小児チック症診療ガイドライン

  • ページ数 : 88頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年2月9日
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商品情報

内容

短期間で軽快,消失する軽症例から,生活に支障をきたすトゥレット症とよばれる重症例まで幅広い症状をもち,子どもの5~10人に1人は経験するありふれた疾患であるチック症.
本書は日本で初のチック症診療ガイドラインであり,チック症診療に携わる一般小児科医,小児神経専門医,児童精神専門医はじめ,そのほかの医療従事者,教育関係者にも必携の1冊です!

序文

序文

チック症は,子どもの5 ~ 10 人に1 人が経験するありふれたものであり,比較的短期間で軽快したり,消失することも多いため,「くせ」の1 つとして見逃されがちです.一方,長期間にわたって激しいチック症が続き,生活に支障をきたすこともあります.特に,運動チックと音声チックがともにみられ,チック症が長期間続く場合にトゥレット症と呼ばれ重症例も経験しますが,トゥレット症の重症度も一様ではありません.トゥレット症には様々な精神行動上の問題を併存することがあり,それによっても状態が一人ひとり異なります.トゥレット症を含めてチック症を有する人のあり方は千差万別なのです.チック症全体に共通する点は,親の育て方の問題が原因ではなく,遺伝的素因が関与しており,大脳基底核と大脳皮質をつなぐ脳内回路の機能に問題があると想定されていることです.発達の過程で本人と周囲との関係によって,チック症の表現が変化することもあります.チック症は,DSM-5 の神経発達症群に含まれるようになりましたが,すでに社会的認知が進んでいる自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症などの神経発達症と比べて認知度が低く,適切な理解や対応がなされていないと思われます.また,一般小児科医と小児神経科医・児童精神科医との役割分担や連携についても明確な指針はありません.わが国におけるチック症診療のガイドラインはこれまで作成されたことはありませんでした.

このような背景から,日本小児神経学会では,ガイドライン統括委員会の指導のもと,2018年にチック症診療ガイドライン策定ワーキンググループを設置し,約4 年間の歳月をかけて「小児チック症診療ガイドライン」を作成しました.本ガイドラインが,チック症診療に携わる一般小児科医・小児神経専門医・児童精神専門医の先生方,医療従事者,教育関係者のお役に立つことを祈念いたします.


2023年12月

日本小児神経学会
チック症診療ガイドライン策定ワーキンググループ委員長  山下 裕史朗

目次

第1章 総論

1 疾患トピックの基本的特徴

 COLUMN Yale global tic severity scale(YGTSS)とpremonitory urge for tics scale(PUTS)

 COLUMN 溶連菌感染に伴う小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)

・診療アルゴリズム・フロー

第2章 推奨

CQ1 小児チック症として妥当な症状は何か?

CQ2 どの時期に治療を開始することが推奨されるか?また,年齢を判断基準にすることが推奨されるか?

CQ3 小児チック症への生活指導や疾病教育は推奨されるか?

CQ4 小児チック症の環境調整は推奨されるか?

CQ5 一般小児科医が初期治療として薬物治療(を行うこと)が推奨されるか?

   ⅰ.推奨される処方内容は?

   ⅱ.漢方薬は推奨されるか?

CQ6 小児チック症の治療に対する心理療法は推奨されるか?

   COLUMN チック症のための包括的行動的介入(CBIT)と遠隔心理療法

CQ7 小児チック症に併存するADHDの薬物治療に何が推奨されるか?

CQ8 専門医につなぐことが推奨される時期はいつか?

CQ9 小児チック症の診断に脳波検査/画像検査は推奨されるか?

CQ10 小児チック症に伴うOCDに推奨される治療は何か?

CQ11 専門医が行う本人・家族への生活指導内容で伝えることが推奨される内容は何か?

CQ12 以下の薬剤は治療薬として推奨されるか?

    ・リスペリドン

    ・アリピプラゾール

    ・抗てんかん薬(トピラマート,レベチラセタム)

    ・極少量レボドパ療法 43

    COLUMN 極少量レボドパ療法(0.5mg/kg/日)について

CQ13 小児チック症に対するハビットリバーサル(HRT),チック症のための包括的行動的介入(CBIT)および曝露反応妨害法(ERP)は推奨されるか?

    COLUMN トゥレット症に対する呼吸法について

    COLUMN トゥレット症に対する歯科スプリント治療について

    COLUMN トゥレット症の脳深部刺激療法(DBS)について

CQ14 内服治療の終了が推奨される時期はいつか?

・資料:文献検索式・文献


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書籍情報

  • ISBN:9784787881328
  • ページ数:88頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年2月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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