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- 【高齢者のための】シリーズ 高齢者のための糖尿病診療
商品情報
内容
序文
はじめに
本書,『高齢者のための糖尿病診療』は既刊の『高齢者のための』シリーズ同様,高齢者の一般性と特殊性に着目しています.高齢者であろうと,そうでなかろうと,一般化できるものは一般化できます.そういうところでは「高齢者だから」という一種の言い訳で診療を変じる根拠はありません.
他方,高齢者特有の問題ももちろん存在します.特に糖尿病は射程の長い疾患です.糖尿病診療の目指すものは,今日の血糖値をどうこうすることではありません(それは,「手段」ではありますが「目的」ではありません).
今の治療が未来にもたらすであろうアウトカムをもたらさんとする診療です.もちろん,高齢者にも射程も未来もありますが,それは例えば,小児や青少年や壮年期のそれとは異なるのが当然です.ここで糖尿病診療が高齢者において特殊な視点を必要とするのです.
最重要なのは,そこで,「何が一般化可能で,何を特殊化するか」という視点です.本書がこれを明示化し,読者が妥当性の高い糖尿病診療を高齢患者に提供することを,心から祈りつつ序文といたします.
2019年1月
岩田 健太郎
目次
第1部 総 論
1章 高齢者では,なぜ糖尿病が多いのか...?
1.糖尿病は「国民病+高齢者」に多い疾患である
2.高齢者糖尿病の特徴(3つの掟)を踏まえる
3.低血糖リスクのある薬はできるだけ使用しない
2章 高齢化にともなう合併症
1.「老いは誰でも避けられない!」の理屈を知る
2.足腰と口は生きる手段! そのケアを欠かさずに
3.認知症,うつ病はセルフケア能力を奪う,早期発見が肝心!
4.サポーターの存在が「鍵」,フレイル対策!
3章 糖尿病にともなう合併症
1.糖尿病合併症は見逃さない!
2.網膜症,腎症,神経障害ではなく,「眼の病気」「腎の病気」「神経の病気」と捉えて対応する
3.患者の足にも注目,変化を見逃すな!
4.感染症の重症化を防ぎ,癌も見逃さないようにしよう!
4章 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標
1.推定余命10年以内の高齢者でも,急性感染症やHHSを考慮し,HbA1cは10%以下には抑えたい
2.「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」に沿って,個別にコントロール目標を設定
3.重症低血糖リスクがある薬剤(インスリン,SU薬,グリニド薬)使用時は,目標値の下限を下回らないように注意!
第2部 各 論
5章 高齢者糖尿病の外来診療
1.初診では「意識障害」「自覚症状なし」「既往歴あり」に気をつける
2.高齢者糖尿病においても,再診時の対応の優劣が治療成績を決定する
6章 高齢者糖尿病の病棟診療
1.入院後,早期にCGAを行い,患者ごとの糖尿病治療と退院支援を
2.薬物療法では低血糖を起こさないことが最優先
3.介護者による内服を考慮し,なるべく1日1回内服や1週間に1回内服を
4.インスリンを導入する場合は,血糖管理が安定したら「2回打ち」「1回打ち」とステップダウンする
5.シックデイ時の血糖値のみに応じた「単純なスライディング・スケール法」は,血糖管理をかえって不安定にする
7章 周術期の管理と注意点
1.術前に「栄養状態」「脱水」「電解質」を評価し、改善や補正を行う
2.術前の合併症の評価では,虚血性心疾患・腎機能・呼吸機能の評価が重要
3.軽症の糖尿病患者でも高齢者の場合,術後に脱水と感染を併発すると,HHSの恐れあり
4.特に大手術後でIVHを行う症例では,要注意!
5.術後,栄養障害患者(BMI18未満)では,急激に栄養を補給すると,refeeding syndromeの恐れあり
8章 高齢者糖尿病の薬物療法
1.高齢者では「低血糖」と「腎機能低下」が薬剤選択のキモ
2.高齢者では,SU薬はなるべく使用しない!
3.75歳(原則)までは,禁忌でなければ「メトホルミン」
4.76歳以上and/or腎不全の場合は,胆汁排泄型のDPP-4阻害薬
5.インスリンが必要な場合は,持効型インスリン(1回注射)と内服薬を併用
6.GLP-1受容体作動薬,特にデュラグルチドは週1回の注射でよい(低血糖リスクもなく,高齢者でも「OK」な薬剤)
9章 高齢者糖尿病の生活療法
1.高齢者糖尿病の食事療法の目標は,減量にあらず,身体活動の維持を前提とすべし
2.とにかく用事をみつけて体を使うこと,高齢者糖尿病の運動療法
3.生きがいをもってアクティブライフへ,社会参加を促そう!
10章 高齢者糖尿病と感染症対策
1.「易感染性」の一言で思考停止に陥らない
2.感染症は診断が大事
3.高齢者に「急性発症」が起きた場合,感染症を考える
4.菌を治療しない.病気を治療する
5.抗菌薬の薬理学的属性を理解する
6.基本的な予防策を
11章 高齢者糖尿病と癌
1.日本人糖尿病の死因1位の悪性新生物,2位の感染症に,高齢者では注意する
2.2型糖尿病で,全癌,特に大腸癌,肝臓癌,膵臓癌のリスクが増加
3.糖尿病治療薬の癌発症リスクは,ピオグリタゾン以外にはエビデンスなし
4.糖尿病患者の癌治療では,がん専門病院よりも,糖尿病専門医もいる総合病院に紹介したほうがよい
12章 高齢者糖尿病のポリファーマシー問題と薬剤管理
1.高齢者糖尿病への薬物処方は慎重に! ――5つのポイントを踏まえる
2.ポリファーマシーを解消しよう! ――背景にある問題点を探る
3.認知症患者の服薬管理五箇条で有害事象を回避する
4.院内スタッフ(CDEなど)の力を借りよう!
13章 高齢者糖尿病と認知症
1.糖尿病患者の認知症発症リスクは2〜4倍
2.糖尿病をともなう場合,遂行機能が障害されやすい
3.治る認知症を見逃さない
4.とにかく低血糖を起こさない
5.BPSDへの対応は「薬1.5割,ケア8.5割」
14章 高齢者糖尿病の在宅ケア
1.2025年問題で,在宅医療は重要なミッションを担う
2.在宅医療では厳重な血糖管理は不要! 生活の傾向(くせ)をみつけ,生きる意欲を奪わない工夫を
3.薬物療法のキモは「服薬アドヒアランス」「介護者の負担軽減」「有害事象回避」
4.地域包括ケアにおけるチーム・モニタリングが大切
第3部 座談会
15章 座談会(臨床編)
1.JDS は糖尿病薬使用に関する明確な指針を打ち出すべき
2.薬物療法+生活療法がよいアウトカムのコツ
3.「何が人を変えるのか...?」のまなざしを養う
4.昔はHbA1c 6.5%以下,今は「なるべく低血糖を起こさない」
5.私はこう考える.HbA1c 値の目安
16章 座談会(制度編)
1.非専門医に読まれるべき,ガイドラインを整備すべき
2.新薬は飛びつかず,2年寝かせろ
3.添付文書改訂の壁は,ポリファーマシーの遠因
4.CDE 等の人を育て,糖尿病関連加算も活用する
5.高齢者の「原則禁忌」には,例外あり
6.施設向け「初期治療ガイドライン」を活用ください
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書籍情報
- ISBN:9784621303672
- ページ数:0頁
- 書籍発行日:2019年2月
- 電子版発売日:2020年2月3日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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