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- 医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック
商品情報
内容
医療をはじめ、看護、介護、心理学、社会学など、多彩な分野の専門家がそれぞれの視点から睡眠について徹底解説。 患者の治療やケアの質を高める、夜勤現場での睡眠のとり方を考える、自分の生活習慣を見直すなど、睡眠の正しい知識はあらゆる場面で活用できます。
生活様式の変化とともに睡眠への関心が高まる今、本書で知識を深めて検定合格を目指してみては?
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序文
序文
21世紀のいま,睡眠への関心がとても高まっています.たとえば,良く眠るためのハウツー本,眠りに良い寝具やパジャマ,寝つきの良くなるアロマ,薬局で簡単に買える睡眠薬など,快眠産業は2兆円以上と試算されています.最近の統計では,我が国の働く世代の3 人に1 人が睡眠に何らかの問題を抱え,良く眠れない人は5 人に1 人,睡眠薬の使用は20 人に1 人といわれています.
人々がこれほど,睡眠に関心を持ったり悩んだりした時代は,過去にはありませんでした.半世紀前は,誰も睡眠に関心を払いませんでした.当然,学校教育でも睡眠について教えることはほとんどありませんでした.睡眠研究の先達である井上昌次郎先生は,「どうやら,現代人は史上稀にみるÝ眠り下手àになってしまった」と話されています.
眠り下手になった理由としては二つ挙げられています.第一に,健康や睡眠にかかわる情報の氾濫です.人の脳の研究が進歩して,睡眠の役割が明らかになるにつれて,脳や健康にとって睡眠がきわめて重要な役割を演じていることが明らかになってきたからです.それまでの常識では,睡眠の評価はごく低いもので,極端な場合には無駄な時間とみなされていました.それが一転して,睡眠は無意味どころか極めて有用であり,高等生物は睡眠なしには生きていけないことがわかってきました.しかし,睡眠の大切さが正当に理解されればよかったのですが,科学的な情報を安易に拡大解釈し,睡眠を思いどおりに操作できるとする,まちがった情報が発信されるようになっています.たとえば,「睡眠は4 時間半で十分!」とか,「睡眠時間を短くする方法」といったものです.確かに,ごく一部の人は短時間睡眠でも十分に活躍できるでしょう.しかし,大半の人はそうすることはできません.また逆に,7 時間は眠らないと健康を害してしまうと思い込み,不眠に対して過剰なまでの反応をしてしまっている方々もおられます.そういう正しくない情報に,私たちは惑わされているのが現状です.
眠り下手になった,二つ目の理由として,20世紀の半ば以降,ハイテク社会が発展して,生活様式が激変したことが挙げられています.高度経済成長期には,生産性がないと思われた眠りの時間をできるだけ切り詰めて働けば,生産性が上がり,経済的に裕福になると考えたからです.こうして,昼も夜も,24時間にわたって眠りを削って活動したために,結果として健康を害し,こころのゆがみを生じることになりました.交代勤務の経験年数と病気との関係を調べた研究では,交代勤務を長く続けていると,その年数に比例して,うつ病になる率が増加する,また心臓病のリスクがどんどん増加することがわかっています.
現代の睡眠不足は,いまや健康のみならず,経済活動から社会生活,子どもの学力にまで社会の幅広い分野に大きな影響を及ぼしています.逆にいえば,経済発展や学歴競争社会の中で軽視されていた睡眠が,健康や社会の発展を考えるうえで大きなカギを握っているといえます.
このような状況下で,新しい試みであるインターネットを活用した睡眠検定を通じて,睡眠を多角的にとらえ,正確な睡眠知識を普及する目的で本書を企画しました.本書が,医療現場の一線に携わっておられる方々の日常業務ならびに自身の健康増進に少しでも寄与できれば幸いです.
本書の作成に関わり,快く執筆を引き受けていただいた諸賢ならびに,発刊に多大なご協力をいただいた西山彰子先生,全日本病院出版会の松澤玲子氏,加藤百恵氏に心からお礼を申し上げます.
2013年7月
日本睡眠教育機構理事長
宮崎総一郎
目次
第1章 睡眠の科学的基礎
I 総論
1.睡眠の役割と多様性 井上昌次郎
2.睡眠と文化,暮らし 堀 忠雄
3.脳のメカニズム 北浜 邦夫
4.睡眠と健康 佐藤 尚武
II 睡眠の基礎知識
1.睡眠のメカニズム 北浜 邦夫
2.睡眠構築 林 光緖
3.睡眠時間 宮崎総一郎
4.睡眠の個人差 宮崎総一郎 林 光緖
5.生体リズム 林 光緖
6.睡眠環境 林 光緖
7.睡眠と嗜好品 林 光緖
8.睡眠と運動 小林 敏孝
9.睡眠と学習 堀 忠雄
第2章 睡眠知識の応用と指導
I 睡眠知識の応用
1.睡眠と社会 森国 功 宮崎総一郎
II 睡眠相談
1.睡眠相談のための12の指針 宮崎総一郎 佐藤 尚武
2.睡眠相談技術 田中 秀樹
III 看護・介護と睡眠
1.看護・介護現場での睡眠 尾﨑 章子
2.高齢者の睡眠に関する事例
事例1:日中も臥床しているAさんの事例 尾﨑 章子
事例2:寝つきが悪く,夜中に何度も目が覚めるBさんの事例 伊藤 洋
事例3:施設でのスリープマネージメントで夜間コールが激減した例 田中 秀樹
IV 健やかな眠りのために
1.睡眠衛生指導の実際 宮崎総一郎
2.仮眠の効用 林 光緖
3.緊急時の仮眠のとり方 森国 功 宮崎総一郎
第3章 睡眠障害とその予防
I 主な睡眠障害
1.睡眠の評価 田中 秀樹
2.不眠症 原田 大輔 伊藤 洋
3.過眠症 原田 大輔 伊藤 洋
4.概日リズム睡眠障害 原田 大輔 伊藤 洋
5.睡眠不足症候群 宮崎総一郎
6.睡眠呼吸障害 宮崎総一郎
II 高齢者の睡眠障害
1.高齢者の不眠症 河野 公範 堀口 淳
2.睡眠時随伴症 河野 公範 堀口 淳
3.睡眠関連運動障害 河野 公範 堀口 淳
III 睡眠薬の効用と注意点
1.睡眠薬はどのように効くのか 青木 亮 伊藤 洋
睡眠健康指導士とは 宮崎総一郎 佐藤 尚武
睡眠健康指導士に期待すること 粥川 裕平
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書籍情報
- ISBN:9784881170724
- ページ数:216頁
- 書籍発行日:2013年10月
- 電子版発売日:2021年8月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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