医学のあゆみ264巻6号 大改定:血液製剤の使用指針

  • ページ数 : 70頁
  • 書籍発行日 : 2018年2月
  • 電子版発売日 : 2023年8月8日
¥1,430(税込)
ポイント : 26 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

大改定:血液製剤の使用指針
松下 正(名古屋大学医学部附属病院輸血部.同検査部)

 厚生労働省が策定した「血液製剤の使用指針」は1999年以降臨床医学のあらゆる領域において利用されてきたが,大規模な改定は行われていなかった.一方,診療の方針は科学的根拠に基づいたものであることが望ましく,他の多くの診療場面と同様に科学的に作成された「ガイドライン」により可視化された形で提供されることが望ましい.使用指針によれば,血液製剤を使用する目的は,「血液成分の欠乏あるいは機能不全により問題となる症状に対してその成分を補充して症状の軽減をはかること(補充療法)」であり,「到達すべき目標値をあらかじめ設定し必要成分量を血管内外の分布や代謝速度を考慮して計算,状況に応じて補充間隔を決める必要がある」とされた.しかしその際の“問題となる症状”をひとつひとつ取り出して検討する場合には,いわゆる“エビデンスに基づいた”標準的な治療法によるのが望ましい.すなわち“治療開始のトリガー”“目標値の達成の仕方”などについては主として臨床研究により最善の手法を探求する必要がある.これまでの指針では,主として各成分の生理的と思われる必要量,生命に危険を及ぼすと考えられるレベルに到達しないように手当てする方法に主眼がおかれ,エビデンス(文献)を評価し,有用性に基づいた推奨レベルの設定が行われているとはいいがたかった.日本輸血・細胞治療学会ではガイドライン委員会を拠点に3年間にわたり,個々のエビデンス(文献)の単なる質のみならず“アウトカム”を評価し,推奨されるべき輸血療法をガイドラインとしてまとめた.この結果はこれまで行政文書の意味合いが強かった指針が,科学的背景をもとに行われた初の大規模な改定に利用され,2017年3月に利用可能となった.本特集では,ガイドライン委員会の5つのタスクフォースのリーダーの先生方にお願いし,新指針の基本となる学会ガイドラインがどのようなものか正確な解説をお願いすることとした.(序文より一部抜粋)

≫ 「医学のあゆみ」最新号・バックナンバーはこちら

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

はじめに


厚生労働省が策定した「血液製剤の使用指針」は1999年以降臨床医学のあらゆる領域において利用されてきたが,大規模な改定は行われていなかった.一方,診療の方針は科学的根拠に基づいたものであることが望ましく,他の多くの診療場面と同様に科学的に作成された「ガイドライン」により可視化された形で提供されることが望ましい.使用指針によれば,血液製剤を使用する目的は,「血液成分の欠乏あるいは機能不全により問題となる症状に対してその成分を補充して症状の軽減をはかること(補充療法)」であり,「到達すべき目標値をあらかじめ設定し必要成分量を血管内外の分布や代謝速度を考慮して計算,状況に応じて補充間隔を決める必要がある」とされた.しかしその際の“問題となる症状”をひとつひとつ取り出して検討する場合には,いわゆる“エビデンスに基づいた”標準的な治療法によるのが望ましい.すなわち“治療開始のトリガー”“目標値の達成の仕方”などについては主として臨床研究により最善の手法を探求する必要がある.これまでの指針では,主として各成分の生理的と思われる必要量,生命に危険を及ぼすと考えられるレベルに到達しないように手当てする方法に主眼がおかれ,エビデンス(文献)を評価し,有用性に基づいた推奨レベルの設定が行われているとはいいがたかった.日本輸血・細胞治療学会ではガイドライン委員会を拠点に3年間にわたり,個々のエビデンス(文献)の単なる質のみならず“アウトカム”を評価し,推奨されるべき輸血療法をガイドラインとしてまとめた.この結果はこれまで行政文書の意味合いが強かった指針が,科学的背景をもとに行われた初の大規模な改定に利用され,2017年3月に利用可能となった.本特集では,ガイドライン委員会の5つのタスクフォースのリーダーの先生方にお願いし,新指針の基本となる学会ガイドラインがどのようなものか正確な解説をお願いすることとした.


松下 正
名古屋大学医学部附属病院輸血部,同検査部

目次

特集 大改定:血液製剤の使用指針

はじめに 松下 正

日本輸血・細胞治療学会の新しい血液製剤使用ガイドライン 松本雅則

輸血のガイドラインの作製方法 松下 正

赤血球製剤の使用ガイドライン(自己赤血球を含む) 米村雄士

血小板製剤の使用ガイドライン 高見昭良

新鮮凍結血漿の使用ガイドライン 長谷川雄一

アルブミン製剤の使用ガイドライン 安村 敏

科学的根拠に基づく新生児・小児輸血のガイドラインの概説 北澤淳一

連載

テレメディシン-遠隔医療の現状と課題(17)

電子カルテ情報の臨床研究への活用-現状と課題 美代賢吾

救急医学-現状と課題(8)

敗血症診療の現状と課題 立石順久・織田成人

TOPICS

消化器内科学 Clostridium difficile 感染症の診断と治療の進歩 大川清孝

脳神経外科学 O-armナビゲーションシステムを用いた脊椎手術 下川宣幸

循環器内科学 CTRP ファミリー蛋白質と心血管病 柴田 玲・他

FORUM

パリから見えるこの世界(65) 瞑想生活から省察生活へ,あるいは新しい内的均衡への移行 矢倉英隆

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:20.7MB以上(インストール時:44.0MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:82.9MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:20.7MB以上(インストール時:44.0MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:82.9MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784006026406
  • ページ数:70頁
  • 書籍発行日:2018年2月
  • 電子版発売日:2023年8月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。