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- 関節外科 2021年6月号 Vol.40 No.6 整形外科医にとって必須のリハビリテーション
商品情報
内容
時期からみたリハビリテーション医学
骨関節疾患の周術期リハビリテーション
ほか
>関節外科バックナンバー
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序文
introduction
患者は医者の知識の都合に合わせて来院するわけではない。もちろん,臨床家の本音としては,なるべく自分の専門にあった患者さんに出逢いたいと思うだろう。リハビリテーション医学は整形外科の隣にある臨床領域であって,しばしば両者は共存しているので,周囲の人は「整形外科医はリハビリテーションについてもよく知っているだろう」と思いやすい。そのために今回の特集はリハビリテーション医学で必須な知識というテーマになったと理解している。
教科書と違ってオムニバスであり,それぞれ掘り下げ方は同質でないが,それでもリハビリテーション医学の概観から始まり,各病期での捉え方,リハビリテーション医学の根幹的課題である活動評価の進歩,神経生理学的検査,訓練の基本,義肢装具,支援機器,そして,代表的疾患・病態への対処など,「必須」に相当するテーマが取り上げられていると思う。ここで抜けているのは,摂食嚥下障害や認知症などであろう。
ところで,Simon によれば,「専門性」は人間の能力限界から生まれる約5 万の概念からなる関心領域であって,一通りマスターするのに10 年,5 万時間かかるとされている。学問の進歩に伴って扱う概念数が増大すると人間の能力が追いつかなくなり専門性は分かれていく。外科から整形外科が分かれたのはそのような事情だろう。同じように,リハビリテーション科も整形外科から分かれた。ただし,外科と整形外科の場合のようなスッキリした疾患・病態による分かれ方ではなく,リハビリテーション医学の視点と視線の特徴からくる差によって生じたため,ややわかりにくい。一言でいうと,リハビリテーション医学は,「活動」という視線で患者を眺めるため,同じ疾患・病態でもその課題の解き方が異なる。つまり,リハビリテーション科と各臓器科との関係は,縦糸と横糸の関係に相当すると思っている。ただし,整形外科はもともと運動を扱うという意味で活動の隣にあるため,ある意味でとても近い。また,空白は嫌われるので,未だマイノリティーであるリハビリテーション科がカバーできていない部分は,どうしても整形外科が扱う必要があるという実情もある。個人的には,AI がsingularity を乗り越えて専門性限界が無意味になる世界が訪れる前に引退できるであろうことをありがたいと思っている。
藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
才藤栄一
目次
特集:整形外科医にとって必須のリハビリテーション 企画・編集:才藤栄一
リハビリテーション医学の考え方 大高洋平
時期からみたリハビリテーション医学 芳賀信彦
骨関節疾患の周術期リハビリテーション 加賀谷 斉ほか
活動評価の進歩 向野雅彦
可動域練習,筋力増強練習の原理と適応,応用 片岡晶志ほか
筋疾患・末梢神経疾患のリハビリテーション 岡島康友
脊髄損傷のリハビリテーション 工藤大輔ほか
小児のリハビリテーション医療 近藤和泉
がんのリハビリテーション:骨転移を中心に 石田由佳子ほか
神経生理学的検査 青野宏冶ほか
整形外科医として必要な義肢装具療法の知識 浅見豊子
支援機器 平野 哲
原著論文
ステム沈下症例から学ぶショートテーパーウェッジステムの適正サイズ選択 久留隆史
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書籍情報
- ISBN:9784008204006
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2021年5月
- 電子版発売日:2021年7月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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