医学のあゆみ265巻2号 内分泌緊急症

  • ページ数 : 70頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2023年7月19日
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商品情報

内容

内分泌緊急症
伊藤 裕(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科)
栗原 勲(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科)

 内分泌緊急症は,内分泌・代謝疾患のなかでも重症度が高く,全身に障害をきたす致死性の病態であり,適切な病態の把握と早期の治療介入を要する.初期対応の誤りが重篤な転帰を招くことに警鐘が鳴らされる一方,内分泌・代謝疾患自体に希少性が高いものも多く,診療の現場ではまだまだ克服すべき課題の多い対象疾患のひとつである.さらに,一般的な内分泌・代謝疾患の診療と異なり,内分泌・代謝専門医にコンサルトする時間的猶予がないことも多く,一般内科医や救急医による初期対応が求められる.そのため,内分泌・代謝診療を扱う諸学会では,診療ガイドライン作成などを通じて,診療の質の向上に向けた積極的な取組みが行われている.(序文より一部抜粋)

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序文

はじめに

内分泌緊急症は,内分泌・代謝疾患のなかでも重症度が高く,全身に障害をきたす致死性の病態であり,適切な病態の把握と早期の治療介入を要する.初期対応の誤りが重篤な転帰を招くことに警鐘が鳴らされる一方,内分泌・代謝疾患自体に希少性が高いものも多く,診療の現場ではまだまだ克服すべき課題の多い対象疾患のひとつである.さらに,一般的な内分泌・代謝疾患の診療と異なり,内分泌・代謝専門医にコンサルトする時間的猶予がないことも多く,一般内科医や救急医による初期対応が求められる.そのため,内分泌・代謝診療を扱う諸学会では,診療ガイドライン作成などを通じて,診療の質の向上に向けた積極的な取組みが行われている.

下垂体疾患,甲状腺疾患,副腎疾患,糖代謝疾患,カルシウム(Ca)代謝疾患など,内分泌・代謝疾患のどの領域でも,内分泌緊急症は発症しうる.また病態として,ホルモン過剰によってもたらされるものと,ホルモン欠乏によってもたらされるものが存在する.本企画では,内分泌緊急症として代表的な疾患を取り上げ,各領域の第一線でご活躍されている先生方に執筆を依頼し,病態の概要および診療向上における取組みをそれぞれ専門のお立場からご解説いただく.内分泌・代謝疾患は,その希少性ゆえに,まだまだ十分なエビデンスが得られにくい領域も存在する.近年,診療ガイドラインや診療指針が策定された領域も含め,今後もエビデンス蓄積の動向に注目してほしい.

日本内分泌学会は,2017 年11 月に,学会創設90 周年を祝し記念式典を行った.そのさい,“神戸宣言”として,エキスパートの育成,地域への適切な医療環境の提供などを含む5 つの内容から構成される,この先10 年間の内分泌診療向上に向けた提言を行った.本企画が,内分泌緊急症に遭遇しうるすべての医療人にとって,理解を深める一助となり,提言に即した地域医療への貢献につながれば幸いである.


伊藤 裕(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科)
栗原 勲(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科)

目次

特集 内分泌緊急症

はじめに 伊藤 裕・栗原 勲

下垂体卒中 福原紀章

甲状腺クリーゼ 赤水尚史

粘液水腫性昏睡 大野洋介・他

副腎クリーゼ 田邉真紀人・柳瀬敏彦

褐色細胞腫クリーゼの治療 成瀬光栄・立木美香

糖尿病緊急症-診断と治療のポイント 及川洋一・島田 朗

カルシウム代謝疾患の救急 竹内靖博

連載

救急医学-現状と課題(14)

陸上自衛隊における救急医療の現状とこれから 竹島茂人

Sustainable Development を目指した予防医学(4)

アレルギーと予防医学 下条直樹

TOPICS

生化学・分子生物学 RNA 分解酵素Regnase-1 による鉄代謝制御 吉永正憲・竹内 理

病理学 パリシステム-はじめての国際的尿細胞診報告様式 都築豊徳・他

糖尿病・内分泌代謝学 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017 のポイント 木下 誠

FORUM

【NEW】Choosing Wisely キャンペーンとは(1) Choosing Wisely キャンペーンは何をめざしているか-序に代えて 小泉俊三

パリから見えるこの世界(67) パウル・カンメラーとウィリアム・サマリン,あるいは科学を歪めるもの 矢倉英隆

次号予告

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書籍情報

  • ISBN:9784006026502
  • ページ数:70頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2023年7月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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