医学のあゆみ288巻5号 膠原病のすべて

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年1月31日
¥2,970(税込)
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内容

・膠原病は,近年,SLE を中心として免疫抑制剤や分子標的薬が開発され,臨床研究のエビデンスを基にした診療ガイドラインの整備が進み,基礎免疫学,臨床免疫学および遺伝免疫学研究による病態の理解の進展がある.
・膠原病の主要な治療薬であるグルココルチコイドが,副作用による臓器障害などを介して予後に悪い影響を与えることが明らかとなり,いかにグルココルチコイドの使用を最低限にするかが,大きなテーマとなっている.
・現在,ゲノム解析やシングルセル解析によりヒト免疫系自体が急速に解明されている.本特集では,膠原病の病態の最新の理解とそれを踏まえた診断と治療について,各分野のエキスパートが最新知見を紹介している.

序文

はじめに

膠原病(collagen disease)は,1942 年にアメリカの病理学者であるKlemperer らによって命名された疾患群である.特徴的な所見である膠原線維の変化を,フィブリノイド変化という言葉で表現し,その変化が全身系統的にみられる疾患として,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),汎発性強皮症,リウマチ熱,慢性関節リウマチ,結節性多発性動脈炎,皮膚筋炎の6 疾患をあげて膠原病と命名した.その後,細胞ではなく基質の疾患であることを強調するために結合組織疾患(connective tissue disease)という名称が作られ,主に海外で使われている.現在では上記6 疾患に加えて,シェーグレン症候群,混合性結合組織病,抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmicantibody:ANCA)血管炎,成人スティル病などが膠原病の範疇に含まれることが多い.

膠原病は,かつては難治性で予後不良であった.近年,SLE を中心として免疫抑制剤や分子標的薬が開発され,臨床研究のエビデンスを基にした診療ガイドラインの整備が進み,診療は大きく進歩しつつある.そのような進歩の基盤として,基礎免疫学,臨床免疫学および遺伝免疫学研究による病態の理解の進展がある.また,臨床研究から主要な治療薬であるグルココルチコイドが,副作用による臓器障害などを介して予後に悪い影響を与えることが明らかとなり,いかにグルココルチコイドの使用を最低限にするかが,大きなテーマとなっている.現在,ゲノム解析やシングルセル解析によりヒト免疫系自体が急速に解明されている.それらの知見が近い将来に最適な薬剤の種類と量の選択に有用な情報となり,臨床に還元されることが期待される.

本特集では膠原病の病態の最新の理解と,それを踏まえた診断と治療について,各分野のエキスパートにご解説いただいた.現在の膠原病診療のポイントが理解できる内容であり,諸先生方の診療と研究のお役に立てば幸いである.


藤尾圭志
Keishi FUJIO
東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学

目次

第1土曜特集 膠原病のすべて

はじめに

膠原病の概念と疫学―膠原病の概念の変遷と現在の疫学データ

膠原病の病態解明

適応免疫応答研究の最前線

ゲノムワイド関連解析による自己免疫疾患の遺伝素因の解明

自己免疫疾患におけるレアバリアント研究の最前線

免疫サブセット解析の最前線

免疫代謝研究の最前線

膠原病の治療の進歩

膠原病治療における免疫抑制薬の現状と展望

膠原病治療における分子標的療法の進歩

膠原病治療における新規治療法の開発

膠原病各疾患の診断と治療の進歩

関節リウマチ―診断と治療の進歩

ループス腎炎の診断とステロイド治療戦略のトピックス

全身性強皮症

特発性炎症性筋疾患

血管炎の革新的進展―診断と治療の最先端

シェーグレン症候群

IgG4関連疾患

ベーチェット病の自然史ならびに病態理解と治療の進歩

成人発症スティル病

自己炎症性疾患―注目される成人発症自己炎症性疾患

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書籍情報

  • ISBN:9784006028805
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年1月31日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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