臨牀透析 Vol.39 No.7 増刊号「透析施設における感染症対策2023」

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2023年6月
  • 電子版発売日 : 2023年6月13日
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商品情報

内容

特集「透析施設における感染症対策2023」

2020年より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行して,医療現場における感染対策の重要性が再認識された.
COVID-19の流行により,臨床からの感染症のエビデンスが多く報告され,感染対策による予防やワクチン接種による重症化予防効果が確認された. 5類移行後における無症状・軽症患者に対する外来透析を行う際の隔離透析期間等の考え方についても記載

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序文

序文


2020年より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行して,医療現場における感染対策の重要性が再認識された.

すべての患者が感染症に罹患しているかどうかを診療前に把握することは現実的に困難であり,すべての患者が感染症に罹患している可能性があるものとして対応する必要がある.とくに適切な手指衛生の実施とマスクやアイガードなどの個人防護具の着用を行う標準予防策は,非常に重要な感染対策であり,COVID-19流行後は全国の医療現場で遵守されるようになった.

本邦の透析施設では,「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン」1)に基づく感染対策が行われており,COVID-19流行前より透析室の医療従事者には以下が推奨されている.

・透析室ではサージカルマスクを着用し,穿刺や止血などの手技や処置の前には,未使用のディスポーザブル手袋を着用する.

・手技の前後では,石けんと流水による手洗いまたは速乾性手指消毒薬による手指衛生を行う.

・透析の開始や終了,創部の処置などを行う場合は,ディスポーザブルの非透水性ガウンまたはプラスチックエプロン,サージカルマスク,ゴーグルあるいはフェイスシールドを着用する.この推奨を遵守している施設では,流行後に新たな感染対策の追加は少なかったと考えられる.

しかし,全国調査の結果では,COVID-19流行前のマスクの着用は87.0 %,エプロンまたはガウンの使用状況は58.0 %,フェイスシールドまたはゴーグルの使用状況は51.7%であり2),多くの施設でガイドラインの推奨を遵守していなかった状況が確認された.

新興感染症のパンデミックに対して,ワクチンによる予防や抗ウイルス薬による治療は非常に重要であるが,この開発には長い時間を要することから,いつからどのくらい供給できるかなど,不確定要素が非常に多い.実際に,COVID-19に対するワクチンの接種開始は,高齢者や透析患者などが2021年4月であり,内服による抗ウイルス薬の使用開始は,2021年12月であった.今後も,新興感染症のパンデミックが起こる可能性はあり,ガイドラインで推奨される基本的な感染対策の継続は非常に重要である.

一方,COVID-19の流行により,臨床からの感染症のエビデンスが多く報告され,感染対策による予防やワクチン接種による重症化予防効果が確認された.

本企画では,手指衛生,血液透析の手順,環境消毒,各感染症への対応や治療,ワクチンについて,各分野のエキスパートの先生方から解説いただくこととした.

この企画は秋葉隆先生が発案されましたが,2022年にご逝去されたため,秋葉隆先生の弟子である私が担当させていただくこととなりました.

長年にわたり腎・透析領域の感染症対策にご尽力した秋葉先生のお仕事は,とこしえに学会の指針としてわれわれの中に残ることでしょう.

わが師である秋葉隆先生の仕事を引き継ぎ,この特集を企画させていただいたことに感謝します.


2023年5月

下落合クリニック
菊地 勘


文献・参考URL(2023年5月現在)

1)日本透析医会:透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン(5訂版).http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/07_manual/doc/20200430_infection%20control_guideline.pdf

2)Sugawara Y, Iwagami M, Kikuchi K, et al. Infection prevention measures for patients undergoing hemodialysis during the COVID―19 pandemic in Japan: a nationwide questionnaire survey. Ren Replace Ther 2021;7:27

目次

第1章 感染予防の基本

1.透析患者はなぜ感染症に罹患しやすいのか?

2.院内感染防止対策のための基本

3.手指衛生と消毒

1)手洗いと手指消毒の必要性と方法

2)透析室での環境消毒と消毒薬の選択

4.感染対策を考慮した血液透析の手順

5.透析室での個人防護具

6.ワクチン接種の基本知識

7.感染予防のための患者教育と医療従事者教育

8.腹膜透析関連感染症

9.バスキュラーアクセスとカテーテルの管理

1)バスキュラーアクセス(カテーテルを除く)の管理と感染対策

2)透析用カテーテル管理と感染対策―非カフ型カテーテルとカフ型カテーテルの管理

第2章 感染予防各論

1.インフルエンザ

1)インフルエンザと新型コロナウイルス感染症への感染対策

2)インフルエンザワクチンと治療

2.新型コロナウイルス感染症

1)新型コロナウイルスワクチン

2)新型コロナウイルス感染症の治療

3.肝炎ウイルス

1)血液媒介感染症(HBVとHCV)の感染対策

2)B型肝炎の管理と治療

3)HBワクチン

4)C型肝炎の管理と治療

4.HIV

1)HIV感染透析患者の管理と対策

2)HIV感染症の治療

5.多剤耐性菌のマネジメント(MRSA)―感染対策のシンプル・マインド

6.結核症の診断

7.ノロウイルスなどの感染性胃腸炎への感染対策

8.感染性心内膜炎

9.肺炎球菌

1)肺炎球菌ワクチン接種

2)透析患者の肺炎―抗菌薬,その前に

10.HPVワクチン

11.帯状疱疹ワクチン

Column新型コロナウイルス感染症の5 類移行後における無症状・軽症患者に対する外来透析を行う際の隔離透析期間等の考え方について

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書籍情報

  • ISBN:9784004103907
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2023年6月
  • 電子版発売日:2023年6月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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