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- 医学のあゆみ274巻10号 肥満――外科治療と基礎研究の最新情報
商品情報
内容
肥満――外科治療と基礎研究の最新情報
企画:
戸邉一之(富山大学大学院医学薬学研究部(医学)内科学第一講座)
木村 穣(関西医科大学健康科学センター健康科学科)
・近年の肥満症分野での大きな発展は,肥満症の病態についての基礎研究と高度肥満症に対する外科的治療の進歩である.
・基礎研究の分野ではアディポネクチン受容体作動薬の開発,脂肪組織のリモデリングの分子的レベルでの解明,ベージュ脂肪細胞の研究の進歩,中枢を介したエネルギー代謝,肥満症に伴う諸臓器の障害のメカニズムについて次々と解明されてきた.
・肥満外科手術による減量はその急速かつ劇的な減量効果により,臨床的意義のみならず肥満症の病態生理にも新たな視点を与え,興味ある研究分野となっている.
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序文
はじめに
戸邉一之 木村 穣
富山大学医学部第一内科,関西医科大学健康科学センター
高脂肪食,運動不足のエネルギー過剰の生活習慣から,肥満症の患者が増加し,それに伴い2型糖尿病や心血管疾患,悪性腫瘍が増加してきている.
近年の肥満症分野での大きな発展は,肥満症の病態についての基礎研究と高度肥満症に対する外科的治療の進歩である.わが国の肥満の分野の診療と研究は,肥満症の疾患概念の確立と病態の基礎研究に注力してきた日本肥満学会と,高度肥満症の外科的治療をリードしてきた日本肥満症治療学会を中心に発展してきた.
日本肥満学会では,これまで2000年に発表した“新しい肥満の判定と肥満症の診断基準”により,BMIで規定される肥満(obesity)から,肥満に起因あるいは関連する健康障害を合併し,医学的に減量を必要とする肥満症(obesity disease)を選び出し,医学的に適切な治療・管理の対象とすることとした.国際的にも肥満症を疾患として認識することを求める“名古屋宣言2015”,国内では日本医学会連合“領域横断的肥満症ワーキンググループ”において関連23学会とともに,肥満症に関係する関連学会と取り組むことを宣言(神戸宣言2018)した.2008年からはじまった特定健診は着実に成果を結び,また,基礎研究の分野でもアディポネクチン受容体作動薬の開発,脂肪組織のリモデリングの分子的レベルでの解明,ベージュ脂肪細胞の研究の進歩,中枢を介したエネルギー代謝,肥満症に伴う諸臓器の障害のメカニズムについて次々と解明されてきた.
一方,高度肥満症における糖尿病やその他の生活習慣病の改善に対する肥満外科手術のエビデンスや安全性が確立され,2014年より高度肥満症に対する外科的治療のうち腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険適用となり,現在,国内では17の肥満症外科手術認定医療機関において,この治療が施行されている.肥満外科手術による減量はその急速かつ劇的な減量効果より,臨床的意義のみならず肥満症の病態生理にも新たな視点を与え,興味ある研究分野となっている.ただし,肥満外科手術効果は単独では限定されており,術前減量や術後の食事・運動療法,さらにはメンタル面でのフォローなど,さらなる治療ストラテジーの構築も求められている.
本特集は肥満症の基礎研究と高度肥満の外科手術に関する特集であるが,日本肥満学会と日本肥満症治療学会が手を携え,肥満症の病態解明に取り組む様子が伝われば幸いである.
目次
外科治療
肥満に対する外科治療の歴史……井上健太郎
肥満に対する外科治療のエビデンスと適応……山口剛
日本における肥満外科手術の現状と展望……遠藤裕一・他
スリーブ状胃切除術の基礎研究――胃縮小効果以外の機序……宮崎安弘
消化管バイパス術の代謝改善メカニズムの基礎的研究……井本博文
肥満外科治療におけるチーム医療の必要性と各職種の役割……木村穣
肥満に対する手術の実際……北浜誠一
わが国における肥満外科手術後の諸問題……大城崇司
肥満2型糖尿病に対する代謝手術(metabolic surgery)の展望……関洋介・他
基礎研究
褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞
褐色・白色脂肪細胞における転写制御と肥満治療……脇裕典・山内敏正
ヒストン脱メチル化酵素による脂肪細胞の機能制御……稲垣毅
褐色脂肪細胞におけるO-GlcNAc修飾の役割……大橋夏子・他
脂肪組織における代謝適応とリモデリング・線維化機構……長谷川豊
アディポネクチン受容体
アディポネクチン受容体の構造と機能……岩部真人・他
脂肪組織の間葉系幹細胞・前駆脂肪細胞の作用と制御
アディポネクチンと間葉系幹細胞……喜多俊文・下村伊一郎
前駆脂肪細胞のニッチとしてのM2マクロファージ――見直されつつあるM2マクロファージ抗炎症作用説……戸邉一之・他
成熟脂肪組織および脂肪前駆細胞におけるインスリン/IGF1シグナルの役割……阪口雅司・他
中枢を介した代謝調節
糖代謝の制御を担う視床下部神経回路……近藤邦生
新規臓器間代謝情報ネットワーク機構の解明……浅井洋一郎・片桐秀樹
迷走神経を介した臓器連関と糖代謝……井上啓・稲葉有香
他臓器との関連
肥満・炎症と腸内細菌叢……入江潤一郎・伊藤裕
NASHの発症と脂肪組織との連関……藤田政道・他
DOHaD学説と肥満――DNAメチル化を介したエピゲノム記憶の関与……橋本貢士
マクロファージによる臓器間ネットワークの形成……大石由美子・真鍋一郎
薬剤による腸内細菌叢の変化と代謝への影響……藤坂志帆・他
肥満・糖尿病とサルコペニア――分子メカニズムを含めて……平田悠・小川渉
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書籍情報
- ISBN:9784006027410
- ページ数:120頁
- 書籍発行日:2020年9月
- 電子版発売日:2021年3月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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