むなかで,その傾向はむしろ顕著になっているようにも思います.日々の診療では,他にもさまざまな疑問が生まれますが,その解答が診療ガイドラインで明確に示されていないこと(ガイドラインの隙間)は少なくありません.その解決のためには,既存のエビデンスが何をどこまで証明しているかを把握するとともに,日々の診療の経験・議論を踏まえ実証的に論理的に考えなければいけません.結局のところ,自らの仮説を踏まえた臨床研究の実践が,より良い診療を追求するためには重要です.

本書では,心不全診療の現場で疑問としてよく投げかけられ,いまだ見解が一致しないテーマを選定しました.臨床現場で活躍し臨床研究にも造詣の深いエキスパートの先生方から,最新のエビデンスに,診療経験を融合させた「思考プロセス」を含めて概説いただきました.本書の内容が,心不全診療に関わる先生方にとって少しでもお役立ていただくとともに,さまざまなテーマの議論の前進につながる一助となれば幸いです.


2023年9月

杏林大学医学部循環器内科臨床教授
河野隆志
慶應義塾大学医学部循環器内科助教
白石泰之

目次

薬物療法のControversy

1 HFrEFに対するガイドライン推奨薬はどの順番でどのくらい期間をかけてtitrationを完了すべきか?〈堀内 優〉

2 HFrEFに対するガイドライン推奨薬は何をゴールにしてtitrationを完了すべきか?〈夜久英憲〉

3 心不全に対するARNIは,1回投与ではなくやはり2回投与がよいのか?〈奥村貴裕〉

4 SGLT2阻害薬はどのような心不全に特に有効か? そもそもなぜ効くのか?〈江尻健太郎〉

5 低栄養・サルコペニア・フレイル合併例にSGLT2阻害薬を投与してよいのか?〈佐野元昭〉

6 HFrEFにおいて収縮期血圧が90 mmHg未満の場合,ガイドライン推奨薬は継続すべきか?〈生駒剛典〉

7 高度腎機能障害(CKDステージ4〜5)を有するHFrEFに有効な薬剤は存在するか?〈松本新吾〉

8 HFrEFに高カリウム血症を伴った場合にACE阻害薬/ARB,ARNI,MRAは減量すべきか?〈木田圭亮,奥野泰史〉

9 Cpc-PHに対するベルイシグアトは有効か?〈合田あゆみ〉

10 HFimpEFでGDMTは生涯継続すべきか?〈庄司 聡〉

11 高齢者の心不全は非高齢者の心不全と同様の薬物治療を行ってよいのか?〈河野隆志〉

12 心臓サルコイドーシスでステロイドはどこまで減量するべきか,定期的な活動性評価でPET検査は必要か,バイオマーカーでもよいか?〈多田篤司,永井利幸〉

13 閉塞性肥大型心筋症に対してジソピラミド・シベンゾリンを使うのか,マバカムテンはどのような扱いになるのか?〈川名正隆〉

 

デバイスのControversy

14 ICD一次予防の適応はガイドラインに従ってLVEFで判断してよいか?〈山田桂嗣,北井 豪〉

15 着用型自動除細動器(WCD)は一次予防でどう使う?〈菊池規子,鈴木 敦〉

16 徐脈性不整脈に対し刺激伝導系ペーシングの適応を検討すべきか?〈佐藤俊明〉

17 心不全でもASVを使用してもよい病態はあるのか?〈葛西隆敏〉

18 Destination therapyは積極的に進めるべきか?〈佐藤琢真〉

 

カテーテル・外科的治療のControversy

19 心房細動を伴った心不全では,LVEFを問わずカテーテルアブレーションを積極的に実施すべきか?〈中丸 遼〉

20 慢性冠症候群を伴ったHFrEFにおける適切な治療戦略は?〈澤野充明〉

21 負荷エコーでMitraClipの適応判断の根拠はどこまで証明されてきたか?〈華臻圣,板橋裕史〉

22 大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療後の心不全予防のための薬物治療戦略は?〈猪原 拓〉

23 低侵襲カテーテル時代の三尖弁閉鎖不全症に対する適切な介入時期・方法は?〈佐地真育〉

 

疾病管理・緩和のControversy

24 塩分制限・水分制限は絶対に守らないといけないのか?〈北方博規〉

25 包括的な疾病管理プログラムを一律に提供しているだけでよいのか?〈山口徹雄〉

26 自宅で有効な心臓リハビリテーションは実施できないのか?〈網谷英介〉

27 Advance Care Planningの効果はどこまで証明されているのか?〈柴田龍宏〉

28 洞調律心不全患者での抗凝固療法は必要か?〈佐藤宏行〉

29 貧血合併心不全患者はどのようにマネージメントすればよいのか?〈新美 望〉

 

急性心不全のControversy

30 急性心不全患者に,door-to-furosemide timeは有効?〈三角香世,末永祐哉〉

31 急性期の血管拡張薬はどう使用するのが一番よいのか?〈白石泰之〉

32 心原性ショックに対する薬物治療は,何を選択するのか (ノルアドレナリン,ドブタミン,はたまたドパミン)?〈藤野剛雄,筒井裕之〉

33 心原性ショックに対する補助循環は,何を選択するのか(IABP vs Impella) ?〈木村徳宏,中田 淳〉

34 ループ利尿薬は,何を・どのくらい・どうやって投与するのが正しいのか?〈中野宏己〉

35 利尿薬抵抗性に対する治療戦略は?〈秋山英一〉

36 利尿薬投与中にクレアチニンが上昇した場合,どこまで様子をみてよいのか?〈武井 眞〉

37 急性心不全の呼吸補助にnasal high flowは使えるか,コロナ禍を考えても使う意義は?〈石原嗣郎〉

38 入院中・早期から心拍コントロールのためイバブラジン投与をしてよいか?〈長友祐司〉

39 入院中・早期からのARNIはよいのか? 血行動態的に有利なのか?〈岩花東吾〉

 

その他のControversy

40 HFpEFの治療選択に対してフェノタイピングは必要か?その場合,実臨床で現実的な評価方法は?〈内藤朱美,小保方 優〉

41 がん治療薬関連心筋障害の早期発見はどうすればできるのか?〈植田智美,石田純一〉

42 心不全患者のQOL・身体活動評価はまだNYHA分類で考えていてよいのか,PROやデジタルデバイスはどう考えるのか?〈池村修寛〉

43 心不全の治療(効果)には人種差があるのか?〈秋田敬太郎〉

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書籍情報

  • ISBN:9784498136809
  • ページ数:262頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年9月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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