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- 栄養科学イラストレイテッド 食品衛生学 改訂第2版
商品情報
内容
国試対策はもちろん食品衛生監視員・食品衛生管理者養成校の教科書としても役立つ1冊.
栄養士や管理栄養士をめざす方が,食品の人への危害防止(食品の安全と衛生)に関する知識として必要不可欠な食品衛生学の基礎を理解・習得するための教科書となる。
序文
本書は,栄養士や管理栄養士をめざす方が,食品の人への危害防止(食品の安全と衛生)に関する知識として必要不可欠な食品衛生学の基礎を理解・習得するための教科書として企画・発刊された.
食品衛生学は,関連法規から始まり食品成分の変質,食中毒や食品媒介感染症とそれらの原因物質,寄生虫,添加物,残留物質,遺伝子組換え,器具容器,放射性物質,衛生管理,食品表示など,その守備範囲は極めて広い.そのため,食品学,調理学,微生物学などの「食べ物と健康」等の学問領域との関連項目も多く,現場において即戦力として役立てることができる生きた学問である.本書では,その点を踏まえ,管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)を念頭に執筆を進めたものである.
さて,健康でより長寿でありたいという願いは誰しもがもっているが,近年,食をめぐる社会環境の変化は目覚ましく,わが国において今日ほど食生活に健康の要素を求める時代はなかったのではないかと考える.2015 年には食品表示法が施行され,栄養表示の義務化,食品の機能性表示が認められるなど,国民のニーズに応じた制度となった.さらに,2018 年には食品衛生法が大きく改正され,わが国の衛生管理の世界水準化を図るため,食中毒の発生傾向や食品製造・調理の面からみた営業許可の見直しも行われ,法に基づく営業許可対象および届出事業者に対してHACCP 導入等が義務づけられた.
わが国における食品媒介感染症の発生状況をみると,近年の患者数や発生件数は増加傾向にはない.一方,原因物質としてはノロウイルスやカンピロバクターによる発生件数および患者数における割合は多数を占めている.2018 年には発生件数としてはアニサキスによる発生件数が最も多くなり原因物質の構成は一部で大きく変わってきている.これらによる食中毒の発生を未然に防止するためには,一般的衛生管理を確実に実施することと,原材料の検収や加工調理の方法を見直し改善していくことが必要であり,あわせて将来に向けたわれわれの食生活を再考すべきところであろう.
食品衛生学はその時代背景や社会情勢などに機敏に対応しなければならない生きた学問である.そのため,本書の企画・編集にあたっては,初版同様,基本的な事項とともに専門性を重視し,HACCP導入や食品表示法,食品衛生法の改正などに関して最新の情報を取り入れて内容を一層充実させたものである.内容の充実にあたっては,専門分野を掌る第一線で活躍する研究者の方々に初版に引き続いて執筆いただいた.
本書については,管理栄養士国家試験を受験する学生だけではなく,食品衛生監視員,食品衛生管理者の任用資格取得を目指す方,さらには現場で働く現役職員の皆様にも活用していただければ幸いである.
最後に,本書の企画・編集・出版に際して,羊土社編集部の関家麻奈未氏,林理香氏をはじめスタッフの皆様には大変お世話になった.この場を借りて厚く御礼申し上げる.
2019年7月
執筆者代表
田﨑 達明
目次
序
第1章 食品衛生と法規
1 食品衛生の概要
A 食品に起因する危害
B 食品衛生の定義
C 国際社会とのかかわり
2 わが国の法規
A 法規の成り立ち
B 食と法規
3 食品の安全性の確保
A 安全性確保のための行政方針
B リスク分析(リスクアナリシス)
4 食品安全基本法と食品衛生法
A 食品安全基本法
B 食品衛生法
5 食品衛生に直接関連する法規
A 食品表示法
B 健康増進法
6 食品衛生に間接的に関連する法規
A 医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律
B と畜場法
C 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律
D 地域保健法
7 日本の食品衛生行政組織
A 食品安全委員会の構成と役割
B 厚生労働省等
C 地方自治体
D 食品衛生監視員などの人的制度
8 食品衛生にかかわる国際的組織およびその委員会
A 世界保健機構(WHO)
B 国際食糧農業機関(FAO)
C Codex委員会(CAC)
D その他の会議・委員会等
E 食品等にかかわるその他の国際機関
[食品衛生Case Study]食品と添加物,およびそれらを規定する法律
第2章 食品の変質
1 食品の変質とは
A 変質の定義
B 腐敗,発酵,酸化,酸敗,変敗
2 微生物による変質
A 変質にかかわる微生物
B 微生物による成分変化
3 鮮度,腐敗度の判定法
A 官能検査
B 生菌数
C 揮発性塩基窒素(VBN)
D K値(K value)
4 化学的変質
A 自己融解・自己消化
B 酵素的褐変
C 非酵素的褐変
D 油脂の酸敗
5 酸敗の判定法
A 酸価(AV)
B 過酸化物価(POV)
C 判定法の利用
6 食品成分の変化により生じる有害物質
A トランス型不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)
B アクリルアミド
C カルバミン酸エチル
D グリシドール脂肪酸エステル
E クロロプロパノール類
F 多環芳香族炭化水素
G 複素環アミン
7 食品の変質防止法
A 微生物による変質の防止
B 化学・物理的反応による変質防止
[食品衛生Case Study]ポテトチップスからクレヨン臭
第3章 食中毒
1 食中毒とは
A 食中毒の定義
B 細菌性食中毒
C ウイルス性食中毒
D 寄生虫
E 化学物質
F 自然毒
G 食中毒予防の三原則
2 食中毒の発生状況
A 年次別食中毒発生状況
B 月別食中毒発生状況
C 病因物質別食中毒発生状況
D 病因物質別1事件当たりの患者数
E 原因施設別食中毒発生状況
F 原因食品別食中毒事件数
3 細菌性感染型食中毒
A サルモネラ属菌
B 腸炎ビブリオ
C 病原大腸菌
D ウェルシュ菌
E エルシニア
F セレウス菌(下痢型)
G カンピロバクター
H ナグビブリオ,病原ビブリオ,エロモナス,プレジオモナス
I 三類感染症起因菌(コレラ菌,赤痢菌,チフス菌,パラチフスA菌)
J リステリア・モノサイトゲネス
4 細菌性毒素型食中毒
A ブドウ球菌
B ボツリヌス菌
C セレウス菌(嘔吐型)
5 ウイルス性食中毒
A ノロウイルス
B サポウイルス
C ロタウイルス
D A型肝炎ウイルス
E E型肝炎ウイルス
6 人獣共通感染症
A 概要
B 牛海綿状脳症(BSE)
7 食品と寄生虫疾患
8 魚介類から感染する寄生虫
A アニサキス
B クドア属粘液胞子虫
C 顎口虫
D 旋尾線虫
E 肺吸虫
F 肝吸虫
G 裂頭条虫
9 肉類から感染する寄生虫
A トキソプラズマ
B サルコシスティス・フェアリー
C 犬回虫
D トリヒナ(旋毛虫)
E アジア条虫
F 無鉤条虫
G 有鉤条虫
H マンソン孤虫
10 野菜・水から感染する寄生虫
A ジアルジア
B クリプトスポリジウム
C サイクロスポーラ症
D ヒト回虫症
E 鞭虫症
F 鉤虫症
G 肝蛭
H エキノコックス症
11 化学物質による食中毒
A ヒスタミン
B 有害元素(水銀,カドミウム,ヒ素,PCB,銅,スズ)
C 農薬
12 動物性自然毒
A フグ毒
B シガテラ毒
C 麻痺性貝毒
D 下痢性貝毒
E その他の動物性自然毒
13 植物・真菌性自然毒
A キノコ毒
B アルカロイド配糖体
C 青酸配糖体
D アルカロイド含有植物
E プロスタグランジンE2
14 食中毒の原因調査および統計的手法
A 食中毒の原因調査
B 統計的手法
[食品衛生Case Study]浅漬けによる腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒からの教訓
第4章 食品中の汚染物質
1 カビ毒(マイコトキシン)
A カビ毒とは
B カビ毒の種類と汚染食品
2 化学物質
A 残留性有機汚染物質(POPs)
B 内分泌かく乱物質
3 有害元素
A ヒ素(As)
B カドミウム(Cd)
C 水銀(Hg)
D 鉛(Pb)
E スズ(Sn)
4 放射性物質
A 放射線の種類と単位
B 放射線の人体への影響
C 放射性物質による食品汚染
D 食品の放射能測定
5 異物混入
A 異物混入の概要
B 動物性異物
C 植物性異物
D 鉱物性異物
E フードディフェンス
[食品衛生Case Study]有害化学物質と食生活
第5章 食品添加物および残留農薬等
1 食品添加物とは
A 食品添加物の概念と定義
B 食品添加物の指定基準
C 成分規格と使用基準
2 食品添加物の安全性評価
A 安全性の考え方と評価の方法
B 食品添加物の1日摂取量調査
3 食品衛生法による食品添加物の分類
A 分類
B 種類と用途
C 防かび剤の分類
D 使用を許可されていない食品添加物
4 農薬,動物用医薬品の種類と用途
A 農薬の種類と用途
B 動物用医薬品の種類と用途
C 飼料添加物の種類と用途
5 ポジティブリスト制度
6 器具および容器包装について
A 概要と定義
B 素材の特徴,用途および規格
C 廃棄とリサイクル
D 食品の包装技術
7 遺伝子組換え食品
A 遺伝子組換え食品とは
B 遺伝子組換え食品および添加物の安全性
[食品衛生Case Study]酸性飲料による金属容器の成分溶出に伴う中毒
第6章 食品衛生管理
1 食品衛生管理の重要性
2 食品工場等における一般的衛生管理とHACCP
A 一般的衛生管理の概要
B HACCPシステムの概要
C 適正農業規範,適正製造規範とHACCPとのかかわり
D GHPとHACCPとのかかわり
3 Codex委員会が定める食品衛生の一般原則の規範
A SectionⅠ:目的
B SectionⅡ:範囲,使用および定義
C SectionⅢ:一次生産
D SectionⅣ:施設:設計および設備
E SectionⅤ:操作の管理
F SectionⅥ:施設:保守およびサニテーション
G SectionⅦ:施設:従事者の衛生
H SectionⅧ:輸送
I SectionⅨ:製品の情報および消費者の認識
J SectionⅩ:教育・訓練
4 管理運営基準
A 管理運営基準の概要
B 管理運営基準の改正
5 HACCP7原則の適用と実施
A 対象とするハザード
B HACCP 7原則適用の準備段階
C HACCP7原則
6 集団給食施設等における衛生管理
A 対象
B 調理過程における重要管理事項
7 国際標準化機構(ISO)
A ISO
B ISO9000シリーズ
C ISO22000
8 日本におけるHACCPの普及推進
[食品衛生Case Study]食品製造・加工における食中毒事件発生例
第7章 食品表示制度
1 食品表示法の概要
A 食品表示がもつ役割と機能
B 食品表示に関連する主な法律
C 食品表示法の制定
D 食品表示法の目的と基本理念
E 食品表示基準と遵守
F 不適正な表示に対する措置
G 消費者の権利と自立支援
H 罰則(第17〜23条)
2 衛生事項および品質事項に関する食品表示基準
A 食品表示基準の概要
B 食品表示の方法
C 主な食品表示項目の概要
3 保健事項に関する食品表示基準
A 栄養成分の量および熱量
B 栄養成分等の表示方法
4 保健機能食品(任意表示)
A 特定保健用食品(通称:トクホ)
B 栄養機能食品
C 機能性表示食品
[食品衛生Case Study]ビタミンAの過剰摂取による健康被害
付録 関連法規および基準
付録1:食品安全基本法(抜粋)
付録2:食品衛生法(抜粋)
付録3:食品表示法(抜粋)
付録4:食品の規格基準
付録5:食品添加物の規格基準
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書籍情報
- ISBN:9784758113595
- ページ数:272頁
- 書籍発行日:2019年8月
- 電子版発売日:2019年9月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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