カラーイラストで学ぶ 神経症候学

  • ISBN : 9784830615412
  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2015年4月
  • 電子版発売日 : 2020年7月22日
  • 判 : A4変型
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥14,300 (税込)
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商品情報

「神経症候学」の著者,平山恵造が監修を手がける神経内科のカラー図解入門書.本書では中枢(大脳・脳幹)→脊髄→末梢へとつづく神経学の大きな流れに則って,神経機能系の診かたと症候の診かたを約100項目の目次に配列した.項目ごとに,「機能解剖」「診察法」「鑑別」という一貫した構成をとりながら,臨床神経学の原則を伝える.見開き単位で本文とイラストを視覚的に配したレイアウトでわかりやすさを追究した1冊である.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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■ 序文

まえがき

本書はカラーイラストを多く用いて編集したものである.神経学的診察法,神経症候学を約100項目にまとめ,1項目を見開き2 頁に収めて,左頁に文章解説を,右頁にカラーイラストを呈示し,左右両頁を見較べながら理解することを意図したものである.項目によっては2頁に収まらないものがあるが,それらも偶数頁にレイアウトすることにより本書全体が本来の意図に沿うようにした.筆者が本書の編著(編集と著述)を引き受けた経緯やそれに関連して原稿作成に協力してくれた諸君については「あとがき」で述べることとして,先ずは本書の骨子を以下にまとめる.臨床神経学の実践に即して全体を3章に分けた.I章は問診,II章は診察手技,III章は病態/疾患の解説からなる.各章の重点はそれぞれ下記の3点に集約される.

I章(問診)では,①病歴の把握:患者の愁訴と病状の経過を聴取して,主訴と病歴を正しく把握する.②病態の想定:病歴から考えられる病態/疾患をできる限り多く想定する(気付かれなかった疾患は結局診断されず,誤診に至る).この段階では絞り切らない.③手技の選択:それら想定される病態/疾患に対しての診察手技を頭の中で選ぶ.これがII章に繋がる.

II章(診察手技)では,①手技と意義:神経学的診察手技のそれぞれについて,正しい手技とその意義をよく理解する.②必要な手技:目の前の患者にとって必要な診察手技を選ぶことに習熟する.③判定について:診察結果が常に白黒明白とは限らない.正常(白)とも,異常(黒)とも言えない場合(灰色)があることを認識する.強いて白か黒にこだわると,かえって判定を誤ることがある.再度診察し,納得した上で判定する.

III章(病態/疾患)では,①正しい理解:確実な知識を習得し,中途半端な理解を避ける.②広い検討:疑われる病態/疾患を広く検討した後に,診断を絞ることを心掛ける.診断でも前記(II③)同様に白,黒,灰白がある.③誤診の回避:誤診は治療の齟齬(そご)(くいちがい)をもたらすことを十分に認識し,極力避けるように努める.

以上を身に着けるには,それなりの体験を必要とする.そのため臨床の現場で,実践的な指導を受けることが望まれる.指導する立場では具体的な呈示と説明を要する.諸施設,各現場で態勢は異なるが,向かうべき方向は同じである.

本書は神経疾患(患者)の「診かた」を示したものである.これにより臨床診断が(疑いを含めて)絞られる.この段階で多かれ少なかれ検査がなされる.検査法そのものについて本書で扱わないが,目的により3 つのカテゴリーに分けられる.(1)確認検査:臨床診断が絞られて,それを確認する目的でなされる.(2)鑑別検査:臨床診断が絞り切れず,疑われる幾つかの病態/疾患を鑑別する目的でなされる.(3)除外検査:臨床診断された病態/疾患以外のものを確実に除外する目的で,念のためになされる.以上,これから行おうとしている検査の目的がいずれであるかが明確でないと,検査結果の評価・判断を誤ることがある.その結果,誤診を招き,さらには治療の選択を誤りかねない.これを避け,検査を有意義なものとするためにも,I,II,III章をよく理解することが望まれる.

神経疾患の治療はこの四半世紀の間に長足の進歩・発展を遂げた.適切な治療を選択し,実施するためには正しく臨床診断することが前提となる.このような観点から本書がそれに寄与することを願うものである.


平成26年12月

平山 惠造

■ 目次

I章 診察を始める─問診と観察

1.神経系の診察にあたって

2.病歴聴取(問診)の方法

3.外来時診察と入院時診察

4.精神状態の診かた

5.簡単な高次脳機能チェック

II章 症候を捉える─診察の手技と解説

<脳神経系の診かた>

6.脳神経[予備知識]

7.嗅覚障害の診かた

8.視力・視野障害の診かた

9.瞳孔異常の診かた

10.眼底異常の診かた

11.眼球運動麻痺(外眼筋麻痺)の診かた

12.複視の診かた

13.眼振と異常眼球運動の診かた

14.眼瞼異常の診かた

15.顔面運動障害の診かた

16.顔面感覚障害の診かた

17.聴覚障害の診かた

18.前庭障害の診かた

19.味覚障害の診かた

20.舌異常の診かた

21.軟口蓋・咽頭・喉頭障害の診かた

22.構音障害の診かた(付:嗄声)

23.咀嚼・嚥下障害の診かた

<運動系の診かた>

24.運動麻痺と大脳運動皮質の体性機能局在[予備知識]

25.脊髄髄節・神経根と支配筋[解剖予備知識]

26.神経叢・末梢神経と支配筋[解剖予備知識]

27.筋脱力(筋力低下)の診かた

28.運動麻痺(筋力低下)の診かた(分布様式から)

29.筋緊張異常の診かた

30.筋緊張亢進の診かた:痙縮と強剛(付:固縮,拘縮)

31.筋緊張減退の診かた

32.筋萎縮の診かた

33.錐体路(上位運動ニューロン)徴候(まとめ)

34.軽微な錐体路徴候

35.下位運動ニューロン徴候の診かた

36.筋無力症(易疲労性)の診かた

37.運動失調の診かた

38.脊髄後索症候の診かた

39.小脳症候の診かた

40.不随意運動(異常運動)の診かた

41.異常姿勢の診かた

42.起立障害の診かた

43.歩行障害の診かた

44.ヒステリー性運動麻痺の鑑別

<感覚系の診かた>

45.体性感覚(総論)

46.感覚障害(総論)と感覚検査時の全般的注意

47.しびれの診かた

48.疼痛(痛み)の診かた

49.痛覚/温度覚障害の診かた

50.触覚と振動覚の診かた

51.運動・姿勢・定位の感覚障害の診かた

52.識別感覚の診かた

53.感覚障害と体性機能局在(ホムンクルス)

54.脊髄髄節・神経根と感覚支配領域(皮膚分節)

55.神経叢・末梢神経の感覚支配領域とその障害

56.感覚障害の分布様式と病変局在を誤りやすい分布

57.乖離性感覚障害

58.Romberg試験(徴候)の診かた

59.ヒステリー性感覚障害の診かた

<反射の診かた>

60.反射と反射弓─その機序[予備知識]

61.腱反射の診かた(1)総論

62.腱反射の診かた(2)各論〔A〕─頭頸部・上肢の腱反射─

63.‌腱反射の診かた(3)各論〔B〕─胸腹部・下肢の腱反射─ 

付)逆転反射

64.皮膚・粘膜反射の診かた

65.足底皮膚反射とBabinski徴候の診かた

<意識障害と高次脳機能障害の診かた>

66.意識障害の診かた(総論)

67.失神(付,欠神)の診かた

68.せん妄の診かた

69.意識をめぐる特殊な病態の診かた

70.睡眠障害の診かた

71.脳死の診かた

72.知能障害・記憶障害の診かた

73.痴呆の診かた

74.失語症の診かた

75.認知障害の診かた

76.無視症候群の診かた

77.失行の診かた

<自律神経系の診かた>

78.自律神経系[予備知識]

79.心血管系機能異常の診かた

80.発汗異常の診かた

81.膀胱・尿道機能障害の診かた

III章 症候を手がかりに─病態/疾患を考える

82.頭痛の診かた(付:顔面痛)

83.めまい(感)の診かた

84.脳卒中の診かた

85.脳血管障害の診かた

86.片麻痺の診かた

87.四肢麻痺と対麻痺の診かた

88.頭蓋内圧(脳脊髄液圧)亢進の診かた

89.髄膜(刺激)徴候の診かた

90.髄膜炎・脳炎の診かた

91.前頭葉症候の診かた

92.Parkinson病とParkinson症候群

93.脳幹症候群(1):中脳

94.脳幹症候群(2):橋

95.脳幹症候群(3):延髄

96.脳幹症候群(4):脳幹広域

97.大後頭孔症候群

98.変形性頸椎症

99.前脊髄動脈症候群

100.Brown─Séquard症候群と脊髄横断症候群

101.脊髄円錐症候群と馬尾症候群

102.多発神経炎,多発神経根炎,多発性単神経炎

103.手根管症候群,Guyon管(尺骨神経管)症候群,肘管症候群

104.神経に関連する皮膚症状

105.多発性硬化症

106.多系統萎縮症

107.筋萎縮症とミオパチー


索引

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