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- CLINICAL NEUROSCIENCE Vol.41 2023年4月号 脳腫瘍―WHO脳腫瘍分類2021改訂のポイント
商品情報
内容
2021年に第5版が発刊されたWHO脳腫瘍分類.第4版から導入されていた遺伝子異常に基づく分子診断の重要性はさらに高まり,その知識なくして脳腫瘍病理を理解することができなくなりました.
この特集はエキスパートによる解説で,遺伝子異常に基づく分子診断を中心にWHO脳腫瘍分類2021の改訂のポイントを効率よく理解できる内容となっています.
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序文
脳腫瘍―WHO脳腫瘍分類2021改訂のポイント
脳腫瘍の診断と治療は,WHOの脳腫瘍分類に基づき実践されています.このWHO脳腫瘍分類は,すでに2016年の第4版において遺伝子異常に基づく分子診断が取り入れられていましたが,この度2021年に第5版が発刊され,さらにその傾向が強まった大幅な内容変更が行われました.様々な腫瘍で分子診断が取り入れられ,その知識なくして脳腫瘍病理を理解することができなくなりました.神経膠腫では成人の神経膠腫と小児の神経膠腫が明確に分けられるという変更もありました.また,悪性度の考え方も変化し,これまで腫瘍横断的指標であったものが,悪性度は腫瘍型ごとに設定されるようになり,同一悪性度であっても腫瘍によって予後が異なることを認めるようになりました.悪性度表示もローマ数字からアラビア数字に変更されています.さらに下垂体腺腫についてもWHO 2022 Endocrinetumorsにおいて,PitNET(pituitary neuroendocrine tumor)へ名称が変更されています.そのようなWHO脳腫瘍分類2021の改訂のポイントを効率よく理解するために,それぞれの専門家の先生方に,遺伝子異常に基づく分子診断を中心に解説していただき,1冊にまとめる企画といたしました.
Aの総論の章では全体像を把握するために,WHO 2016からWHO 2021への改訂点の概要,ゲノム解析とその意義,網羅的メチル化解析,脳腫瘍診断技術の保険収載,がん遺伝子パネル検査,小児パネル検査,WHO 2021と臨床試験,将来予想される改訂,pituitary adenomaの位置づけとして,それぞれエキスパートに解説していただきました.さらに以下の章ではWHOの脳腫瘍分類に従い,神経膠腫系,上衣系腫瘍,胎児系腫瘍,脈絡叢,松果体系腫瘍,脳・脊髄神経系腫瘍,髄膜系腫瘍,間葉系腫瘍,胚細胞系腫瘍,トルコ鞍部腫瘍,遺伝性腫瘍に分けて章立てし,それぞれ重要な変更のあった腫瘍について解説をしていただきました.
この特集がWHO脳腫瘍分類2021改訂のポイントに関する読者の皆様の知識のアップデートと脳腫瘍診療のさらなる理解に役に立つことを願っております.
齊藤延人
目次
A.総論
WHO 2016からWHO 2021への改訂点:概要佐々木惇
WHO 2021におけるゲノム解析とその意義武笠晃丈
WHO 2021におけるDNAメチローム解析里見介史
脳腫瘍診断技術と保険収載市村幸一
WHO 2021分類とがん遺伝子パネル検査吉本幸司
WHO 2021と小児パネル検査中野嘉子
WHO 2021と臨床試験荒川芳輝
将来予想される改訂小森隆司
Pituitary adenomaの位置づけ西岡 宏
B.神経膠腫系
Adult-type diffuse gliomas田中將太
Pediatric-type diffuse low-grade gliomas香川尚己 他
Pediatric-type diffuse high-grade gliomas五味 玲
Circumscribed astrocytic gliomas増井憲太 他
Glioneuronal and neuronal tumors池村雅子
C.上衣系腫瘍
Ependymoma福岡講平
D.胎児系腫瘍
Medulloblastoma金村米博
Other CNS embryonal tumors鈴木まりお
E.脈絡叢,松果体系腫瘍
Choroid plexus tumors, Pineal tumors山崎文子 他
F.脳・脊髄神経系腫瘍
Schwannoma, Malignant peripheral nerve sheath tumorsなど寺西 裕 他
G.髄膜系腫瘍
Meningioma宮脇 哲 他
H.間葉系腫瘍
Mesenchymal tumors児島直樹 他
Chordoma, Chondrosarcoma長谷川洋敬
I.胚細胞系腫瘍
Germ cell tumors高見浩数
J.トルコ鞍部腫瘍
Craniopharyngioma井下尚子 他
K.遺伝性腫瘍
NF1,NF2,VHL,TSC高柳俊作 他
Other genetic tumor syndromes高橋雅道
連載
脳と神経の医学の歴史
中世ヨーロッパにおける脳の解剖学と医学坂井建雄
細胞のメカニズムと神経疾患
[生殖に関連する新しい神経内分泌機構(1)]
旧来の生殖制御機構とkisspeptin発見後の新しい生殖制御機構の考え方小澤一史
臨床中枢神経生理 A to Z
[聴覚誘発電位(1)]聴性脳幹反応(ABR)加賀佳美
臨床医のための神経病理 再入門(編集協力:亀井 聡)
真菌性髄膜炎・脳炎亀井 聡
検査からみる神経疾患
神経疾患の血液ニューロフィラメント検査徳田隆彦
Q&A―神経科学の素朴な疑問
片目でも立体的に見えるのはどうしてですか?藤田一郎
ニューロサイエンスの最新情報
学習は睡眠で強化される玉置應子
素顔のニューロサイエンティスト
Scott Makeig田中宏和
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書籍情報
- ISBN:9784002104104
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2023年4月
- 電子版発売日:2023年3月23日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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