古田師範の褥瘡薬道場 フルタ・メソッド連戦連勝の極意

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2023年11月3日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

●フルタ・メソッドで、治らない褥瘡が治る!
褥瘡は、治療ではなく管理するもの――そんな認識をもっている医療現場は少なくありません。その背景には、「褥瘡は治らないもの」という間違った思い込みが定着している現状があります。しかし、病態を的確にとらえ、適切な外用薬を正しく使えば、褥瘡は治ります。
本書は、数多くの薬物治療実績を誇る“古田師範”が、自ら考案したフルタ・メソッドの極意を豊富な症例写真とともに解説。ベッドサイドや在宅で褥瘡に苦しみ、諦めている患者・家族、薬剤師、看護師など、すべての人を救う1冊です。

序文


本書は,褥瘡や創傷という疾患に対してフルタ・メソッドに基づき病態を評価し,改善させるために必要な視点を解説する書である。褥瘡・創傷治療では,どのような特性の外用薬を選択して,どう使いこなし,いかに薬剤の滞留を維持させるかが重要である。創に対する外力の影響は,一般的に言われている直接的な体圧やずれの予防では不十分であり,皮膚のたるみによる影響を加味しなければならない。難治性と言われる褥瘡や皮膚潰瘍,壊死などの難治性皮膚創傷は,すべてではないが治せるものの割合はかなり高いと考えられる。従来考えられている「治せない」という医療者側の先入観が改善を阻害しているかもしれない。

高齢者に発症する褥瘡・創傷は基本的に難治性と考えられており,全身状態を含めた複合的な要因が絡んでいるという考え方が必要である。

そのために適切な治療が行われないままに,悪化していくことが少なくない。その原因の一つは,外用薬の特性が正しく理解されず,使い方も人によって異なり,統一性に欠けていることや,主薬である薬効成分のみが注目されて外用薬の基盤となる基剤の特性を考慮されることが少ないことである。創面に対して効果を発揮する使い方が実施されないまま,効果に一喜一憂しているのが実情である。

患者やその家族は,決して不適切な治療を望んでいるわけではない。

不適切な治療を長年続けてきたことで,治らないことを当たり前に考えている医療者であってはならない。患者や家族が褥瘡治療を知らないことを理由に,非科学的な根拠を利用すべきではない。医療の質が低下していると言われるなか,最も底辺の褥瘡の治療がなおざりにされている状況をこのまま継続してはならない。外用薬を使いこなすことがどういうことかを理解して,治らないとしてきた褥瘡などの難治性疾患にスポットライトを当てたい。

褥瘡は,予防と治療の両面が必要であるが,発症するまでの予防と発症後の予防を分けて捉えようとしている医療者が数多く存在する。患者は常に予防段階にあり,褥瘡の有無にかかわらず,予防は必要なことである。また,高齢者では加齢変化による皮膚のたるみが生じ,そのために創が大きく移動し,自由に変形する。その動きは,薬剤が創内に留まることを阻害して効かなくさせる。外用薬は創内に留まって初めて作用するため,薬剤滞留障害による影響は大きい。滞留を阻害されることは,ひいては創面と創面が擦れあうことで創の改善に不適切な状態を生む。

それを防止するためには創を安静にする必要があり,局所における創の固定が重要となる。

言うまでもなく,体圧分散マットレスの使用は必要であるが,発症予防や増悪させないための体位や姿勢保持を適正に行うことは同時に考えられなければならない。本人の希望による主義主張を優先することにより,難治化することがあっても無意味に悪化させることは適切なケアとは言えない。

超高齢社会となり,2040 年には大部分が在宅医療に移行すると予想されており,褥瘡・創傷の問題はより深刻な課題となっている。医師や看護師だけではチーム医療は成り立たない。薬剤師は薬剤師としての役割を現場で果たすべきである。薬剤師の考案したフルタ・メソッドが,病める褥瘡・創傷患者のために医療者が活用できるツールとして利用されることを切に願う。


医療法人小林記念病院 褥瘡ケアセンター長
古田 勝経

目次

1章 褥瘡の分類とDESIGN

一.フルタ・メソッドで褥瘡が治る理由

二.褥瘡の一般的な評価

2章 褥瘡の病態評価 八つの心得

一.フルタ・メソッドの病態評価を極める!

二.発症部位の見方を極める!

三.創と骨の位置関係の見方を極める!

四.創の形の見方を極める!

五.創縁の見方を極める!

六.残存組織の見方を極める!

七.肉芽の見方を極める!

八.皮膚の移動の見方を極める!

3章 外用薬の使い方 七つの心得

一.まずは己の武器を知るべし―外用薬の基本

二.基剤の3 機能を極める!

三.壊死組織とは、こう闘う

四.滲出液・感染とは、こう闘う

五.肉芽形成は、こう進める

六.創の縮小・閉鎖は、こう進める

七.ポケットとは、こう闘う

4章 フィジカルアセスメントと創の保護・固定 三つの心得

一.皮膚のたるみと創の移動・変形を理解する

二.フィジカルアセスメントを極める!

三.創の保護・固定を極める!

5章 フルタ・メソッドの“勝例”70

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書籍情報

  • ISBN:9784840755337
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2023年11月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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