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産婦人科の実際 2024年3月号 73巻3号 特集 帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み 【電子版】

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2024年3月
  • 電子版発売日 : 2024年3月14日
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商品情報

内容

臨床に役立つ知識や技術をわかりやすく丁寧に紹介する産婦人科医のための専門誌です。面白くてためになる,産婦人科の“実際”をお届けします。今回は帝王切開におけるネガティブ・インパクトについて深堀りします。妊産婦の高齢化や生殖補助医療による妊娠の増加に伴い,帝王切開分娩率も増加の一途をたどっています。今回の特集では,帝王切開がもたらす「負の側面」に向き合い,それらを克服する様々な取り組みに焦点を当てました。

序文

企画者のことば

近年,妊産婦の高齢化や,生殖補助医療による妊娠の増加に伴い,胎盤位置異常,癒着胎盤,妊娠高血圧症候群などのハイリスク妊娠を取り扱う機会が多くなっている。こうしたなかで,日本の帝王切開率は増加の一途をたどり,厚生労働省の調査では全分娩に占める割合は27.4%まで上昇している〔2020 年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況〕。

帝王切開術は母児の安全を担保する目的で広く実施されている医療技術であるが,複数のネガティブ・インパクトと関連する。帝王切開瘢痕症候群は続発性不妊症や子宮破裂のリスクとなり,帝王切開で頻度が高まる分娩後の子宮内異常血流やRPOC(retainedproducts of conception)は危機的な後期分娩後異常出血の原因となる。肥厚性瘢痕やケロイドは生涯のQOL に影響し,緊急帝王切開による心理的なトラウマはメンタルヘルス不調の原因となる。前置胎盤・癒着胎盤の帝王切開には,大量出血のために子宮摘出を余儀なくされ,妊孕性を喪失する潜在的リスクが存在する。様々な局面において帝王切開を選択せざるをえない現状において,こうした負の側面に目を向けることの重要性が高まっている。

そこで本特集では,帝王切開がもたらす様々なネガティブ・インパクトと,それを回避するための実践的なアプローチについて,エキスパートの先生方に解説していただいた。日常診療で行っている帝王切開術を見直し,プレコンセプションケアから生涯のQOL まで配慮した,さらに質の高い周産期診療の実践に向けてお役立ていただけると幸甚である。


桑原慶充

目次

特集:帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み

I.帝王切開のネガティブ・インパクトの克服

1 帝王切開瘢痕症候群  辻 俊一郎ほか

2 肥厚性瘢痕,ケロイド  土佐眞美子ほか

3 子宮内異常血流(子宮動静脈奇形・子宮動脈仮性動脈瘤)  和田善光ほか

4 RPOC の診断と管理 柴田英治

II.ネガティブ・インパクトの回避に向けた取り組み

1 癒着胎盤に対するターニケット・テクニックとTURIP 法  二井理文ほか

2 前置血管・前置胎盤に対する術式の工夫  栗原 康

3 有棘糸を用いた子宮筋層縫合法  牧 尉太

4 皮膚切開と縫合方法,創部の術後管理  小松宏彰

5 帝 王切開とメンタルケア

 ― すべてのカップルに対する帝王切開分娩の情報提供―  横手直美

シリーズで学ぶ最新知識

思春期の女性を癒す漢方(最終回)

 第6 回 女神は受験生に微笑む―学校行事への漢方薬の応用―  池野一秀

今日の話題

ヒト胚の着床後経過とミトコンドリアDNA の関係性  伊集院昌郁ほか

総説

原因不明不妊の治療―各種ガイドラインの比較から―  千石一雄

診療

子宮摘出を伴う子宮内膜症手術を再考する 小堀宏之ほか

臨床経験

広 汎子宮頸部摘出術における術中迅速病理診断の診断精度の検討―当院での327 例の経験―  松田理沙ほか

症例

卵管間膜上に発生した異所性成熟囊胞性奇形腫の茎捻転に対し腹腔鏡下手術を行った1 例  鈴木裕紀子ほか

海外文献から  大分大学医学部産科婦人科学講座

妊娠中の睡眠の健康と,子のADHD 症状および関連する表現型のリスク:ECHO コホートによる発生時期と性差についての前向き分析

糖尿病合併妊娠または妊娠糖尿病に対する妊娠初期のメトホルミンとインスリンの併用療法:MOMPOD 無作為臨床試験

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書籍情報

  • ISBN:9784003107303
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2024年3月
  • 電子版発売日:2024年3月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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