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- 小児の酸塩基平衡Q&A―異常へのアプローチ
商品情報
内容
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序文
力バーする診療の守備範囲が多岐にわたっているのが小児科の特徴の一つである.小児科の多くのsubspecialtyの中の一つを自分の専門分野として診療している小児科医であっても,広い範囲にわたる小児科学の知識と技術をもっていなくては実際の診療はできない.例えば,麻疹の診断,急性脱水症の治療,気管内挿管などができなければ,自信をもって患者が多数集まる小児科外来を担当できないであろう.また,小児科が担当する子どもは新生児・乳児から思春期に至るまで年齢も多岐にわたっており,病気の種類,診察の仕方,子どもへの対応法も年齢群ごとにそれぞれ異なる.さらに,保育やこころの発達の問題など,小児科医がこれまで以上に取り組まなくてはならない現代的課題も生じている.
このようなダイナミックな小児科の様々な分野での知識と技術を読者に如何にわかりやすくお示しできるかを最重要課題として「小児科学レクチャー」を企画した.「小児科学レクチャー」では,小児科の臨床現場で是非とも必要とされるテーマを絞って,シリーズとして出版する.創刊号に『小児の酸塩基平衡』をテーマとして選んだ.子どもが病気になった時にしばしば陥る酸塩基平衡の異常を正しく診断し,それに適切に対処するための方法を質問形式で解説した.本書から実地診療に設立つ治療法の技を会得して戴けることを期待している.
「小児科学レクチャー」では読者として知識欲溢れる専門医を目指す研修医や専門医取得後5年目頃までの若手医師を想定した.さらに,知識を再確認し,整理する上で本書は経験の深い小児科医にも有用である.
今後,わが国では子どもの数が減少することが予想されている.しかしながら,子どものこころと体の健全な発育を支援するために小児科医の果たす担割はこれまで以上に重要である.「小児科学レクチャー」が子どもと家族の幸せのために日々努力する医師,看護師,薬剤師,保育士への貢献となることを祈念する.
東京大学大学院医学系研究科
小児医学講座 小児科
五十嵐 隆
目次
I.体液の恒常性
Q1.体液の恒常性―基礎と考え方
II.体液の調節
Q2.体液の調節―基礎と考え方
Q3.Holliday-Segar法など
Q4.不感蒸泄・代謝水
III.体液の酸塩基平衡維持
Q5.体液の酸塩基平衡維持―基礎と考え方
Q6.体液の緩衝系と赤血球内で起きるクロライドシフト
Q7.酸塩基平衡維持のための各臓器の役割
IV.酸塩基平衡異常の分類
Q8.酸塩基平衡異常の分類―基礎と考え方
Q9.代謝性・呼吸性アシドーシス
Q10.代謝性・呼吸性アルカローシス
V.薬剤による酸塩基平衡異常
Q11.代謝性・呼吸性アシドーシスをきたす薬剤
Q12.代謝性・呼吸性アルカローシスをきたす薬剤
VI.酸塩基平衡異常と電解質
Q13.代謝性アシドーシスでは高K+血症が起きやすく,代謝性アルカローシスでは低K+血症が起きやすい理由
VII.酸塩基平衡異常をきたす疾患
Q14.ウイルス性胃腸炎による脱水症
Q15.尿細管性アシドーシス
Q16.有機酸代謝異常症
Q17.糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
Q18.慢性腎不全
Q19.肥厚性幽門狭窄症
Q20.Bartter症候群/Gitelman症候群
Q21.感染症による呼吸不全
Q22.過換気症候群の病因・病態について
VIII.血液ガス検査値の読み方
Q23.体液H+濃度,アニオンギャップ(AG),ほか
Q24.〔ステップ1~5〕血液ガス検査結果の解釈のしかた
IX.治療
Q25.輸液製剤には乳酸・酢酸・重炭酸などのアルカリが含まれている理由
Q26.ミトコンドリア異常症の患児には,乳酸の入った輸液製剤を用いない理由
Q27.酸血症に対するメイロン○Rの投与法と投与基準
Q28.酸血症の治療に用いられる経口薬とその使用法
Q29.アルカリ血症に対する補正輸液
X.実践編―酸塩基平衡異常へのアプローチ
Case Study
1:ロタウイルスによる下痢症の乳児―嘔吐下痢,体重減少(脱水症)―
2:遠位尿細管性アシドーシスの乳児―体重増加不良―
3:有機酸代謝異常の乳児―意識障害,痙攣―
4:糖尿病性ケトアシドーシスの乳児―意識障害,体重減少―
5:ネフロン瘻による慢性腎不全の12歳女児―成長障害,弱視―
6:肥厚性幽門狭窄症の生後1ヵ月の乳児―嘔吐,体重増加不良―
7:Bartter症候群の生後2ヵ月の乳児―体重増加不良―
8:インフルエンザによる呼吸不全の7歳男児
9:過換気症候群の中学生女児
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書籍情報
- ISBN:9784883787500
- ページ数:230頁
- 書籍発行日:2011年4月
- 電子版発売日:2012年3月24日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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