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- 【高齢者のための】シリーズ 高齢者のための高血圧診療
商品情報
内容
「高血圧は危険だ(心配)」
「140mmHgは高血圧だ(どうにかしたい)」
「血圧は下げるべきだ(下げたい)」
これらの個々の患者が述べる希望や医者が示す治療指針も「個別性」の話というより,移ろいゆく世の中のごく一般的な平均値に過ぎないかもしれません
全ての物事が曖昧な中で決まっていく.「適当に」どうにか収まっていくとしたらそこにあるのは「関係性」であって
「血圧は測らなくてもいいし、下げなくてもいい」
「測ってもいいし、降圧薬飲んでもいいし」
「どちらでもいい」
という捉え方も「有り」でしょう
高血圧マネジメントだけでなく,安楽死,ACP,意思決定の在り方など
今医師は,どういう臨床を提供すべきなのか…
今読んでおくべき,アンチな教科書としての「誇り」が,この本にはあります
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序文
監修者・はじめに
本書のゲラを拝読していて,体温が少し高くなっていくような高揚感を抑えきれなかった.この手の医学書はありそうでない.たいていは,怖くて書けない.『高齢者のための』シリーズで「次は高血圧」となったとき,僕は即座に名郷先生の名前を想起した.世の中に高血圧を専門とする医者は山といるが,
これを書けるのは名郷先生だけだ.
そういう確信があった.その確信はゲラを読んで確認された.読者の皆様もぜひご一読いただき,僕の高揚感を追体験していただきたい.
日本の医学書の多くは治療について語る.もっというのならば,薬について語る.
高血圧の薬はたくさんあるから,薬の解説をすれば,それだけで一冊の本になる.しかし,診断について語る本は案外少ない.「え? そもそも高血圧でしょ.診断なんて,血圧計で測ればいいじゃない」と思ってはいけない.高血圧の診断は案外難しい.そして,「そもそも高血圧とは何か」を考えるのはさらに難しい.高血圧の正体.このわかったようでわからない存在(いや,そもそも存在しているのか?)を看破できなければ,高血圧の治療は語れない.治療とは診断があって,初めてできることなのだ.「熱が出て」「抗生剤出して」「熱が下る」は診断しているわけでも治療しているわけでもない.対応しているだけだ.
本書には,
個々の降圧薬に対する記載がほとんどない.
それだけでも驚きだ.しかし,「エビデンス」の記載はこれでもか,というくらいある.エビデンスを通俗的な「この薬にはエビデンスがある」とか「ない」という切り方をしていないだけでも大多数の日本の医学書にはない斬新さだ.そして,本書は決して観念世界の観念論ではなく,リアルな眼の前の患者のための1 冊である.それも読後に体感できるだろう.思いっきり飛ばした序文になったが,高揚しているのでご勘弁いただきたい.では,お読みください.
2020年2月吉日
岩田 健太郎
著者・はじめに
本書のゲラを拝読していて,体温が少し高くなっていくような高揚感を抑えきれなかった.この手の医学書はありそうでない.たいていは,怖くて書けない.『高齢者のための』シリーズで「次は高血圧」となったとき,僕は即座に名郷先生の名前を想起した.世の中に高血圧を専門とする医者は山といるが,
これを書けるのは名郷先生だけだ.
そういう確信があった.その確信はゲラを読んで確認された.読者の皆様もぜひご一読いただき,僕の高揚感を追体験していただきたい.
日本の医学書の多くは治療について語る.もっというのならば,薬について語る.
高血圧の薬はたくさんあるから,薬の解説をすれば,それだけで一冊の本になる.しかし,診断について語る本は案外少ない.「え? そもそも高血圧でしょ.診断なんて,血圧計で測ればいいじゃない」と思ってはいけない.高血圧の診断は案外難しい.そして,「そもそも高血圧とは何か」を考えるのはさらに難しい.高血圧の正体.このわかったようでわからない存在(いや,そもそも存在しているのか?)を看破できなければ,高血圧の治療は語れない.治療とは診断があって,初めてできることなのだ.「熱が出て」「抗生剤出して」「熱が下る」は診断しているわけでも治療しているわけでもない.対応しているだけだ.
本書には,
個々の降圧薬に対する記載がほとんどない.
それだけでも驚きだ.しかし,「エビデンス」の記載はこれでもか,というくらいある.エビデンスを通俗的な「この薬にはエビデンスがある」とか「ない」という切り方をしていないだけでも大多数の日本の医学書にはない斬新さだ.そして,本書は決して観念世界の観念論ではなく,リアルな眼の前の患者のための1 冊である.それも読後に体感できるだろう.思いっきり飛ばした序文になったが,高揚しているのでご勘弁いただきたい.では,お読みください.
2020年2月吉日
武蔵国分寺公園クリニック院長
CMECジャーナルクラブ編集長
名郷 直樹
目次
第1部 総 論
1章 高齢化と血圧の関係(リスクとしての高血圧)
2章 高齢者の高血圧の問題とは何か(さまざまなPECO)
3章 ガイドラインはどうなっているか(日本のガイドライン、欧米のガイドライン)
第2部 各 論(必須の論文を押さえながら)
4章 高齢者の血圧に影響する因子とその対応
5章 高齢者血圧の治療効果
6章 多様な疾患の中での高血圧治療(糖尿病,慢性腎臓病,二次予防,フレイル)
7章 高血圧のエビデンスから高血圧の診療へ:個別性から関係性へ
8章 高齢者高血圧の診療の実際へ向けて
第3部 極 論(世の中のでたらめに一言)
9章 認知症と高血圧
10章 血圧が高いと救急外来を受診する高齢者
11章 ポリファーマシーにはこう介入する
12章 介護施設における高血圧管理(デイサービス,入浴前の血圧測定)
13章 終末期ケアと血圧(終末期の対応,中止時の不安、低血圧の問題)
14章 高齢者が血圧を測らない世の中
第4部 対 談
15章 対談:高血圧編
16章 対談:意思決定編
17章 対談:世の中編
付録 高齢者高血圧の勉強法(論文を読まずに診療できるのか)
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アウトカムのいろいろ / フォレストプロット / サブグループ分析 / 予防か,先送りか / 高齢の認知症患者における降圧薬の有無による血圧と認知機能の関係 / 製薬メーカーのはっきりした利益が他を圧倒する / ガイドラインではどうか…? / 寿命が重要なアウトカムでなくなるとき
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書籍情報
- ISBN:9784621305010
- ページ数:224頁
- 書籍発行日:2020年3月
- 電子版発売日:2021年3月5日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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