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レジデントノート2022年11月号 Vol.24 No.12 腎を救うのはあなた! 急性腎障害の診かた~AKIの初期評価から腎代替療法、コンサルトまで長期フォローにつなげる“一歩早い”診療のコツ

  • ページ数 : 170頁
  • 書籍発行日 : 2022年10月
  • 電子版発売日 : 2022年10月5日
¥2,200(税込)
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商品情報

内容

急性腎障害(AKI)をいち早く見抜き,対応するために!身体所見や検査値のみかた,原因鑑別のポイント,腎代替療法の適応などAKI診療の基本から,長期フォローのためのコンサルトまで実践的知識が身につく.

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序文

特集にあたって
“一歩早く”AKIに対応するために


AKI(acute kidney injury:急性腎障害)はすでに市民権を得たmedical termであると推測します.初期・後期研修医の皆さんは,誰がみてもわかるような血清クレアチニン値の上昇や,明らかな尿量低下を確認してはじめてAKIと覚知し,慌てて腎臓内科にコンサルト,という日常診療を送ってきたかもしれません.しかし実際には,多くのAKIは発症する前から“予兆”が出ており,特に初期・後期研修医の皆さんが力を入れるべき病歴聴取と身体診察で“一歩早く”AKIの予防もしくは発見ができる可能性があります.

本特集ではまず冒頭でAKIの疫学・診断,病歴聴取,身体所見について,そのTipsを解説しています.特にAKIを起こしうるシナリオをよく熟知し予防啓発に努めていただきたく,またそれらを学ぶことで身体所見をしっかりととり予兆があれば即座に対応できるようになると考えています.

次に確定したAKIを覚知したら採血・尿検査所見,画像所見を駆使して原因を探しにいきます.典型的な腎前性・腎性・腎後性による鑑別方法は古今変わっていませんが,昨今では腎前性AKIも体液の“量”の問題なのか体循環あるいは糸球体内の“圧”の問題なのかをより重視するようになっています.尿所見でいわゆる腎前性AKIパターン(FENa低値等)を呈していても,むしろ逆の体液量過剰に伴ううっ血腎であることも稀ではなく,単一の指標だけでは診断することは難しいです.またPOCUS(Point of Care UltraSound)と総称されるベッドサイドでポイントを絞り超音波で観察する診断方法も,身体診察と並びその簡便さと有用性から必須技能とすべきとされています.そこで,AKIが確定された後に,“一歩早く”原因に辿り着けるように,尿・採血所見,画像・モニター管理について続けて解説しています.

治療についてはAKI自体に有効な方法はなく,原因の解除,腎毒性物質の回避,適切な血行動態の維持というconservative managementが中心となります.しかし,AKIは急性疾患かつ生命予後に直結する重要合併症であるがゆえ,必要があればタイミングを逸しないように,“一歩早く”,適切に治療薬を使用し,腎代替療法を導入することも必要です.

近年欧米から,AKI早期に持続的血液濾過透析を行うことの有効性を評価した大規模ランダム化比較試験が複数報告されており,最新の情報について紹介しています.透析療法は始めることに比べ中止することはとても難しく,離脱のタイミングも解説をしています.

AKI自体の治療方法ではありませんが,ほかの主力治療としては体液管理のための利尿薬や輸液療法があげられます.利尿薬も使うのは易しですが,その使用に対する妥当性やTipsを今一度学んでいただきたいです.

そしてAKIを腎臓専門医へコンサルテーションする際に必要な情報やコツを腎臓内科視点で解説をしています.可能な限り適切なアセスメントをして“一歩早く”コンサルトしていただけると大いに助かりますし,初期・後期研修医の先生方へのよいフィードバックにもなります.またAKIは急性病変であり,多くは改善する(と世間一般では考えられている)ものであるために,その後のフォローの重要性が希薄になっています.しかし最近のデータからは実はAKIはCKD(慢性腎臓病)のリスクであることが判明しています.そのため最後にAKIの予後について解説していただいており,AKI後に“一歩早く”長期リスクを認識し,その患者を10歩でも100歩でもフォローしていただけると,本企画を組ませていただいた,いち腎臓内科医として冥利に尽きます.

さいごに,快く執筆依頼を受けていただき,本企画の意向を十二分に理解し,初期・後期研修医の先生方が現場で使うに十分な内容をまとめていただきました,臨床現場最前線で働いている各先生方,そして医学教育に情熱を燃やし,秋から米国留学に行かれる共同編集の寺下真帆先生にこの場を借りて,厚く御礼を申し上げます.


谷澤雅彦(Masahiko Yazawa)

目次

特集:腎を救うのはあなた! 急性腎障害の診かた~AKIの初期評価から腎代替療法、コンサルトまで長期フォローにつなげる“一歩早い”診療のコツ

編集/谷澤雅彦,寺下真帆(聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科)

特集にあたって ~“一歩早く”AKIに対応するために[谷澤雅彦]

AKI診療で心に留めたいパール[村井由香里,藤田芳郎]

AKIの疫学・定義・一般的なマネジメント[大迫希代美,谷澤雅彦]

AKIにおける病歴聴取[太田紗代,龍華章裕,志水英明]

AKIの鑑別に際し有用な身体所見と細胞外液量評価[寺下真帆,冨永直人]

AKIに有用な尿・採血検査所見[座間味 亮]

AKIに有用な画像検査・モニター管理① 体液量の評価[堀川武宏,北野夕佳]

AKIに有用な画像検査・モニター管理② 重篤な合併症の評価[堀川武宏,北野夕佳]

AKIの治療:腎代替療法[高橋和成,藤井智子]

AKIの治療:体液・血圧管理と輸液・利尿薬[山本宇恭,内田大介,河原﨑宏雄]

AKIのコンサルテーション[下山皓太郎,長浜正彦]

AKIの予後[竹山恵梨子,井口直也]

連載

実践! 画像診断Q&A―このサインを見落とすな

下腹部痛で来院した50歳代女性[井上明星]

呼吸困難を主訴に来院した60歳代後半女性[塚田晃成,西村直樹]

なるほどわかった! 日常診療のズバリ基本講座

医師なら知っておきたい性の多様性 ~前編:性の多様性とは?~[小川尋海]

臨床検査専門医がコッソリ教える…検査のTips!

第68回 検診の肝機能異常の注意すべきポイントは?[後藤和人,樋渡亮平]

内科病棟診療のためのPractice-Changing Evidence いつもの診療をアップデート

第3回 心不全の治療薬アップデート ~ARNI編~[鈴木智晴]

よく使う日常治療薬の正しい使い方

冠動脈疾患における薬の使い方[三井健大朗,大塚文之]

リエゾン精神科医が教えます! しくじりから学ぶ精神科薬の使い方 Part2

第2回 睡眠薬のポリファーマシーについて[井上真一郎,(コラム)伊達泰彦]

こんなにも面白い医学の世界 からだのトリビア教えます

第98回 スポーツイベント中は院外心停止が増加する[中尾篤典]

そのモヤモヤちょっと考えてみませんか? 臨床倫理はじめて講座

第4回 透析の差し控えと中止[柏木秀行]

Step Beyond Resident

第226回 産褥期救急のピットフォール Part2 ~産褥期の頭痛の鑑別診断~[林 寛之]

対岸の火事、他山の石

第254回 嗅覚や聴覚のチェックをしてますか?[中島 伸]

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書籍情報

  • ISBN:9784758116886
  • ページ数:170頁
  • 書籍発行日:2022年10月
  • 電子版発売日:2022年10月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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