みんなで考える認知症

  • ページ数 : 88頁
  • 書籍発行日 : 2012年6月
  • 電子版発売日 : 2013年6月1日
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商品情報

内容

ほんとうの認知症医療を、みんなで考えよう!

認知症医療のあるべき姿を提示し、理論に基づき、認知機能のみに焦点を当てた認知症薬物療法から、臨床の実際に基づき、非薬物療法を巧みに組み合わせた薬物療法へ。認知症医療に関わるすべての人の必携書です。

序文

認知症とは,いったん正常に発達した知能(認知機能)が後天的に低下し,生活に支障をきたした状態です.初期の認知症患者さんを診ていると,今まで簡単に出来ていたことが出来なくなることで混乱することがあります.それはそうでしょう.今まで出来ていたことが出来なくなれば,誰しもある種の喪失感を感じるはずです.医師から客観的に認知機能の低下を伝えられても,患者さんや家族はそれを簡単に受け入れることはできません.

そこで視野を少しだけ広げてみましょう.認知症は私たち人間にだけみられる疾患なのでしょうか.いえ,私たちの身近な動物である犬にも発症します.認知症は人間以外の動物にも発症する普遍的な脳の疾患です.だから,日夜,多くの研究者たちが認知症を解明しようと努力しています.認知症に偏見を持たず,脳の器質的疾患として医学的に対応しなければなりません.

しかし認知症は医学だけでは解決できません.介護問題など必ず家族や地域を巻き込むからです.とくに認知症の周辺症状である問題行動は家族を悩ませます.しかし認知症を発症してもその人らしさが消えるわけではありません.心理面や社会面を考えた対応で,これらの周辺症状に立ち向かい,家族が共倒れにならないようにしなければなりません.

本書は,誰かが認知症に関連する問題に遭遇したとき,1人で悩まないために書きました.「みんなで考える」ことが認知症問題を解決する一番の方法です.「みんなで考える」とは,認知症で起こってくるさまざまな問題を多面的に捉え,医学,心理学,文化人類学を動員して動的に対処することです.1人で悩まず,みんなで悩みましょう.10人で悩めば,悩みの大きさは10分の1になります.1人では1つの解決策しか思い浮かばないかもしれませんが,10人で考えれば10通りの解決策が提案できます.認知症対策には人々の絆が求められています.さあ,みんなで認知症を考えましょう.


2012年 5月

長嶺 敬彦

目次

プロローグ

認知症の研究は進んでいます

身体的・心理的・社会的アプローチ

医療従事者と患者の視点の違い―「レール」の比喩

認知症の身体的・心理的・社会的アプローチ

Section 1 認知症の病態と認知症治療薬の知識

認知症の薬物療法を理解するためには

認知症の3つの相

認知相

認知予備能

アルツハイマー型認知症の危険因子

認知症の時間軸と認知症治療薬の使用目的

4つの認知症治療薬

認知症治療薬のアルゴリズム

新しい認知症治療薬であるガランタミンの特徴

理論と実際はどちらが正しい?

Section 2 心理面の知識

象徴的二分法―「憎らしい認知症」―

時計分類―認知症の随伴症状分類―

BPSDの対処方法

「小さな社会」を考えよう

介護者の負担と抗精神病薬

BPSDでの薬物療法

抗精神病薬による運動不耐性発熱

常に副作用をモニターする

Section 3 身体合併症の知識

認知症病棟での死亡時期と死因

認知症と生命予後

抗精神病薬の治療ターゲット

抗精神病薬は本当に有効か

薬物療法での注意点

Section 4 認知症という文化

シンプルな交流と複雑な交流

理解が大切である

理解を深めるには

旅は道づれ世は情け

バリデーションとユーモア

(3+1)÷2=2

接線の医療

エピローグ

言語とインフォームド・コンセント

地域機能の変遷と利他行動

遠く未来を眺める

謝辞

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498129443
  • ページ数:88頁
  • 書籍発行日:2012年6月
  • 電子版発売日:2013年6月1日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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