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- 実験医学別冊 もっとよくわかる!感染症
商品情報
内容
基本データ・分子機構から症状・治療につながるストーリーのある解説でわかりやすい!さらに、感染から治癒までの流れをフローチャートで掲載しているので、初学者にも最適です。基礎と臨床をつなぐ珠玉の一冊をぜひお手元に!
≫ 「もっとよくわかる!」シリーズはこちら
序文
はじめに
ある夏のはじめに,編集者の山下志乃舞さんから,「感染症に関する専門書を執筆なさいませんか」という素敵なオファーをいただいた.話を伺ったところ,「もっとよくわかる!」シリーズの感染症編の執筆という大役であった.本シリーズでは河本 宏先生が「免疫学」をすでに執筆されており,その内容はわかりやすく,珠玉の名著である.当然のことながら,二つ返事で引き受ける内容の類ではないことは,鈍感な筆者でも理解できた.また,感染症関連の書籍はかなりの数が刊行されており,感染症に関連する最新情報もインターネットで絶えず配信されている.このような既存のライバルに打ち勝てるコンテンツを提供できるのだろうか,という不安が渦巻いた.しかし,散々悩みぬいたうえで,本書の執筆を引き受けることにした.
まず本書では,これまでの専門書が得意としてきた網羅性をバッサリ切り捨て,わが国の感染制御において特に重要と思われる感染症をピックアップすることにした.その一方で,多くの専門書が表層的に扱ってきた感染成立の機序について,詳しく解説するように心がけた.また,感染現象のカナメとなる病原因子にフォーカスを当てることで,病原性発揮の本質は何か,という点に帰結するようにした.ただし,筆者のマニアックな観点で感染症を拾いあげ,それらを解説しても自己満足で終わりかねない.そこで,本書で取り上げるべき感染症については,感染制御の指導的立場にある複数の先生方のご意見を参考にし,今のわが国の感染症を反映した内容になるよう念頭においた.
第1部では感染症法という堅苦しい内容についても解説している.感染症法を理解することで,わが国に脅威をもたらす感染症の実態を把握することができるからである.また,第2部では個々の病原体について,バイオセーフティーレベル(BSL)を明記し,その危険度を客観的に理解できるようにし,さらに感染症の解説では,基本的な路線(疫学,病原体の特徴,臨床症状,病原因子,治療・予防)をおさえつつ,ストーリー性を重視するようにした.一方,各病原体に共通する病原因子,また,宿主がもつ基本的な防御システムについては,第3部でまとめて解説するようにした.
本書では,病原体の感染現象を多角的かつ重層的に掘り下げていくことで,他の専門書では得られない感染症の再定義をおこなったつもりである.本書は,感染症を学ぶ学生や基礎の研究者,臨床医向けの入門書として想定しているが,病原体を常日ごろ扱う医療従事者の方々も対象にしている.感染症情報のアップデートに役立てていただければ幸いである.
本書の執筆にあたり,北里大学の桑江朝臣先生,高橋 孝先生,中山哲夫先生,森川裕子先生,慶応義塾大学の生方公子先生,国立感染症研究所の池辺忠義先生,小川道永先生,鈴木仁人先生, 妹尾充敏先生,新潟大学の松本壮吉先生,大阪大学の堀口安彦先生,東邦大学の石井良和先生,東京医科歯科大学の中川一路先生,東京大学の三室仁美先生,群馬大学の富田治芳先生には本当にお世話になりました.この場を借りて,心から感謝申し上げます.
最後に,本書の企画を立ち上げていただいた山下志乃舞さん,忍耐強く筆者の拙稿にお付き合いいただいた吉田雅博さんに,感謝いたします.
2014年 1月
阿部 章夫
目次
第1部 感染症の基礎
1章 感染症の歴史―人類の戦いとテクノロジーの進歩
2章 感染症が起こるしくみ―感染とは何だろう?
3章 感染症法―わが国が定める病原体の危険度
4章 病原体と宿主の攻防―生存戦略と感染戦略のせめぎ合い
第2部 わが国で危惧される感染症
Ⅰ.新興・再興感染症
1章 腸管出血性大腸菌感染症―悪名高いO157の正体を探る
2章 結核―今なお広がる古くて新しい感染症
3章 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)―わずかな変異がもたらす劇症化
4章 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)―マダニに要注意!!
5章 鳥インフルエンザ―パンデミックの恐怖
6章 後天性免疫不全症候群(エイズ)―かつては死にいたる病であったが...
Ⅱ.腸管感染症
7章 ディフィシル菌感染症―強毒化した菌がもたらしたアウトブレイク
8章 細菌性赤痢―炎症反応をめぐる宿主との攻防
9章 コレラ―今なお続く世界的流行
10章 感染性胃腸炎①ノロウイルス―パンデミックを引き起こすGⅡ.4亜株
11章 感染性胃腸炎②カンピロバクター―食肉汚染の代表格
Ⅲ.小児感染症
12章 百日咳―乳幼児から青年・成人層への感染拡大
13章 侵襲性髄膜炎①侵襲性インフルエンザ菌感染症―Hibの正体とワクチンによる制御
14章 侵襲性髄膜炎②侵襲性肺炎球菌感染症―あなたの体にも常在する起因菌
15章 侵襲性髄膜炎③侵襲性髄膜炎菌感染症―巧みな感染戦略と高い致死率
16章 RSウイルス感染症―生後まもない赤ちゃんは気をつけよう
17章 麻疹―予防接種をしっかり受けよう
18章 風疹―ワクチン政策と流行の関係
Ⅳ.薬剤耐性菌感染症
19章 薬剤耐性緑膿菌感染症―自然耐性と獲得耐性による多剤耐性化
20章 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症―薬剤耐性菌の代表格
第3部 感染と防御におけるストラテジー
1章 宿主の防御機構①ファゴリソソーム形成―食細胞のもつ殺菌排除システム
2章 宿主の防御機構②選択的オートファジー―細胞内寄生細菌に対する排除システム
3章 細菌の感染機構①病原性発揮のシグナル―環境変化の感知と遺伝子発現
4章 細菌の感染機構②分泌装置―細菌のもつ究極兵器
5章 細菌の感染機構③カルバペネム耐性―拡散する多剤耐性の恐怖
付録
1感染症研究に役立つWebサイト
2研究生活を快適にするライフハックとツール
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全文・
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書籍情報
- ISBN:9784758122023
- ページ数:277頁
- 書籍発行日:2014年3月
- 電子版発売日:2014年12月26日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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