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- 医学のあゆみ289巻4号 活性酸素と酸化ストレス
商品情報
内容
・これらのROSは通常,生体内でバランスを保つ抗酸化防御メカニズムにより制御されているが,そのバランスが崩れると酸化ストレスが生じることになる.
・本特集では,現状での酸化ストレスと疾患研究との課題がたくさん提供される.本特集をヒントに,解決に向けた学術的・学際的研究が開始されることを切に望んでいる.
序文
はじめに
酸化ストレスは,細胞内での酸素の代謝過程や外部からの刺激によって生成される反応性の高い酸素種,いわゆる活性酸素(reactive oxygenspecies:ROS)の蓄積に関連している.これらのROSは通常,生体内でバランスを保つ抗酸化防御メカニズムにより制御されているが,そのバランスが崩れると酸化ストレスが生じることになる.ROSのなかでも,スーパーオキシドは不均化反応により過酸化水素,さらには遷移金属の存在下でヒドロキシルラジカルを生じるために,生体,特に疾患とROSあるいは酸化ストレスとの関わりを研究する場合にはいくつかの困難なハードルがあることも事実である.
細胞,マウスで確認された酸化ストレスに関する現象をヒトで確認し,治療,予防に応用するためには依然として未解決の課題が多数存在している.生体試料を用いて酸化ストレスを証明するために,ex vivo検体でのROS発生の確認,特異的酸化生成物をバイオマーカーとして利用することが応用されてきた.8‒OH‒dG(8‒hydroxy‒2′‒deoxyguanosine)のような酸化的DNA損傷マーカー,脂質過酸化特異的タンパク質の翻訳後修飾物などの血液,細胞,組織での定量により,ある程度特異的な酸化ストレス反応を推定することができるようになった.しかし,酸化ストレス研究から生まれた創薬は限られている.スーパーオキシド不均化酵素(superoxide dismutase:SOD)に期待が集まり,いくつかの企業が創薬に向けて研究を開始したが,その多くが副作用ではなく,有効性の問題で撤退したように記憶している.
臨床研究を加速化するためには,ROS,酸化生成物,その下流のシグナルを時間,空間を超えて人体でモニタリング,イメージングする技術の開発が必須である.さらには使用する薬剤の到達部位を特異的にするだけでなく,そのことを証明するイメージング技術開発も必須である.
本特集では,現状での酸化ストレスと疾患研究との課題がたくさん提供されている.この書をヒントに,解決に向けた学術的・学際的研究が開始されることを切に望んでいる.ご多忙中にもかかわらずご執筆いただいた先生方に厚く御礼申し上げます.
内藤裕二
京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学
目次
特集:活性酸素と酸化ストレス
はじめに
内藤裕二
酸化ストレスとパーキンソン病
大内翔悟・他
心筋虚血/再灌流障害における酸化ストレスの役割と新たな治療法の展望
木谷友哉・的場聖明
炎症性腸疾患と酸化ストレス
髙木智久・他
肝臓がんと酸化ストレス
仁科惣治
慢性腎疾患(CKD)と酸化ストレス
鈴木健弘・阿部高明
糖尿病と酸化ストレス
奥野陽亮・下村伊一郎
自閉スペクトラム症における酸化ストレス
松﨑秀夫・臼井紀好
がんとフェロトーシス
豊國伸哉
活性酸素による代謝系のリモデリングはマクロファージの活性化ならびに脂肪性肝疾患の原因となる
藤井順逸
放射線障害と酸化ストレス
松本謙一郎・他
TOPICS
免疫学
免疫療法抵抗性がんの新しい治療標的の解明─ がん細胞をT細胞サイトカインに感受性化する
伊藤能永
疫学
中皮腫の疫学に関する最近の知見(2つの海外事例を含む)
森永謙二・佐藤恭子
連載
臨床医のための微生物学講座10 アスペルギルス
田代将人・泉川公一
緩和医療のアップデート❺ 皮膚疾患のマネジメント─ 発汗・かゆみ・褥瘡・潰瘍性腫瘍(腫瘤)のアプローチとマネジメント
金石圭祐
FORUM
日本型セルフケアへのあゆみ23 膵臓がんの治療とケア
児玉龍彦
病院建築への誘い ─ 医療者と病院建築のかかわりを考える10
亀谷佳保里
死を看取る ─ 死因究明の場にて11 死亡診断③
大澤資樹
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書籍情報
- ISBN:9784006028904
- ページ数:70頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2024年4月24日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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