- m3.com 電子書籍
- シリーズ
- 臨床医学:内科系
- ねころんで読める
- ねころんで読める頭痛学 診断と治療
商品情報
内容
WEBの「頭痛大学」などでおなじみのドクター間中が頭痛の診断、治療のポイントを知的に楽しく解説。「片頭痛? 緊張型? くも膜下出血? それとも?」とアタマを悩ます疑問をすっきり解決し、今日から臨床で使える一冊。巻末に、国際頭痛分類第2版による区分、主な頭痛診断基準、頭痛ダイア リーなどを収載。
>『 ねころんで読める』シリーズ
序文
「頭痛はなにも知らなくとも50%治せる,頭痛を知り尽くしても50%しか治せない」.これは半世紀近い頭痛診療に携わってきた私の実感である.医学部卒業当時は頭痛を「頭痛とは頭の痛い病気(症状),痛み止めをのめば治るもの」と軽くみていた.これでも頭痛患者の半分は対処できていた(と軽信).その後,頭痛診療の研鑽を積み,MR/CT という診断とトリプタンという治療の武器を手に入れて,頭痛の診療に立ち向かっているが,うまく診断が付かない,うまく治せない患者に遭遇する.今も自分の診療結果の50%に不満を感じている(おそらく患者も).例えば薬物乱用頭痛,慢性連日性頭痛,頭痛による不登校の患者にはいまだに万全策がない.
「たかが頭痛,されど頭痛」,これほど頭痛診療の本質をついたフレーズはない.
私の脳神経外科の恩師・佐野圭司東京大学名誉教授(1920 ?2011)が,退官記念講演(1981)で「脳神経外科を志したものは『La Nef des Fous』(Bosch,図)の乗員のごとくバカか変わり者と他科の人たちからあざけられ,その前途は暗澹たるものがあった」と話されたのを鮮明に覚えている.東大に初めて脳神経外科学の講座が開設されたのは1962 年であり,当時は脳神経外科の世間的認知度はきわめて低かった.交換台(昔は交換手が東大全体の電話を取り次いでいた)に「"のうげか"につないでください」と言うと,「農芸化学」につなながれたという語り草があるほどである.
それから20 年たった2001 年に,頭痛の世界的権威・Goadsby が「Going into headache research was once considered a mild form ofpsychopathy」と述べておられる1).ちょうど脳神経外科のたどった道を頭痛がたどっていると感じた.現在,日本頭痛学会では日本専門医制評価・認定機構に専門医の認知を願い出ているが,「なんで頭痛の専門医?」と訝しがられている.「頭痛の専門医が必要なら"ほっぺた科"も作らくては」などと揶揄される始末である.頭痛には国際雑誌"Cephalalgia"と米国には"Headache"という2 大専門誌があり,そのほか一流の雑誌にquality の高い論文が盛んに発表されているのを見れば機構も認識を改めるであろう.
私が頭痛に興味を持った経緯は,昭和42(1967)年の事,ある日,医局の廊下を歩いていたところ,喜多村孝一脳神経外科助教授(当時,その後,東京女子医科大学脳神経センター所長,1922 ?1995)に呼び止められ,ご自身のお書きになった別冊2)を渡された.「君,これを読んで,もし興味がわいたら,頭痛の研究をしてみないか」.その論文を読んで頭痛がサイエンスであることに括目した.ちょうどそのころ私は脳神経外科の外来も担当するようになっており,頭痛患者と格闘していた.頭痛をよく識っていたほうが将来診療がうまくいくであろうな,と直感して頭痛の道に入ったのである.おそらく日本の頭痛学の開祖・喜多村先生も同様の思いで頭痛学に求道されたのであろう.
最近は日本の頭痛診療レベルは急速に向上し,すそ野が広がっていることを痛感する.読者の諸氏が,この本によってこれまで以上に頭痛に興味を持ち,頭痛の良師である患者が「笑顔で帰れる頭痛外来」の演出家になっていただき,サイエンス,クリニカルの両面から,独創的な頭痛研究を世界に発信してほしい.そして「だれの頭痛もさらば頭痛」の時代を実現するパイオニアとなられることを切望して,序文のことばとする.
頭痛の日(2 月22 日)に著者識す.
温知会間中病院 間中信也
目次
・序文
<1>片頭痛の診断
~難しい? 易しい? 機能性頭痛一元論~
<2>片頭痛の前兆
~変・頭・痛・の特産品「アウラ」~
<3>片頭痛の慢性化
~底なし沼の片頭痛~
<4>片頭痛治療の歴史
~神殿からエビデンスの時代へ~
<5>片頭痛と脳卒中
~そのリスクと真相に迫る~
<6>緊張型頭痛
~蜃気楼のような頭痛~
<7>群発頭痛
~最強の頭痛軍団~
<8>雷鳴頭痛
~くも膜下出血の誤診は「金槌,バット」の一つ覚えから~
<9>頭頚部外傷後遺症の頭痛
~どうしてそんなに長引くのか~
<10>頭痛診療の問診
~小児の頭痛から女性の頭痛まで~
<11>頭痛ア・ラ・カルト
~目からウロコの頭痛トリビア~
<資料編>
・資料1 国際頭痛分類第2 版による区分
・資料2 主な頭痛診断基準
・資料3 適用外使用が認められた頭痛薬
・資料4 トリプタン系薬剤一覧 (5HT1B/1D 受容体作動型片頭痛治療薬)
・資料5 片頭痛急性期治療 ―薬効群別―
・資料6 My 頭痛ダイアリー
・索引
・著者略歴
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:15.6MB以上(インストール時:33.9MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:62.4MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:17.2MB以上(インストール時:42.9MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:68.8MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784840444705
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2013年4月
- 電子版発売日:2013年9月20日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。
※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。