医学のあゆみ264巻12号 DAMPsと疾患・創薬

  • ページ数 : 70頁
  • 書籍発行日 : 2018年3月
  • 電子版発売日 : 2023年7月19日
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内容

DAMPsと疾患・創薬
西堀 正洋(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科薬理学分野)

 病原微生物の認識・検出機構として,パターン認識受容体としてのToll-like receptors(TLRs)が自然免疫において果たす役割が2000年頃からつぎつぎに明らかにされ,それらの受容体群によって認識される病原体由来の群特異的物質は,pathogen-associated molecular patterns(PAMPs)とよばれるようになった.一方,感染症における自己組織の損傷や崩壊の結果,細胞内生体成分が細胞外へ放出されることは,壊死細胞を典型例として容易に想像される.また,感染を伴わない形での組織障害,たとえば虚血や外傷などによっても,細胞内成分の細胞外への放出は起こりうる.(序文より一部抜粋)

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序文

はじめに

病原微生物の認識・検出機構として,パターン認識受容体としてのToll-like receptors(TLRs)が自然免疫において果たす役割が2000 年頃からつぎつぎに明らかにされ,それらの受容体群によって認識される病原体由来の群特異的物質は,pathogen-associatedmolecular patterns(PAMPs)とよばれるようになった.一方,感染症における自己組織の損傷や崩壊の結果,細胞内生体成分が細胞外へ放出されることは,壊死細胞を典型例として容易に想像される.また,感染を伴わない形での組織障害,たとえば虚血や外傷などによっても,細胞内成分の細胞外への放出は起こりうる.

これらの多様な生体成分のなかで,high mobility group box-1(HMGB1)は,マウスのエンドトキシン血症による致死性の原因物質のひとつであることが突きとめられ,大きな注目を集めることとなった.その後の研究で,HMGB1 はreceptor for advanced glycationendproduc(t RAGE)とともに,TLR-4/2 も受容体として結合・刺激し,細胞効果を発揮することが明らかにされた.現在,HMGB1 は細胞・組織障害関連分子群(damage-associatedmolecular patterns:DAMPs)の代表と認識されるようになったが,ある種のDAMPs の認識・検出機構はPAMPs と重なり合っている.

今回の特集ではDAMPs 概念の確立に伴い,より広範囲の物質群,具体的にはプロサイモシンα,peroxiredoxins,ヒストン,IL-33,尿酸,ATP,S100 蛋白を取り上げ,わが国の第一線で活躍されている先生方にそれぞれのテーマでの執筆をお願いした.DAMPs 研究の最前線を知る内容になったことに対し,この場をお借りし厚くお礼申し上げる.また,2 年ごとに開催されている国際DAMPs & Alarmins Symposium が,2019 年11 月,はじめて日本(岡山)で開催されることを主催者としてご案内申し上げる.


西堀 正洋(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科薬理学分野)

目次

特集 DAMPsと疾患・創薬

はじめに 西堀正洋

DAMPs としてのHMGB1と創薬 森 秀治・西堀正洋

神経保護性のDAMPs 分子プロサイモシンαの神経生物学 植田弘師

脳とDAMPs による無菌的炎症 七田 崇

細胞外ヒストンと臓器不全 伊藤隆史

DAMP としてのIL-33 大野建州・中江 進

DAMPs としての尿酸 金井好克

最初期DAMPs としてのATP の役割 小泉修一

DAMP センサーRAGE の多様な生理機能を生み出す信号伝達の最前線- RAGE 信号伝達の新展開 阪口政清

連載

救急医学-現状と課題(13)

 医師会における救急・災害医療への取組み:東京都を例に(後編)-救急需要対策を推進し自然災害や集団災害などの有事に備える 石川秀樹

Sustainable Development を目指した予防医学(3)

複合的観点からみた糖尿病の予防医学 櫻井健一

TOPICS

アレルギー学 腸管免疫を利用したスギ花粉症に対する新しい経口免疫療法 村上大輔

免疫学 転写因子E-Id 蛋白質の制御軸が獲得系リンパ球の分化を規定し,自然リンパ球との分化の分岐点を制御する 宮崎正輝・宮崎和子

癌・腫瘍学 がんのプライマリ・ケア遺伝診療 岩泉守哉

FORUM

認知症研究の成果還元と啓発活動-アメリカのアプローチに学ぶ 井原涼子

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書籍情報

  • ISBN:9784006026412
  • ページ数:70頁
  • 書籍発行日:2018年3月
  • 電子版発売日:2023年7月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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