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- 警備のプロが書いた 院内クレーム安全対応のキホン
商品情報
内容
「100のチェックリスト」で今の体制をまず採点!クレーム対応、対応後のサービス改善への活かし方、悪質クレームへの備え方や直面したときの対応法など、院内クレーム対応の基本を警備のプロが解説した一冊。
クレームを前向きに捉え、サービス改善に活かす術が満載です!
序文
はじめに
「待ち時間が長すぎるじゃないか!」
突然、大声でこのように怒鳴られたとしたら、どうでしょう?
つい「この人は、きっと悪質なクレーマーだ」と思ってしまいます。
しかし、これは正しい考え方ではありません。
今、「クレーマー」や「モンスターペイシェント」などという言葉が流行することによって困った現象が起こっています。クレームを正しく受け止められない人が増えているのです。
クレームには、経営課題として取り上げ、組織として改善に着手すべきものが多いはずです。それなのに、相手をクレーマーと決めつけて、さげすんでしまう―――こういう意識が、サービスの改善を妨げているのです。
二〇世紀のおわりごろから、「医療もサービス業である」という考え方が、徐々に世の中に浸透してきました。それと比例するように、患者さんからのクレームが増加しています。
申し上げるまでもなく、クレームの意味は「苦情」ではありません。クレームは「要求する」という意味の英語ですが、その語源は「叫ぶ」という意味のラテン語だそうです。叫ぶほどの気持ちで聞いてほしい要望こそが、クレームなのです。
クレームは、それまで問題に気づかなかった私たちに、患者さんが親切に教えてくれた貴重な情報です。私たちは、クレームを真摯に受け止め、サービス改善のきっかけとして活かさなければなりません。より良い病院づくりを目指して、総合的な対策を取ることが求められているのです。
一方で、近年、悪質なクレーマーたちの行動が社会問題となっていることも事実です。彼らは、不当な要求や嫌がらせを繰り返し、時には法律をも破り、職員に大きなストレスを与えます。
悪質クレームは、一般のクレームとは全く質の異なるものです。
本来、病院は、患者さんの病を癒し、心を癒す場所ですが、職員が悪質クレームの対応に苦しんでいるようでは、患者さんを癒すことなどできません。病院は組織を挙げて職員を守り、皆が安心して働ける環境づくりを行わなければならないのです。
本書では、病院におけるクレームならびに悪質クレームにスポットライトを当て、それぞれの対応について考えてみたいと思います。第1章では、クレームの対応法とその後のサービス改善への活かし方を説明します。第2章では、悪質クレームへの備え方と直面したときの対応法を解説します。第3章では、実際のクレーム事例を挙げて、対応について具体的に考察します。
私は、病院職員ではありません。私の会社は、大学病院を中心に全国一〇〇箇所以上の病院とお取り引きをいただき、警備業務や受付、看護助手業務などを実施しています。実際に当社の社員たちも、各病院で病院職員の方々と力を合わせてクレーム対応を行っています。本書は、その実績の中で培ったリスクマネジメントのノウハウをベースに記載したものです。
クレーム対策は、どちらかと言うと病院にとって後ろ向きの課題です。しかし、組織として真剣に取り組めば、サービスや接遇は確実に向上し、患者さんの満足度もどんどん高まります。職種間のチームワークも良くなります。職員は安心して働くことができるようになり、定着率も向上します。
結果として、少しずつクレームやトラブルが減少し、そこに大きなエネルギーを注がなくてもよい状態になります。こうして病院は、前向きな課題に取り組むことができるようになるのです。
クレーム対策は、病院経営に必ず好循環を生み出します。ぜひ部署単位でなく、組織を挙げて、積極的に取り組んでください。
本書を通じて、皆さまの病院におけるサービス向上のお役に立てるなら、筆者としてこのうえない喜びです。
二〇一三年九月
嶋田 有孝
目次
・はじめに
【第1章クレーム対応の基本】
<1>クレームの原因
<2>クレームの発生
・クレームとの向き合い方
・クレームはゴキブリ?
<3>感情への配慮
・問題解決と感情への配慮を切り離す
・感情への配慮のポイント
<4>クレーム内容の把握
・クレームの確認
・職種を超えて連携する
<5>対応方針の決定
・クレームへの対応
・毅然と対応するためのポイント
<6>個別案件の解決
<7>トップへの報告
<8>再発防止策の検討
・根本的解決を目指そう
・すべては病院の責任ととらえよう
<9>再発防止策の周知徹底
<10>再発防止策の実行管理
【第2章悪質クレームへの対応】
<1>悪質クレームの原因
・先生受難の時代
・モンスターペイシェントとは?
<2>悪質クレーム対応の原則
・悪質クレームは違法行為
・悪質クレーム対応の三原則
<3>悪質クレームへの備え
・悪質クレーム対策の基本
・弁護士をもっと活用しよう
・警察との連携を深めよう
・刑法知識を身につけよう
・設備などについて
・院内掲示物を工夫しよう
・環境を整えよう
・独自のマニュアルをつくろう
・コード・ホワイト
<4>悪質クレームの初期対応
・クレーマーのタイプ
・暴力・暴言への初期対応
・周囲の人の初期対応
・人数で相手を上回ろう
・要求への対応
・警察への通報判断
・器物損壊への対応
・対応終了の方法
<5>事件後のフォロー
・報告書の作成・回覧
・被害職員のフォロー
【第3章クレーム事例と対応】
<ケース1>外来待ち時間に対するクレーム
<ケース2>採血後の内出血についてのクレーム
<ケース3>入院環境に関するクレーム
<ケース4>医師の接遇に対するクレーム
<ケース5>清掃に関するクレーム
<ケース6>会計担当者の挨拶に対するクレーム
<ケース7>例外的対応とクレーム
<ケース8>救急外来における暴力
<ケース9>携帯電話を注意した際の暴言
<ケース10>家族による暴言
<ケース11>入院患者によるセクハラ
<ケース12>医療費の不払い
・引用・参考文献
●クレーマー対策100のチェックリスト
・おわりに
・索引
・著者紹介
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ダウンロード時に必要なメモリ:33.2MB以上
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書籍情報
- ISBN:9784840445702
- ページ数:184頁
- 書籍発行日:2013年10月
- 電子版発売日:2014年9月26日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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