実践!吃逆診療ガイド

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2024年3月
  • 電子版発売日 : 2024年3月16日
¥9,350(税込)
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商品情報

内容

吃逆診療(発生機序・診察・検査・診断・治療)を解説する国内初の医学書。しゃっくりは医学用語で吃逆(きつぎゃく)というが、「吃逆はなぜ起こるのか?」「それは運動なのか、反射なのか?」「症状なのか、疾患なのか?」、医学教育でもこうした指導はなされず吃逆に苦しむ患者の治療は十分でなかった。本書には難治性吃逆の診療の「解」がある。

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序文

はじめに


本書は,私が臨床医として吃逆に向かい合ってきた30年余りの経験と知見をまとめたものである.

早いもので,茨城県の土浦協同病院で吃逆の外来診療を開始して25年,難治性吃逆の専門外来を開設して20年が経過した.その後,診療場所は岡崎東病院,友愛記念病院と変遷したが,これまで何とか続けてきた.今後も永遠に外来診療を続けることができればよいのだが,私にも勤務医として「定年」という言葉が眼前にちらつくようになり,いつかは専門外来をクローズする時が来ることを感じるようになった.その時期は別として,診療を終えなければならない時が来ることは間違いないので,診療を続けていられる間に難治性吃逆の診療を行ううえでのポイントやコツのようなものを全国の医家向けに紹介しておくことが必要と考えるようになった.患者向けのアドバイスを載せた書物も出しておくべきだと感じているが,医家向けの書籍の優先度が高いと判断した.

週1回の外来診療を長年続けてきて,難治性吃逆には数種類のパターンのようなものがあることに気がついた.そのパターンごとの共通点を集約し,患者を診察するうえでのベーシックスタンスを紹介できれば,全国の臨床現場で吃逆の診療をされる医師の先生方の「吃逆はわからない」「なかなかよくならない」「なのに患者さんは諦めてくれないのでストレスフル」という認識に対して,多少なりともポジティブな変化を起こすことができるのではないか,その想いが本書の刊行の動機となっている.

医学の世界では新しい知見は論文の形で報告し発表するのがスタンダードであり,「エビデンス」として通用するのも論文のスタイルになった内容と考えるが,私はこれまであまり多くの論文を書いてこなかった.この点は臨床医として,また研究者として,忸怩たる思いを持っている.

一方で,論文を探して熟読するにはあまりに多忙で,時間的,体力的余裕が少ないことは本書を手に取られる多くの臨床医が感じておられることと思う.だが,国内外でも書籍の形では吃逆診療に関するスタンダードの本がない.世界に向けて発信するのも大切な仕事と思うが,まずは日本の臨床医に吃逆診療のコツを紹介したかった.執筆上の問題としても,吃逆外来のデータを論文にすると,論文の記述形式では実際の診療にそのままで使えるコツのようなものを伝えるのが難しく,それらを伝えるには書籍の形が最善と考えた.

本書では,吃逆の発生メカニズム等の基礎的見解,診療上の臨床データをまとめて臨床医の目線で役に立つ情報として発信することを心がけた.

現時点における吃逆に関する最新のエビデンスに基づいて解説しており,より実践的なガイドブックになっていると考える.

本書を通じて,全国各地の臨床現場で診療されている臨床医に吃逆診療のノウハウを受け継いでもらえれば,この先も難治性吃逆で苦しむ患者,その診療現場で悩むドクターが1人でも救われることになると信じている.

私の吃逆診療に大きな転換をもたらした基礎研究をご指導くださった東邦大学名誉教授有田秀穂先生,研究のため週1日同大学統合生理学教室に通うことをお許しくださった元筑波大学麻酔科学教授豊岡秀訓先生(故人)の両先生がいらっしゃらなければ,私が吃逆の基礎研究を深めることはできなかったし,吃逆外来をここまで続けてこられることもなかった.大きな御恩を感じている.

診療場所の確保のためにご尽力いただいた岡崎東病院の鈴木正博院長と柵木則男先生,週1回の吃逆外来を継続しながらも麻酔科医として常勤勤務することを快く認めてくださった友愛記念病院院長の加藤奨一先生のおかげで,今日まで診療を継続できたことは私だけでなく,吃逆に苦しむ患者にとって大きな恩恵であった。ご厚意に大変感謝している.

そして,吃逆外来で積み重ねてきた経験を元に本書を出版することを決意し相談した時,丸善出版をご紹介くださった筑波大学麻酔科学名誉教授内藤裕史先生の後押しがあったからこそ,本書を世に出すことができた.

深く感謝申し上げる.

本書執筆の最初から最後まで全ての段階で暖かく見守りつつ叱咤激励してくれた丸善出版企画・編集部の程田靖弘様のおかげで出版未経験の私が何とか出版にこぎ着けることができた.この場を借りて御礼を申し上げる.

本書が吃逆診療の道標として少しでも世の中の役に立てれば著者として大きな喜びである.


2024年1月吉日

著者 近藤司

目次

序章 吃逆との出会い

第1部 吃逆とは?

1章 吃逆の定義と生理学的メカニズム

2章 吃逆反射は何のために存在するのか

3章 吃逆臨床の状況と問題点

4章 吃逆の原因疾患

第2部 吃逆の診断学

5章 病歴聴取と診察のコツ

6章 原因検索のための検査

7章 原因の鑑別診断(吃逆が起こす症状の見極め)

第3部 吃逆の治療

8章 難治性吃逆の治療(原因疾患への対処)

9章 薬剤との関連(薬剤誘発性吃逆)

10章 入院患者の吃逆

11章 生活習慣との関連

12章 患者指導の問題

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書籍情報

  • ISBN:9784621309162
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2024年3月
  • 電子版発売日:2024年3月16日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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