メディカルヨガ 誰でもできる基本のポーズ

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2017年4月
  • 電子版発売日 : 2021年10月6日
2,200
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商品情報

内容

ともかくやってみてください。それが最大のメッセージです。健康を維持し、病気を回復させるためには些細な努力の積み重ねが大切です。そんなちょっと些細な、でも実は大切な引き出しの一つがメディカルヨガです。不調の悩みごとに一つひとつ、ヨガのポーズを写真とコメントでわかりやすく解説しています。基本的に危険なポーズはありません。患者さんや家族と一緒に始めてみませんか。ヨガってなんだかいいらしいと思えるメディカルヨガの入門書です。(序文より)

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序文

はじめに

「ヨガってなんだか いいらしい」

無理なく、楽しく、それぞれに

科学的根拠はなくても 効果を期待できるなら。


岡部先生がメディカルヨガの紹介に僕の外来に来たときに、最初に、「どんな人ならメディカルヨガができるのですか?」と尋ねました。すると「息をしていればどなたでもできます」と言われました。その一言で僕は決心しました。愛誠病院でメディカルヨガをやってみようと。すると、あちらこちらから「結構よさそうだ」というコメントをもらいました。不思議です。でも臨床医としては、医療従事者として、なにかよい効果があり、そして副作用や怪我がなく、安価であれば、なんでもOKです。

医療に30 年以上携わり、西洋医学の素晴らしさを体感する反面、残念ながら西洋医学の限界も明らかに感じます。西洋医学はますます進歩を続けるでしょうが、残念ながら、現状の西洋医学では治せない訴えも多々あります。また、大分よくしてもらったがもっとよくなりたいという願いもあるでしょう。そしてできれば病気になりたくないという希望も当然にあります。そんな期待に応えられるひとつの可能性がメディカルヨガなのです。


西洋医の目で見れば、そこに、メディカルヨガにサイエンティフィックな根拠はまだまだ足りません。むしろ、僕が理解できないヨガ用語が並ぶと、またインドの言葉が登場すると、僕のメディカルヨガに対する応援したいイメージが思いっきりトーンダウンするのです。僕の理解を超えた仮想病理概念での理屈を並べられると、「そうであれば、こういう理由から現代医学的な理屈に合わないではないか」という批判の心が頭をもたげるのです。


「メディカルヨガは確かによさそうだ」 僕にはそれだけのメッセージでよいのです。現代西洋医学が存在しない頃からの、精一杯の知恵のひとつがヨガでしょう。それを現代の医療になんとか利用しよう、なんとか現代医療の補完をしようというのが、メディカルヨガの神髄です。ですから、この本には一切仮想病理概念は登場しません。ヨガ用語も登場しません。そしてインドの言葉も出てこないのです。まずは、先入観を排除して、試しにやってみようというのがこの本の立ち位置で、この本を上梓する理由なのです。


「ともかく、やってみてください」 それが最大のメッセージです。この本ではわかりやすくいろいろなポーズを載せています。基本的に危険なポーズはありませんが、立つのがおぼつかない人には立っていることだけでも危険です。人にはそれぞれ限界があります。そんな限界はちゃんと理解しつつ、この本を利用してメディカルヨガに親しんでください。ボーズの多くはなんと僕が岡部先生の指導によってメディカルヨガを楽しんでいる写真です。ぜひ、見よう見まねで、ご自身でやってみて、また家族に、そして患者さんに勧めてください。


メディカルヨガをスポーツのように考えると、ちょっと危険です。スポーツは多くの場合、それにはまると、その魅力に取り憑かれると、その気持ちよさを味わうと、どんどんとエスカレートしていきます。それは精神的には素晴らしいことで、そして快感がわき起こります。でも危険も増幅します。それがスポーツの楽しさであり、反面危険性をはらんでいる部分です。メディカルヨガは、メディカルと謳っている以上、安全であることが大前提です。ですから、くれぐれも無理はしないでください。自分ができる範囲で、気持ちよくなることが大切なゴールです。


実際に、病院で行ってみると、本当に人生の終焉を迎えつつある人にも効果的です。ベッドで寝たきりの人でも岡部先生が僕の質問に最初に答えたように、自分の意思で呼吸さえできればメディカルヨガが有効です。また、精神科病棟では、もっとメディカルヨガの有効性を体感します。精神科で入院が長い方は、お世辞は決して言いません。そんな患者さんたちが、メディカルヨガで集まる005と、生き生きとし出すのです。それこそ片方の鼻から息を吸って、反対側から出すということをやるだけでも、テンションがアップするのです。本当に不思議です。


メディカルヨガは現状では、やってよかった、決して悪くはなかった、危なくはなかった、そして高価ではないというのが導入の動機です。しかし、これから医療現場にもっと浸透するには、アメリカで行われているような医療のニーズにあった臨床研究も必要でしょう。僕は経験から導かれていることを、決して否定はしません。そして、今ここにその正当性を担保するサイエンスがなくても使います。でも、歴史の叡智にあぐらをかいていれば、いずれ誰もが見向きもしなくなるでしょう。今のサイエンスのレベルに合わせた臨床的研究は近い将来必須です。とくにメディカルヨガをますます普及させるには不可欠なデータと思っています。ぜひ、この本を利用してメディカルヨガの有効性を感じ取っていただき、この本が近い将来、たくさんのメディカルヨガの有効性を示す臨床研究が登場する嚆矢となることを願っています。この本で、興味を持ち、そしてもっとメディカルヨガに触れたい方は、ぜひメディカルヨガの実際を体感しにスタジオにお越しください。


健康には、また病気を少しでもよくするには、些細な努力の積み重ねが大切と思っています。なにかひとつをやればすべてが解決するような魔法の引き出しは残念ながらありません。なんとなくよさそうなことを積み重ねて、健康が維持でき、また病気から回復できるのです。そんなちょっと些細な、でも実は大切な引き出しのひとつがメディカルヨガだと思っています。そんなメディカルヨガの入門書が本書です。アメリカと同じように、メディカルヨガが健康維持に、健康管理に、病気の撃退に、いろいろな症状の緩和に、広く使用される日を夢みています。


2017年 吉日

帝京大学医学部外科   新見正則

目次

本書の使い方

■究極のらくちんポーズ7選

①緊張を緩めたい

②気分を上向きにしたい

③リフレッシュしたい

④ちょっと逆さにしてみよう

⑤運動不足を解消したい

⑥何もかも忘れて心を休めたい

⑦静かに休んで体力を回復させたい

■不調の原因別ポーズ

呼吸器の悩み

Case 1 息が苦しい

Case 2 呼吸が浅くて速い

Case 3 鼻のむずむず

Case 4 熱っぽい

Case 5 だるい

消化器の悩み

Case 6 下痢・便秘1

Case 7 下痢・便秘2

Case 8 腹部膨満感1

Case 9 腹部膨満感2

Case 10 糖尿病

Case 11 老廃物の排出をうながそう

Case 12 二日酔い

Case 13 吐き気・めまい

Case 14 口のかわき

循環器の悩み

Case 15 ストレスによる動悸・高血圧

Case 16 ふくらはぎが重苦しい

Case 17 緊張感が緩まない1

Case 18 緊張感が緩まない2

Case 19 気持ちが落ち着かない

泌尿器の悩み

Case 20 尿漏れ1

Case 21 尿漏れ2

Case 22 インポテンツ

運動器の悩み

Case 23 腰痛予防

Case 24 腰痛1

Case 25 腰痛2

Case 26 ぎっくり腰の予防

Case 27 四十肩1

Case 28 四十肩2

Case 29 四十肩3

Case 30 ロコモティブシンドローム1

Case 31 ロコモティブシンドローム2

Case 32 ロコモティブシンドローム3

Case 33 転倒予防1

Case 34 転倒予防2

Case 35 転倒予防3

Case 36 指・腕の痛みやしびれ

耳・鼻・眼の悩み

Case 37 目の疲れ・かすみ

Case 38 めまい

Case 39 嚥下障害

Case 40 鼻水・鼻づまり

皮膚の悩み

Case 41 かゆみ 62

Case 42 湿疹・アトピー・肌荒れ

こころの悩み

Case 43 心の疲れ1

Case 44 心の疲れ2

Case 45 心の疲れ3

Case 46 心の疲れ4

Case 47 心の疲れ5

Case 48 燃え尽き症候群もどき

Case 49 やる気が出ない1

Case 50 やる気が出ない2

Case 51 やる気が出ない3

Case 52 やる気が出ない4

Case 53 うつっぽい1

Case 54 うつっぽい2

Case 55 心のモヤモヤ

Case 56 クヨクヨしてしまう

Case 57 行き詰まり感

Case 58 閉塞感

Case 59 孤独感1

Case 60 孤独感2

Case 61 落ち込み・ハイテンションすぎる

Case 62 緊張感が緩まない1

Case 63 緊張感が緩まない2

Case 64 気持ちが落ち着かない

Case 65 焦り

Case 66 イライラ・神経過敏1

Case 67 イライラ・神経過敏2

Case 68 フラストレーション

Case 69 パニック1

Case 70 パニック2

Case 71 自意識過剰でくたびれる

Case 72 自分を許せない

Case 73 自己嫌悪

Case 74 恐れ

Case 75 慢性疲労感1

Case 76 慢性疲労感2

Case 77 慢性疲労感3

Case 78 眠れない1

Case 79 眠れない2

Case 80 寝起きが悪い

Case 81 心の病と診断されて不安が消えない1

Case 82 心の病と診断されて不安が消えない2

Case 83 病気による気持ちの萎縮

Case 84 病気による気分の落ち込み

Case 85 病気による運動機会の減少

子どもの悩み

Case 86 落ち着きがない1

Case 87 落ち着きがない2

Case 88 イライラ・不機嫌

Case 89 発達障害

Case 90 寝つきが悪い・夜泣き

Case 91 おねしょ

Case 92 発熱

女性の悩み

Case 93 月経前症候群

Case 94 ホルモンバランスの乱れ

Case 95 妊娠中の不調1

Case 96 妊娠中の不調2

Case 97 妊娠中の不調3

Case 98 更年期の不調1

Case 99 更年期の不調2

Case100 更年期の不調3

Case101 更年期の不調4

Case102 更年期の不調5

Case103 乳腺痛

Case104 子宮系疾患

高齢者の悩み

Case105 認知症1

Case106 認知症2

Case107 認知症3

Case108 認知症4

Case109 終末期1

Case110 終末期2

Case111 終末期3

がんの悩み

Case112 現実を受け入れがたい気持ち

Case113 術後の不安・孤独1

Case114 術後の不安・孤独2

Case115 術後安定期

Case116 経過観察期

Case117 治療の副作用による疲れ

Case118 乳がん1

Case119 乳がん2

Case120 乳がん3

Case121 乳がん4

重病のときの悩み

Case122 気分の落ち込み1

Case123 気分の落ち込み2

Case124 孤独感・絶望感

Case125 疾病による運動性の低下

Case126 疾病による運動器の衰弱

痛みをやわらげるために

Case127 お腹の痛み

Case128 頭の痛み

Case129 胸の痛み

Case130 生理痛

Case131 肩こりの痛み

Case132 筋肉の痛み全般

Case133 その他の痛み全般

その他の悩み

Case134 運動不足1

Case135 運動不足2

Case136 運動不足3

Case137 足腰の弱り

Case138 貧血・顔色の悪さ

Case139 冷え症

Case140 肩こり

Case141 パソコン疲れ


実践・メディカルヨガ

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書籍情報

  • ISBN:9784880028644
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2017年4月
  • 電子版発売日:2021年10月6日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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