神経内科Clinical Questions & Pearls パーキンソン病

  • ページ数 : 336頁
  • 書籍発行日 : 2019年1月
  • 電子版発売日 : 2019年2月20日
6,380
(税込)
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商品情報

内容

神経内科の臨床での疑問・課題にエビデンスも踏まえた明解な回答をエキスパートが提示する人気シリーズの第8弾、「パーキンソン病」が初登場!

神経内科のエキスパートをめざす医師に贈る新シリーズのパーキンソン病編。診療のエッセンスをエビデンスも交えてコンパクトに凝縮し,Q&A形式で読みやすく解説しました.各Q&Aの最後にはエキスパートの診療のエッセンスを学べるコラム「pearls」を掲載.基礎から応用まで,パーキンソン病の診療に関するあらゆる「困った!」に第一人者がお答えします。

神経内科Clinical Questions & Pearlsシリーズ

序文

本書『神経内科Clinical Questions & Pearls パーキンソン病』が上梓した.本書は,実際の診療のなかで遭遇する疑問,課題をclinical questionsとして,「Ⅰ.診療総論」「Ⅱ.診断,鑑別」「Ⅲ.治療」「Ⅳ.その他」の項目に分け,それぞれ58の質問を取り上げ,各々についてエビデンスも踏まえて解説する新しいタイプの指南書である.執筆者には比較的若く第一線で活躍の神経内科医の先生にお願いした.Pearlsは,真珠を意味するが,隠れた意味には「健康・無垢・長寿・富・純潔・円満・完成」がある.まさしく現場の質問に答えることで上記に示した意味合いを示すことにあると思っている.さしずめ本書は,パーキンソン病の健康を目指す指南書と考えている.

ここでパーキンソン病の歴史に触れたい.パーキンソン病の最初の記載は,1500年代に偉大なるレオナルド・ダ・ヴィンチによる.彼は,震顫があっても疲労を訴えない患者を見出している.レオナルド・ダ・ヴィンチは,神の存在を否定して,新しい科学主義時代を生み出したと言われている.おそらく人体解剖を通じて,パーキンソン病のコアになる症状を記載していると推定される.1700年代には,有名なイギリスの外科医であるジョン・ハンターにより更に細かい記載がされている.ハンターは,やはり震顫に関して詳細な観察を記載している.覚醒時は,震顫を認めるが,睡眠時には消失することを述べている.その講義が1776年ロンドンで行われた.ジェームズ・パーキンソンは1755年の生まれであり,出身がロンドン近郊のホクストン出身であり,当時若干21歳の彼が,ハンターのロンドンの講義を聴いた可能性はある.その知識をもとに詳細な記載をした「震顫麻痺」を発表したと推測されている.その後,本疾患はシャルコーによりパーキンソン病と名付けられた.神経病理では,ドイツ人学者レヴィによるレヴィ小体の発見・観察などにより大きく発展する.このような背景のもとtranslationalresearchによるパイオニア的な仕事であるL‒ドパの発見と治療薬としての導入がなされ,この発見により劇的に生命予後は改善された.L‒ドパの導入そしてその後,運動合併症状を抑制するためにドパミン作動薬などが開発された.ここまで多くの薬が開発され,その進歩に関しては,枚挙に遑がない.昨年にはiPS細胞を使った移植療法の1例目が登録された.2年間の観察期間を得て安全性が確認されるものと思われる.更には新薬の開発が進められており,治療薬の開発は加速されている感もある.抗体療法など医薬バイオを使った治療開発も進められており,疾患修飾療法も始まろうとしている.本書が,パーキンソン病の診断・鑑別,そしてトータルマネージメントに役立つことを願いたい.


2019年1月吉日

順天堂大学脳神経内科教授
服部 信孝

目次

I パーキンソン病診療総論

1 パーキンソン病の歴史について教えてください

2 ‌パーキンソン病の診断基準と臨床症状を教えてください.運動症状以外にも重要な症状はありますか?

3 ‌パーキンソン病の疫学について教えてください.日本と海外で差がありますか?

4 ‌遺伝性パーキンソン病について特徴的な臨床症状を教えてください

5 ‌パーキンソン病の病態生理について教えてください

6 パーキンソン病の病理について教えてください

7 ‌パーキンソン病の一般的な経過について教えてください.それぞれの時期にどのような症状が出てきますか?

8 ‌レヴィ小体型認知症と認知症を伴うパーキンソン病は違いますか?

9 ‌プリオン仮説とはどのような仮説ですか?Braak仮説と関係がありますか?

10 ‌レヴィ小体ができるメカニズムはわかっていますか?また,病気に影響するのでしょうか?

11 ‌パーキンソン病で利用できる社会保障制度について教えてください

case approach 50代発症の典型的なパーキンソン病

II パーキンソン病の診断,鑑別

1 ‌運動症状以外にどのような点に注意して診察をすればよいでしょうか?

2 診断に役立つバイオマーカーはありますか?

3 ‌パーキンソン病の診断のための画像検査には何がありますか?

4 MIBG心筋シンチに関して教えてください

5 ‌DATシンチで異常がありません.パーキンソン病でもそのようなことがあるのでしょうか?

6 ‌パーキンソン病の軽度認知機能障害はどのようにして診断すればよいですか?

7 ‌診断に有用とされるMRIのメラニンイメージングや拡散テンソルとはどのような検査ですか?

8 ‌パーキンソニズムを呈する内科的疾患について,その鑑別方法も教えてください

9 ‌進行性核上性麻痺のタイプを具体的に教えてください.パーキンソン病との鑑別方法を教えてください

10 ‌多系統萎縮症のタイプを具体的に教えてください.パーキンソン病との鑑別方法を教えてください

11 ‌大脳皮質基底核症候群の診断方法などを教えてください.パーキンソン病との鑑別方法を教えてください

case approach 剖検が有用であったパーキンソン病

III パーキンソン病の治療

1 ‌いつから治療を開始すればよいのでしょうか?

2 最初にどの薬から治療を開始すればよいでしょうか?

3 ‌ドパミンアゴニストはどのように使い分けたらよいのでしょうか?

4 ‌抗コリン薬を使用する際の注意点を教えてください

5 L--ドパはどのぐらいまで増量してよいのでしょうか?

6 ‌初期からリハビリテーションを行った方がよいのでしょうか?

7 ‌ドパミンアゴニストを使用する際の注意点を教えてください

8 ‌L‒ドパ,ドパミンアゴニスト以外の薬の使い方を教えてください

9 ‌ウェアリングオフ症状があります.まずどの薬剤を使用するべきでしょうか?

10 ‌Peak‒dose dyskinesiaがあります.どのように治療をしたらよいでしょうか?

11 ‌Diphasic dyskinesiaの病態生理は?治療はどうしたらよいでしょうか?

12 腰曲がりに対する治療について教えてください

13 流涎に対する治療について教えてください

14 ‌便秘に対する治療について教えてください

15 ‌睡眠障害や日中の眠気はどのように治療すればよいですか?

16 ‌ICD・DDSが生じてしまった場合の治療は?予防方法はありますか?

17 認知症があります.どの薬を使えばよいですか?

18 ‌脳深部刺激療法とはどのような治療ですか?適応は?適切な導入時期は?

19 ‌脳深部刺激療法後の刺激調整方法を教えてください

20 易転倒性に対する治療方法はありますか?

21 すくみ足はどのように治療したらよいでしょうか?抗パーキンソン病薬で増悪するすくみ足もありますか?

22 ‌No on,Delayed onの治療はどうすればよいのでしょうか?

23 ‌ジストニアに対してはどのように治療をしたらよいですか?

24 嚥下障害に対する治療はどのようなものがありますか?

25 リハビリテーションは運動症状の改善に有効でしょうか?

26 幻覚,妄想があるのですが,治療はどうしたらよいでしょうか?

27 うつ症状に対してどのような治療をすればよいでしょうか?

28 起立性低血圧がありますが,どのように治療したらよいでしょうか?

29 磁気刺激治療や電気痙攣治療とはどのような治療でしょうか?

30 今後登場する新しい治療法はどのようなものがありますか?

31 サプリメントなどは治療効果がありますか?

case approach 激しい運動合併症を有するパーキンソン病

IV パーキンソン病 その他

1 iPS治療の今後の見通しはどうなっていますか?

2 遺伝子治療の今後の見通しについて教えてください

3 頻尿に困っています.どのように治療計画を立てるとよいでしょうか?

4 ‌在宅でフォローしている患者さんはどのような点に注意すればよいでしょうか?

5 ‌地方で地域医療連携を利用して患者さんをフォローする際,どのような点が重要でしょうか?


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書籍情報

  • ISBN:9784498328044
  • ページ数:336頁
  • 書籍発行日:2019年1月
  • 電子版発売日:2019年2月20日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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