医学のあゆみ286巻2号 オキシトシンの向精神作用と精神疾患治療応用への展望

  • ページ数 : 70頁
  • 書籍発行日 : 2023年7月
  • 電子版発売日 : 2023年7月3日
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内容

企画:門司 晃(慈光会若久病院院長)
・近年,オキシトシンは下垂体後葉だけでなく脳内の他の部位でも分泌されることが判明し,分泌されたオキシトシンは扁桃体や大脳皮質などにおいて作用し,抗ストレス作用,摂食抑制作用などを示すことが明らかになった.
・オキシトシンをヒトに経鼻投与する実験により金銭取引で相手との信頼関係を高めることがわかり,精神科領域においては,自閉スペクトラム症(ASD)の社会行動障害を改善する効果が期待されている.
・本特集では,オキシトシンの神経機能解剖学,抗炎症作用,精神科領域(統合失調症,ASD,知的・発達障害,高齢者など)での向精神作用や課題に関して,各分野での第一人者にそれぞれの研究を紹介していただく.

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序文

はじめに

オキシトシンは,視床下部後葉から下垂体に直接軸索をのばして投射する9個のアミノ酸からできたペプチドホルモンであり,視床下部で合成され下垂体後葉に運ばれる.出産時には,視床下部オキシトシン産生ニューロンが興奮し,オキシトシンを放出することによって,子宮を収縮させて分娩を進行させる.また,母親の乳首を吸うことに刺激されて視床下部オキシトシン産生ニューロンが興奮し,乳汁分泌が促進される.

近年,オキシトシンは下垂体後葉だけでなく脳内の他の部位でも分泌されることが判明し,分泌されたオキシトシンは扁桃体や大脳皮質などにおいて作用し,抗ストレス作用,摂食抑制作用などを示すことが明らかになった.つまり,末梢組織で働くホルモンとしての作用,中枢神経での神経伝達物質としての作用の二面性をオキシトシンは有していると現在では考えられている.オキシトシンをヒトに経鼻投与する実験で,金銭取引における相手との信頼関係を高める影響があることを示した研究などを嚆矢として,オキシトシンの社会行動への作用が特に注目され,精神科領域においては自閉スペクトラム症(autismspectrum disorder:ASD)の社会行動障害を改善する効果が期待されているのは周知の事実である.しかし前述のように,オキシトシンの中枢神経系への作用は多岐にわたることが想定され,精神科領域におけるオキシトシンの役割はさらに広がることが期待されている.

本特集ではこれらの点を踏まえて,まず「オキシトシンの神経機能解剖学」に関して最新の知見を紹介していただくことを皮切りに,「オキシトシンの抗炎症作用」,「統合失調症とオキシトシン」,「ASDとオキシトシン」,「向社会的行動とオキシトン」,「行動障害を伴う知的・発達障害児(者)とオキシトシン」,「オキシトシンと高齢者の心理・認知機能」といった課題に関して,各分野でのわが国の第一人者にそれぞれの研究を紹介していただく.これらの知見を通じて,オキシトシンの多岐にわたる向精神作用を理解し,精神疾患治療応用への道のりを考える機会を提供したいと考えている.


企画:門司 晃(慈光会若久病院院長)

目次

特集 オキシトシンの向精神作用と精神疾患治療応用への展望

はじめに

オキシトシンの神経機能解剖学

ミクログリアにおけるオキシトシンの病態的役割

統合失調症とオキシトシン作動性システム障害

オキシトシン経鼻投与の応用による自閉スペクトラム症中核症状治療薬の開発

信頼におけるオキシトシンの役割

行動障害を伴う知的・発達障害児(者)とオキシトシン

高齢者の精神的健康を維持するために―オキシトシンに着目して

【連載】

医療システムの質・効率・公正―医療経済学の新たな展開(4)

地域医療計画・地域包括ケアシステムとその将来

【TOPICS】

皮膚科学

顧みられない熱帯病:ブルーリ潰瘍

生化学・分子生物学

ミトコンドリアから細胞核への逆行性シグナルによるエンハンサーリモデリング

【フォーラム】

後悔しない医学英語論文の投稿に向けて―Editorの視点から(1)

論文投稿に際してのパラダイムシフト①

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書籍情報

  • ISBN:9784006028602
  • ページ数:70頁
  • 書籍発行日:2023年7月
  • 電子版発売日:2023年7月3日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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