画像診断 2023年10月号(Vol.43 No.12)「腸炎・腹膜炎を読み解く ―病態と画像所見の対比」

  • ページ数 : 138頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2023年10月20日
3,080
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 168pt ( 6 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

「腸炎・腹膜炎」をより正確に診断するために,基礎的な知識をもち,何が起こっているのかを理解した上で,そこから考えられる現象,すなわち病態と画像所見を対比して“推測する”ことが重要である.
その所見の捉え方,診断の考え方について詳しく解説する.

序文

序説

「腹部救急疾患の画像診断は,他の分野に比べて遅れているのではないだろうか?」 そう思うようになったのは,腹膜炎を小腸型感染性腸炎と2例続けて間違い,この鑑別点を調べていた時のことでした.まず,感染性腸炎の画像診断について調べたのですが,大腸型や炎症性腸疾患は多くの文献が存在するのに対し,小腸型感染性腸炎は納得のいくものがみつかりませんでした.そこで方針転換し,急性腹膜炎の画像について調べてみたのですが,こちらもきちんと整理された文献が見当たりません.急性腹症の中でもメジャーな疾患が,しかも2つも,その画像診断がきちんと解説されていない─ そこで湧いてきたのが冒頭の疑問でした.なぜなのでしょうか? いくつか理由は考えられますが,一番は両疾患とも画像診断におけるエビデンスの切り札となる病理標本との対比ができないという点に尽きるかと思います.とはいえ,ここで諦めると,また同じ間違いを犯すのが目にみえています.では,病理標本なしにどうやって裏付けるのでしょうか? そこでやってみたのが,病態と対比する方法です.画像所見から画像診断学的に得られた推測を,解剖学,細菌学,病理学といった基礎医学や,術中所見,内視鏡像といった臨床医学の知見と照合し,その妥当性を検証していきます.できるだけ多方向から検証することで整合性が高まり,ある程度間違っていない“考え方”に到達できます.さらに他人と意見交換し,共通の認識となっていくことで,“エビデンス”とはいえないまでも,治療方針を決定できる“診断のセオリー”が構築できると考えます.

今回執筆いただいた先生方には,過去の文献やエビデンスに縛られず,各自の経験から得られたご自身の“考え方”を紹介してくださるようお願いしました.はじめに,私が急性消化管疾患の画像所見とその反映する病態について述べました.感染性腸炎については,まず病態を知ることが肝要と考え,わが国の第一人者であられる大川清孝先生に解説をお願いしました.そして,感染性腸炎の画像診断については影山咲子先生に,鑑別となる感染以外の腸炎については中井雄大先生に,NOMIについては豊口裕樹先生に解説いただきました.腹膜炎についてもまず“腹膜を知る”ということに主眼を置き,理解しづらい解剖を衣袋健司先生に詳細に解説していただきました.画像診断については,腹膜炎と骨盤内炎症性疾患をそれぞれ井上明星先生と髙濱潤子先生に解説いただきました.各先生方の熱の入った原稿のおかげで,狭い範囲ながらも大変充実した内容となったことを嬉しく思います.お忙しい中時間を割いてくださった各先生方には,この場を借りて深くお礼を申し上げます.最後に読者の皆様にお願いです.本特集は決して完成されたものではありません.共感,賛同,そして反論など,皆様のご意見をぶつけていただくことで,より優れたセオリーがそこにできあがるのではないかと考えています.是非ご意見を賜れましたら幸いです.


谷掛雅人(京都市立病院放射線診断科・IVR 科)

目次

特集:腸炎・腹膜炎を読み解く―病態と画像所見の対比

序説   谷掛雅人

急性消化管疾患の画像所見とその病態   谷掛 雅人

腹膜の解剖と画像   衣袋 健司

画像診断医が知っておくべき感染性腸炎の臨床像   大川 清孝,佐野 弘治

感染性腸炎の画像診断 ― 発症機序・病態を踏まえたアプローチ―   影山 咲子

感染性腸炎と識別を要する腸炎の画像診断   中井 雄大

非閉塞性腸管虚血(NOMI)の画像診断 ― 壁内気腫のCT診断を中心として―  豊口 裕樹,紺野 義浩

腹膜炎と鑑別診断の画像診断   井上 明星

骨盤内炎症性疾患(PID)の画像診断   高濱 潤子

【連載】

すとらびすむす

メタバースの時代は来るのか?   渡邉 嘉之

画像診断と病理

心臓限局性サルコイドーシス   伊藤 絵,石田 正樹 ほか

ここが知りたい!

画像診断2023年5月号特集「唾液腺・甲状腺をきわめる」  田中 史根,加藤 博基 ほか

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

PI-RADS 以外もある! 泌尿器領域のスコアリングシステム   髙橋 哲

CASE OF THE MONTH

Case of October   齋藤 亜矢子,久保 武

THE KEY To Case of August   太田 理恵,山下 直生 ほか

読影レポートLesson

血管編「大動脈解離」   縄田 晋太郎,小川 普久

続General Radiology 診断演習 

Silent minority   子安 翔

Refresher Course

新型コロナ後遺症の画像診断 ― 循環器領域のコロナ後遺症について知る―  相川 忠夫,真鍋 徳子

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:33.6MB以上(インストール時:71.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:134.4MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:33.6MB以上(インストール時:71.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:134.4MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784059884798
  • ページ数:138頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2023年10月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。