遺伝性骨髄不全症診療ガイドライン2023

  • ページ数 : 112頁
  • 書籍発行日 : 2023年5月
  • 電子版発売日 : 2023年6月16日
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商品情報

内容

『先天性骨髄不全症診療ガイドライン2017』の改訂版!
厚労省難治性疾患政策研究事業「遺伝性骨髄不全症候群研究班」の研究成果に加え,集積した最新の臨床的な知見等を加えた.なお,「先天性血小板減少症」は独立して研究が行われ,別のガイドラインに収載となったため,遺伝性骨髄不全症と鑑別がむずかしい「先天性溶血性貧血」を新たに加えた.専門の先生をはじめ,小児科や一般内科の先生方にもご活用いただける1冊.

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序文

序文

骨髄不全症の代表的疾患は再生不良性貧血や骨髄異形成症候群であるが,小児においてはそれらの疾患のうちの約10%が遺伝性であるといわれている.遺伝性骨髄不全症はさまざまな遺伝的素因の関与によって造血細胞の分化・増殖が障害されて血球減少をきたす疾患群の総称である.原因遺伝子の関与はしばしば造血細胞のみにとどまらないため,血球減少に加えて特徴的な身体的所見を伴うことが多い.汎血球減少をきたす遺伝性骨髄不全症として,Fanconi貧血,先天性角化不全症,およびShwachman-Diamond症候群などが知られており,単一系統のみの血球減少を呈するものとして,Diamond-Blackfan貧血,遺伝性鉄芽球性貧血,congenital dyserythropoietic anemia,先天性好中球減少症などが含まれる.本ガイドラインではこれらの疾患に先天性溶血性貧血を加えて,診断,疫学,病因・病態,臨床症状,検査所見,治療およびフォローアップについて詳細に記載している.

遺伝性骨髄不全症は特徴的な身体的所見,血球形態異常および検査所見から診断をつけることは可能ではあるが,必ずしも特徴的な所見が揃うわけではなく診断は容易ではない.近年,次世代シークエンサーによって網羅的な遺伝子解析が可能になり,遺伝性骨髄不全症の原因遺伝子を一挙に解析するターゲットシークエンスが未知の遺伝子変異の探索に用いられている.その結果,遺伝性骨髄不全症の診断精度があがり,後天性骨髄不全症と考えられていた症例のなかから,遺伝性骨髄不全症が診断されることもみられている.遺伝性骨髄不全症のなかには易発がん性を有するものがみられるため,正確に診断し,起こりうる合併症を認識したうえで適切にフォローアップすることが重要である.また,正確な診断は治療方針の決定や造血細胞移植を行う際に適切な前処置を選択するためにも重要である.

本ガイドラインが2017年に発刊されてから数年が経過し,それぞれの疾患の新たな原因遺伝子が明らかになり病態解明も進歩していることから,今回,改訂を行った.本ガイドラインを参照し,遺伝性骨髄不全症を有する患者の正確な診断,適切な治療方針の選択およびフォローアップが行われることを願ってやまない.


2023年1月

一般社団法人 日本小児血液・がん学会 再生不良性貧血・MDS委員会委員長
濱 麻人

目次

I 本ガイドラインについて

1.はじめに

2.本ガイドラインの基本的な考え方,記載方法

3.遺伝性造血不全症の診断,治療

4.利益相反

5.ガイドラインの検証と改訂

II Diamond-Blackfan貧血

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①疾患概念

 ②診断基準

 ③鑑別診断

 ④重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

臨床症状

 ①貧 血

 ②身体の先天異常

 ③悪性腫瘍の合併

治療法

 ①輸 血

 ②薬物療法

 ③造血細胞移植

フォローアップ,問題点・将来の展望

文 献

III Fanconi貧血

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①疾患概念

 ②診断基準

 ③鑑別診断

 ④重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

臨床症状

 ①身体の先天異常

 ②悪性腫瘍の合併

治療法・治療指針

 ①輸 血

 ②薬物療法

 ③造血細胞移植

フォローアップ

文 献

IV 遺伝性鉄芽球性貧血

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①疾患概念

 ②診断基準

 ③鑑別診断

 ④重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

臨床症状・検査所見

 ①身体の先天異常

 ②悪性腫瘍の合併

 ③検査所見

治療法・治療指針

 ①薬物療法

 ②輸血療法

 ③造血細胞移植

フォローアップ,問題点・将来の展望

文 献

V Congenital dyserythropoietic anemia(CDA)

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①疾患概念

 ②診断基準

 ③鑑別診断

 ④重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

臨床症状・検査所見

治療法・治療方針

 ①輸血療法

 ②除 鉄

 ③脾 摘

 ④インターフェロン

 ⑤その他の薬物療法

 ⑥造血細胞移植(HCT)

フォローアップ,問題点・将来の展望

文 献

VI 先天性角化不全症

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①疾患概念

 ②診断基準

 ③鑑別診断

 ④重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

臨床症状・検査所見

 ①身体の先天異常

 ②悪性腫瘍の合併

 ③検査所見

治療法・治療指針

 ①薬物療法

 ②輸血療法

 ③造血細胞移植

フォローアップ,問題点・将来の展望

文 献

VII Shwachman-Diamond症候群

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①緒 言

 ②疾患概念

 ③診断基準

 ④鑑別診断

 ⑤重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

臨床症状

 ①臨床症状ならびに身体の先天異常

 ②悪性腫瘍の合併

治療法・治療指針

 ①血液学的合併症

 ②膵外分泌異常,栄養

 ③骨異常

 ④歯科的合併症

 ⑤神経発達

フォローアップ

文 献

VIII 先天性好中球減少症

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①緒 言

 ②疾患概念

 ③診断基準

 ④鑑別診断

 ⑤重症度分類

疫 学

病因・病態

 ①SCN1

 ②SCN2

 ③SCN3

 ④SCN4

 ⑤SCN5

 ⑥SRP54欠乏症

臨床症状

 ①臨床症状,身体所見

 ②検査所見

治療法・治療指針

 ①対症療法

 ②根治療法

 ③その他の治療戦略

フォローアップ

文 献

IX 先天性溶血性貧血

診断のフローチャート

診断へのアプローチ

 ①疾患概念

 ②診断基準

 ③鑑別診断

 ④重症度分類

疫 学

 ①発症頻度

 ②自然歴・予後

病因・病態

 ①赤血球膜異常症

 ②赤血球酵素異常症

 ③ヘモグロビンの異常

臨床症状・検査所見

 ①貧血・黄疸

 ②検査所見

 ③身体の先天異常の合併

 ④悪性腫瘍の合併

治療法

 ①輸血と除鉄治療

 ②脾 摘

 ③薬物療法

 ④造血細胞移植

フォローアップ,問題点・将来の展望

文献


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書籍情報

  • ISBN:9784787880833
  • ページ数:112頁
  • 書籍発行日:2023年5月
  • 電子版発売日:2023年6月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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